Dr.カキゾエ歩く処方箋 みちのく潮風トレイルを往くのレビュー・感想・評価
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悲しみを乗り越え
被災地で彼をガイドしていたボランティアの女性が、最後の方で自分の子供も津波で亡くなられたということがわかった時、泣けてしまいました。
また、僧侶のはなし、特に薬剤師を目指していた女性の突然死も涙なくしては観られませんでした。
特に印象に残った言葉:
生死を分けたのは紙一重
良いドキュメンタリーでしたが、いくつか気になった点がありました。
八戸市から相馬市までは1025キロはないと思いますので、かなりの寄り道か遠回りしたのだと思いますので、浄土ヶ浜に到着した時、例えば、「2024年4月10日浄土ヶ浜到着、八戸より320キロ」、あるいは、「出発から18日目、320キロ走破、浄土ヶ浜到着」、等のテロップを入れると、何日かかって何キロ歩いたかがわかるので大変さを認識できるので良かったのではないでしょうか。
左手にストック、右手にのぼりを持って歩いてる姿が多いのですが、時々両手にストックを持っている時があります。その時は誰がのぼりを持っていたのか?説明が欲しかったです。
あと気になったのが、どこに泊まるかということです。このドキュメンタリーではその点については全く触れていませんでした。少なくともテントみたいなものは持っていなかったようなので、ホテルか民宿かゲストハウスか、それとも知り合いの家とかだったのかな。
がん3、震災7くらい
地元がスタート地点だから、みちのく潮風トレイルは知ってはいるけれど、遊歩道のように整備されてあるものだと思ってた。
自分はいずれ癌になると言われていての初期の癌だったから、化学療法もないし、映画に出てくるがんサバイバーの方々のような辛い経験はあまりない。
とはいえ癌の種は持ったままだから、いずれどうなることやら。
被災地を巡り、被災者と話し、思いを聞く。
10年以上経っていても、やはり心残りは消えないけれど、いつまでもふさぎ込んでいられない。
出会った人たちの言葉が胸に響いた。
震災遺構というものは、悲しい思いを呼び起こしてしまうかもしれないけれど、後世に伝える教訓として残していかなくてはいけないものなんだな。
処方箋に書かれていたのは、希望。プライスレス。
みちのく潮風トレイルが以前から気になっていたのでとても観たかった映画でした。
がん専門医である御年82歳になるDr.カキゾエが、青森県蕪島から福島県松川浦まで全長1025kmを歩き通す様を追ったドキュメンタリーです。
ドキュメンタリー映画としての完成度には色々と言いたいことがありますが、Dr.カキゾエの生き様そのものの前では些細な問題に見えます。
いや、冒頭のDr.カキゾエの言葉とあまり関連しないように見える序盤の進行に批判的になっている観客を中盤以降でグイグイと惹きつけるその手法は、所謂ヘタうまというものかもしれません。
「私はガンの専門家だから、ガンなんて早期発見できれば少しも恐ろしものではない」
その言葉の裏の意味が中盤以降でDr.カキゾエの半生がつぶさに明かされるにつれて違った意味を持ちはじめます。
そして、トレイルが辿る東日本大震災後の遺構とがんサバイバーの関連がボンヤリと浮かび上がってきます。
なんでもない市井の人の語りに、目頭が熱くなることしきりでした。
天災や病気で、否応なく人は命を失います。とても人間の力でそれを食い止められるものではありません。
だからこそ、せめて人間が人間の命を大量に奪う戦争や貧困を我々はなんとか止めなければいけないのではないか。
ちょっとトンチンカンですが、そんな想いを胸に劇場を後にしました。
3.11の記録を歩くロードムービー
最初はパンフレットを見て、みちのく潮風トレイルを歩くのがメインだと思って観にいったが、どちらかと言うと歩きながら3.11の関係者の人々と会い、聞き取りしながらのロードムービー
パンフレットには全部歩いたような書き方があるが全部を淡々と一人で歩いた訳じゃないし、歩いたのは一部でドキュメンタリー映画としては作り込み的な演出も多かったので、どちらかと言うとTVの旅紀行的な映画かな
まあ、そこら辺も差し引いても3.11から12年後の三陸の海の美しさや街並み、防潮堤、人々の声が聞けて良かった
美しく説得力のある東日本大震災の映像記録
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