劇場公開日 2025年11月7日

旅と日々のレビュー・感想・評価

全205件中、161~180件目を表示

3.0作家の矜持と哀しみと可笑しさ

2025年11月9日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

私は原作は未読だが、つげ義春の短編漫画「海辺の叙景」、「ほんやら洞のべんさん」を原作に撮り上げた映画。


「海辺の叙景」を上映後、脚本家の李を演じるシム・ウンギョンは学生からの質問に「私には才能がない」と答えて、自らの悩みを吐露する。
私はここで、ウディ・アレンの「スターダストメモリー」を思い出した。
「スターダストメモリー」も創作に悩む、監督の苦悩を描いており、作家やクリエイターの矜持や苦悩をシリアスにならずとも、シニカルな視点で表現されていた。



それにしても「海辺の叙景」の河合優実の存在感に圧倒する。
情欲とは違う、日常における無意識のエロティックが「海辺の叙景」には描かれており、海辺の湿った空気感と気怠さが表現されていた。
事実、観客は河合優実に釘付けになる。
そこから学生のセミナーにシーンが変わり、これが「海辺の叙景」が作品であったことに気づいた。
私は混乱した。
確信犯的な演出だったかもしれない。



「海辺の叙景」から、セミナーでの学生への質問に、「自分には才能がない」と答えるシム・ウンギョン。佐野史郎演じる関係者に宥められる。しかしこの関係者が急死。挨拶に向かうもこの関係者の弟役がまたしても佐野史郎。
双子の兄弟であった。
このシーンにも観客を簡単に理解させない、モヤモヤ感を意図的に感じさせたと感じた。

「才能」への苦悩を解消する為に旅に出るシム・ウンギョン。
そしてここからが「ほんやら洞のべんさん」
宿を予約せずに旅に出てしまい、案の定どこも満室。
やっと探してたどり着いた宿。
この宿の主人・べん造を堤真一が演じている。



この作品の前半「海辺の叙景」の導入部はわかりづらいのである。
河合優実に引っ張られたのであった。
学生のセミナーの質疑応答で私は理解した程であった。
しかし「ほんやら洞のべんさん」は自然に入っていく。旅に出るシム・ウンギョンが宿を探すシーンから「ほんやら洞のべんさん」に自然に導入されるので違和感を抱かなかった。


宿の主人・べん造を堤真一が演じているが、不思議な男であり、雪山での一人暮らしと家族との別れで一人暮らし。

ぶっきらぼうだけど繊細さを感じる食事。
静寂な雪山に佇む宿に、響くイビキ。
人や日常生活は相反する中で生きていて、矛盾の中に人間は存在する。そんなことに気づいた。
途中で子供に会うも、変わらずの親子関係であるが、抱っこだけは拒否されてしまう。
可笑しさと哀しみは表裏一体である。

全編通して鑑賞すると、この作品は実験的作品とも言え、不思議な時間を過ごした感がある。
そしてこの実験的作品が洗練され、新たな世界を見出した時、世間はどのように評価するのか。
その時代を待ちたい。

コメントする 2件)
共感した! 9件)
makoto

3.5つげ義春ワールド 的な 何も起・・・・普通感はなかなか良い。

2025年11月8日
iPhoneアプリから投稿

幸せ

つげ義春さん映画は 『無能の人 竹中直人監督』以来だけれども

図書館で漫画全集借りたし 一部コミック購入した 独特の世界観がたまらない。『ねじ式』の漫画は最高ですね。
そんな つげ義春さんが ご存命で 数々の勲章的な受賞 旭日なんやら賞 とか存じ上げず。

もう雰囲気がいいんだよね つげ義春さんの漫画。俺は大好き❤ 自然体 日常。

ただし 俺は高度成長期生まれだから つげ義春さん現役世代では無い。

本作は なかなか つげ義春ワールドで良い。

何にも起こら無いカモ🦆な ただ その 心象というか情景を味わう作品カモ🦆スクリーンで味わって‼️

有料パンフ🈶は有能で満点💯完読
そこで『ホテルのインバウンド』的なヒントが出てて 開眼。

スマホも📱その他もいろいろ無いけれども つげ義春さんの1960を現代にしてるかもな

① 宿屋というか民家
②お風呂どうする
③女性が一人で❓

とか 邪念は払いなさい。作品に集中するのです 命令口調ですまん。

ちなみに前の列のカップル👭は、明るくなった後
『宿泊料どうするの いくらくらい❓』
って語ってました
少なくとも PayPay クレカ💳は使えないカモなぁ。スクリーンで確認を。

