「柔らかく、温かみのあるモノクロ映画」フォーチュンクッキー Toruさんの映画レビュー(感想・評価)
柔らかく、温かみのあるモノクロ映画
ジム・ジャームッシュ やアキ・カウリスマキの作品を彷彿とさせる全編モノクロ映像のインディペンデント映画ということで鑑賞。
主人公は、母国アフガニスタンからアメリカに移民した孤独な女性。中国人が経営する手作りフォーチュンクッキーの工場で働く彼女は、アパートと職場を行き来する平凡な毎日を送る。
アフガニスタンの米軍基地で通訳として働いていた彼女は、そこでの経験によるPTSDから不眠症に悩まされ、定期的に精神分析医のカウンセリングを受けている。
前任者が亡くなりフォーチュンクッキーの中に入れるメッセージを書く担当に。そして出会いを求めて自分の電話番号を記したものを紛れ込ませるという流れでストーリーは進む。
アフガニスタン国営放送で活躍したアナイタ・ワリ・ザダが主人公を好演。
終始のどかな空気感の中、1人の寂しい女性の一歩前にはみ出す姿が淡々と描かれ、わずかにドラマチック、そしてエンドロールに至る地味な展開の映画。
アメリカにおける移民の暮らし、それを取り巻く人々の温かさが上手に描かれており、味わい深かった。
柔らかなタッチのモノクロ映像が、ストーリーとフィット。映画マニア向けの渋い作品といった佇まい。
ほぼ予告編通りの映画。
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