「歴史モノではありません ノワール? 任侠モノ? サスペンス? あたりと思えば そこそこ楽しめるかも でも本質はアン•ジュングンの英雄譚(韓国の皆様にとっての ですが)」ハルビン Freddie3vさんの映画レビュー(感想・評価)
歴史モノではありません ノワール? 任侠モノ? サスペンス? あたりと思えば そこそこ楽しめるかも でも本質はアン•ジュングンの英雄譚(韓国の皆様にとっての ですが)
この映画は、1909年10月26日、当時ロシアの管轄下にあった清のハルビン(現在の中国黒龍江省ハルビン市)のハルビン駅にて、日本の元総理大臣 伊藤博文が大韓帝国(当時)のアン•ジュングン(安重根)に暗殺された事件を中心に、その前後の大韓義兵と日本軍の攻防を描いています。
一応、歴史モノの体裁はとっていますが、時代背景がほとんど描かれていませんし、話のディテールはほぼフィクションですので、ノワールとか任侠モノとかだと思って観るのがよいかと存じます。例えば、こんな……
数年前のR組との一大抗争に勝利したJ組はR組とは手打をしてそのシマの一部を譲り受け、勢力を拡大しつつあった。弱体化したK組に目をつけたJ組はその組織を骨抜きにし、ほぼ傘下におさめ、呑み込もうとしていた。だが、K組の存続を願う不満分子たちはJ組に対して抗争を仕掛けてゆく。多勢に無勢で形勢不利なK組不満分子たちは、J組最高幹部の伊藤元組長がR組の幹部に仁義を切りにR組のシマを訪れることを知って、R組のシマに潜伏しながら、伊藤元組長の暗殺を企てる。それを察知したJ組若頭補佐の森は抗争時に因縁のあったK組不満分子の急先鋒アン•ジュングン構成員の動きが気になって仕方がない。J組きっての武闘派でならす森はK組構成員たちの切り崩しに取り掛かる……
まあこういった話で全篇ほぼ、上で言うところのJ組とK組の攻防にさかれます。満州鉄道の列車内での攻防等、なかなかのサスペンス感もありますし、当時の街並みなどもうまく再現していて画力もそれなりにあります(画力に関しては調子に乗りすぎていて、満州ではあり得ない、別の惑星に来たの、これはひょっとしてSFのスペースオペラものなの、みたいな景色もあって残念な部分もありますが)。まあでも、一応、歴史に基づいた作りになっていますので、結局はK組のアンは伊藤元組長の暗殺に成功することはわかっているわけで、ノワールもしくは任侠モノとしては先の見えてる話をどう面白くするかが重要となってきます。そのあたりは暗殺後の後日譚みたいなのがラストに入っていて、なるほどノワールや任侠モノなら、こうなるよね、といった決着を見ることになります。まあB級ジャンル映画としてなら合格点をあげられると言ってもいいかとも思いますが、例えば、香港ノワールや日本のヤクザ映画と比較したらどうかとなると、それほど面白くもないか、あたりの評価になるのでしょうか。
でも、韓国の皆様におかれましては、なんと言っても、あの抗日運動の英雄アン•ジュングンについての映画です。きっとあのラストにはカタルシスを感じる人が多かったのではないかと容易に推察でき、結局は韓国の人々にとっては英雄譚としての意味があったということなのでしょう。それ以外の人たちには、ヒマ潰しとしてはそこそこ楽しめるサスペンス映画ということにしておきます。
こんばんは。
R組、J組の例えがとてもわかり易い!
私もノンフィクションではない、エンタメとして楽しんだのですが。。
これを史実に基づく作品と観ている方もいらっしゃるようで、それは危ないなーーなんて、思ったりしていますぅ。。
とはいえワタクシも不勉強。。
この時代の歴史を学び直すきっかけになりました。
お隣りさん同士、仲良くしたいですね。
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。