でもねぇ テレビで 『ぶらり途中下車の旅』とかやってるけども
人間 なかなか ぶらり途中下車 無計画は 実行できません そういう意味でファンタジー&自然体

韓国の女優さん主人公は 大健闘。日韓 韓日親善❗️

でも 堤真一さんが素晴らしい👍

あっ 有料パンフにロケ地マップ 海🌊&雪❄️☃️乗ってます。

でもね 俺的に最高に良かったのは 少女の河合優実さんの 生々しい😍無機質な エロス😍でした。

不思議ちゃん作品 是非スクリーンで確認して❗️

コメントする 8件)
共感した! 21件)
満塁本塁打

4.5可笑しみがじわる、美しく静かな作品

2025年11月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 1件)
cho

4.5のんびり余白が多い

2025年11月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

身も蓋もない事を言ってしまうと、主人公が韓国人の脚本家なのは何故だろう?
韓国語で書いて、日本語に翻訳してセリフにしてって、二度手間じゃないのかね?
辿々しい日本語を話す韓国人と、ぶっきらぼうな宿主の交流を描くには波長が合うからなのか。
宿のことを書けと言いながら、質問に答えないとか、あんな無愛想な人、普通だったら帰っちゃうもんね。
鄙びた所にに泊まってみたいという需要はありそうだけど。

河合さんパートは、嫌いじゃないけど謎だらけでよく分からんと思ったら、そういう構成なのね。
夏の海と冬の山、良いコントラスト。

警察に怒られたくらいで、特に大きな出来事もなく、ゆったりのんびり。
パトカーも、わざわざサイレン鳴らして来る必要があるのか、緊急事態でもなければ、そもそも他に車走ってないんじゃないか。
こういうのんびりしていて、余白の多い映画は好きだなぁ。年1くらいで観たい。
ちょすなって久っしぶりに聞いた。

コメントする 1件)
共感した! 13件)
コビトカバ

3.5思い出の中のような映画

2025年11月8日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

子供の時のお盆休みに行く祖父母の家を思い出した。微妙に歳の離れた年1回しか会わない従兄弟や祖父母と話題もなくスマホも携帯も無い時代にTVを何となく見ているのだ。離れの仏間や汲み取り式のトイレは物珍しいが恐ろしくもあった。そう、退屈なのだ。
漫画を読んだり近所を彷徨き妄想を広げるしかないのである。
そういう時に感じた空気感をこの映画にも感じた。大人でも旅は退屈なものだ。
日々の方が遥かに忙しい
だからこそ山を越えた先にある宿に雪を踏みしめながら行きたくなるのだろう

コメントする (0件)
共感した! 5件)
木曜日

4.0旅情を描く、のんびり映画

2025年11月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

幸せ

癒される

冒頭の河合優実のパートはただただ彼女の色気で。。後半の主人公のパートは風景を描いている。。。何が起こるわけでも解決するわけでもないけど、ただ見とれていたのが、素直の感想。三宅の絵作りはいいですね。

コメントする (0件)
共感した! 5件)
コアラ

4.5【"失意から再生する漂泊の旅。”今作は人生に迷う在日韓国人脚本家が、鄙びた海辺での若き男女の出会いを映画化するも失意を感じ、その後鄙びた冬の庄内を旅する中で仄かな未来の灯を見つける作品である。】

2025年11月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

幸せ

癒される

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 10件)
共感した! 28件)
NOBU

5.0うわぁ~、クセになります

2025年11月8日
スマートフォンから投稿

笑える

楽しい

斬新

劇中でも出た言葉ですが、
言葉の檻から解放されたような。
折に触れ見返したい。
触れるたびに新鮮という、古典になる映画。

コメントする (0件)
共感した! 5件)
アメリカの友人

4.0三宅唱は最強のなんでも屋だと思う

2025年11月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

とてもいい映画時間が流れている。「旅と日々」ってそのまんまだ。スタンダードの画が劇場に聳り立っていた。

つげ義春といえばつげ義春だよな、と思いながら、ああ、「海辺の叙景」をやっているのかと気づいて、なるほどこれを三宅監督がね〜 なるほど〜あそこはこうするのか、とか見ていたが前半は優秀すぎては〜みたいな感じで眺めているが、おっ、そこに繋がるか、というところでのシムウンギョンパートが始まってからがこの映画の本来の、というか三宅唱的な呼吸が始まる、って感じ。

前半のいわば「海辺の叙景」みたいなのが全編に渡るとキツイな、と正直思ってたところらでこのスイッチが入り、そこからはあ〜お見事、って感じ。なので一粒で二度美味しい作りになっていた。河合優実には河合優実の良さを活かしたフィクションで現代版のつげをかなり攻め攻めで狙い、シムウンギョンではシムウンギョンの優しさと個人のアイデンティティも活かしてそれでいてつげ義春をやるという。。

なぜ今つげ義春? それをどうしたいの? と思っていると、そこはシムウンギョンならわかる、というところに押さえ込んでるのが見事。

映画の成り立ちには色々あるだろう。原作本を相談されたりなんだり。いくらつげ義春が好きと言ってもそんなので現代映画として商売になるのか、と思ったらなっていた。更に山下敦弘の「リアリズムの宿」まで思い出しつつ。まあでも三宅唱には何渡したって良さそうだな。「呪怨」とかも引き出しあるし。次はポンジュノのようにジャンルものでもやってみたらどうかと思った。まあ観客にとっては何にも関係ないけど、そこの接点をちゃんと作り出していて現代映画の呼吸に変えているアイデアが本当にクレバー。「劇中劇」「シナリオライター」「スタンダードで夏と冬」 ある意味とってもパーソナルで豪華。表現の自由も手に入れてる感じ。

ウンギョンでないと笑えない、ウンギョンでないとあの雰囲気にはならない、そんな空気が作られていて、おそらくシム・ウンギョンがつげ義春的な人でもあったのだ、と思える。三宅唱は最強の商業映画監督なのだと今は思っている。

コメントする (0件)
共感した! 5件)
ONI

4.0静謐の中から見える微かな光

2025年11月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 4件)
共感した! 28件)
ひでちゃぴん

1.5両脇の黒枠は何?

2025年11月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 5件)
Jo

4.0テレビでは出来ないストーリー

2025年11月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

こんなに事件の起きない映画もないだろう。10年前の自分だったら間違いなくつまらないと断じたろう。
さながら山奥の旅館に飛び込み取材をした体。役者で見せてくれる。
河合優実パートにもう少し力を入れて欲しかった。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
ドラゴンの父

4.5風景が物語を雄弁に語る

2025年11月8日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

街の風景から始まり、島の海、坂、風で揺れる木々、雨の海、トンネルの先の雪、寂しい冬の川、雪に埋もれる家屋、夜の雪景色、など、この映画は風景を見せる映画だ。
その風景の圧倒的な力を画面いっぱいに味わい尽くす映画。
それは、つげ義春漫画の人物と背景のコントラストの魅力と似ていて(人物はあくまでマンガ的に、風景は極めて写実的に)ああこれはとてもよいつげ義春映画だ!と嬉しくなりました。
海辺の叙景パートでは、このまま命を失ってもいっそいいかもしれない危うさ、ほんやら洞パートでは旅を経て人が回復するプロセスをじっくりと描かれていて、一本の映画でしっかり短編2つの魅力がしっかりと描かれていました。
役者たち、特にどちらのパートの主人公たちがつげ義春印の見た目を感じて嬉しくなりました。

コメントする 1件)
共感した! 4件)
あした

3.5旅とは日常からの解放だ。日常とは違う体験によって幸福感や新たな刺激...

2025年11月8日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

旅とは日常からの解放だ。日常とは違う体験によって幸福感や新たな刺激を得ることできる。何もしないことや暇によって生まれるゆとりの中で考える時間が発生し、それが自分自身にとっても有意義である。

コメントする (0件)
共感した! 4件)
ニッシー

4.0やっぱり、つげ義春は素晴らしい

2025年11月8日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

幸せ

癒される

漫画誌「ガロ」の全盛期を支えた、天才つげ義春の「海辺の叙景」と「ほんやら洞のべんさん」の二作品を原作として、映画化したもの。
 両方の作品とも、異質の2人が出会い、だんだんコミュニケートしていく様が面白かった。だから「旅と日々」という題名をつけたんでしょう(非日常と日常)。

「海辺の叙景」では、都会から来た影のある若い女性役を、河合優実が演じた。
寒天を、天草を海で採ってきて家で作っていたことを思い出した(私の出身は和歌山の串本)。
今回ポイントの一つと思っていたラストの、女が「いい感じよ」と言う、漫画だと見開き1ページで大胆につげさんが描いたところは、残念ながらつげ漫画の圧勝だったかな(まああの絵の迫力は映像化できないでしょう)。

また、宿の主人べんさん役は堤真一だった。最後の方でべんさんがスランプの脚本家に「おめえはベラベラとよくしゃべるのう」と言ったのが、脚本家がスランプを脱出できそうで良かった。

旅行好きのつげさんらしく、大した目的もない、でも意味の多い景色がたくさん出てきて、なかなか渋い作品だった。つげさんもカメラで、風景を盛んに撮っていたらしい。(ちなみに私も旅も写真を撮るのも大好き。街道(東海道とか長崎街道など)を1日二十キロ位歩き、風景とかをパシャパシャ撮りまくる。大体8秒に1枚位。)

あえて言えば、べんさんの言葉が方言がきつく僕の耳では聞き取りづらいところがあった(そのほうが異質感が強まるんだろうけど)。
あと河合優実のビキニ姿が眩しかった。

コメントする (0件)
共感した! 6件)
にっく

3.0つげ義春の2作品がもとになっているらしいが未読。 前半はうつらうつ...

2025年11月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

つげ義春の2作品がもとになっているらしいが未読。
前半はうつらうつらしてしまった…
それくらい音と映像が心地良かったというのはあるけど、一瞬居眠りしても問題ないくらいには何も起こらない。

場面場面はすごく良かったけど、なんだか掴みどころがなくて、なんでもない時間を撮ってるようですごく非現実的というか、違和感みたいなものがずっとあった。
当たり前なんだけど、いかにも作り物を観てるなという感覚というか…私は全然入り込めてなかったということなんだろうな。
確かに旅には出たくなるし、頭を空っぽにはできた。

後半の堤真一とシム・ウンギョンの2人のやりとりはじわじわ来るおかしみがあって良かった。
あと、夜のシーンが映画館で観ても本当に真っ暗。ライターつける瞬間は好きだった。

コメントする 1件)
共感した! 6件)
るか吉

3.0つげ義春作品

2025年11月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

つげ義春漫画の映画化は苦手だ。面白がるポイントが分からない。本作は三宅唱監督だからと思って観たが同じだった。
お陰でよく寝た。横の方のおっさんもいびきをかいてよく寝てた。俺もいびきかいてたのかもしれない…

コメントする (0件)
共感した! 4件)
ぱんちょ

5.0カメラが欲しくなる

Mさん
2025年11月8日
Androidアプリから投稿

1つの映画で2本見たような感じ。苦手な人は退屈しそうだが、私はかなり好きでした。
主役の脚本家の言動が相当おもしろい。

コメントする 4件)
共感した! 19件)
M

2.0多分、映画の時代設定も1960~1970年代なのでしょう

2025年11月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

映画が始まって最初に驚きました。画像のサイズは3:4くらいで昔の16mmフィルム映画を見ているような感覚です(私の見た映画館だけということではないでしょう)画像も現在の4K 8Kと言った鮮明なものではなく、何となくピントの甘いフィルム映画風の画面です。若い人が見れば「新鮮な感覚」と思うのかも知れませんが、優先席に躊躇なく座れる年齢の私からすれば1960~1970年代製作の映画を見ている感じになりました。多分、映画の時代設定も1960~1970年代なのでしょう。
今の時代によくこんなレトロな映画を作ったと思います。○○映画祭では評価が高いのかも知れませんが、制作者の思い込みによる自己満足的な映画ですので、一部の映画マニアの評価だけでしょう。
今に配信で安価(もしくはCMが付くけど無料)で見ることができるようになるかと思います。それから見ても十分です。

コメントする (0件)
共感した! 9件)
PAK UNTIK

3.0まさに旅と日々

2025年11月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

癒される

旅している日々ですね。
すきな俳優さんが出ていたので見に行きました。
基本は日々なので平坦というか平凡というか。
ところどころ笑いもありましたが。

冬の山形の景色は綺麗ですね。

シムウギョンさんがいいですね。

コメントする (0件)
共感した! 10件)
だるまん
PR U-NEXTなら
映画チケットがいつでも1,500円!

詳細は遷移先をご確認ください。