兄を持ち運べるサイズにのレビュー・感想・評価
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出演者さんがみんな素晴らしい。 最初は涙そそられる場面がいくつかあ...
出演者さんがみんな素晴らしい。
最初は涙そそられる場面がいくつかあったけど、結局コメデイだと途中で気づきました。
人は何れ死ぬ、家族も終了していく。家族とは・・・そんな疑問を持った時に、
もう一度観たい映画。
配役が絶妙で、言葉選びも楽しくて、母親に潜む妹属性が素晴らしかった
2025.12.3 TOHOシネマズくずはモール
2025年の日本映画(127分、G)
原作は村井理子のエッセイ『兄の終い』
疎遠だった兄の死によって、後始末をする妹と元嫁たちを描いたヒューマンドラマ
監督&脚本は中野量太
物語は、滋賀県大津市にて、在宅でエッセイを執筆している理子(柴咲コウ、幼少期:高木悠叶)のもとに、宮城県の刑事・山下(吹越満)から一本の電話が入るところから紡がれる
それは「兄(オダギリジョー、幼少期:味元耀大)が亡くなったので、遺体の引き取りをお願いしたい」というものだった
兄は何度か結婚していたが、最後の妻・加奈子(満島ひかり)とも離婚していて、父(足立智充)も母(村川絵梨)もすでに他界していた
唯一の肉親である理子はそれをせざるを得なくなり、一路、宮城県へと向かった
そこには、元妻の加奈子と兄との間に授かった中学生の満里奈(青山姫乃)がいて、三人で兄の後始末をすることになる
また、兄と加奈子の間にはもう一人の息子・良一(味元耀大)がいて、彼は兄が引き取って育てていた
今は児童相談所に保護されていると言われ、近々誰が面倒を見るのかを面談にて決めなければならなかった
物語は、兄が生前に住んでいた家の後始末をする様子が描かれ、そんな中で理子はかつての兄を想起していく
幼少期の頃は、母は兄を溺愛していて、その感情は「兄がいなくなれば良い」と言うものになっていた
兄は元々不思議な感覚を持っている男で、ある意味自由な人でもあった
だが、成人してからも兄は理子に迷惑をかけまくり、その印象が良くなることはなかった
それでも、死の2日前に届いたメールを読まなかったことが、理子に後悔の念を植え付けていたのである
映画は、兄の幼少期と良一を同じ俳優が演じると言う構成になっていて、冒頭は良一(大野遥斗)が受験勉強をしているシーンから始まっている
そこで良一は5年前に渡された理子のエッセイを読むことになり、映画本編は「理子のエッセイを良一が脳内変換している」とも言える
そして、理子が思い描いた父親像を見ていく中で、良一自身が知らない父親と言うものを知って行く流れになっている
エッセイの中では、理子が知らない兄が描かれているものの、そこに書かれている多くのことを良一は知らない
そこには、別れて暮らしてきた母親の気持ちも綴られていて、そういった部分を読むのが怖かったのかもしれない
エッセイの冒頭には「支えであり、呪縛ではない」という理子の言葉が綴られていて、それが映画本編を見る中で印象が変わる構成になっていた
兄に裏切られ続けてきた理子は、まさしく呪縛の中にいたのだが、嘘だと思ってきたことの多くは理子のフィルターを通した思い込みであり、優しかった兄のことを思い出すまでに時間を要している
映画には、「理子は冷たいけれど、兄は優しい」という母の言葉が登場し、その優しさとは何だったのかが描かれていく
それでも、「お金がなくても幸せ」を否定する加奈子の言葉は重く、親として為すべきことの難しさというものも伝わってくる
夫婦の難しさ、配慮の果てにある孤独というものがあって、妹のまま家族のもとに帰ってきた理子はとても可愛いなと思った
いずれにせよ、タイトルが秀逸な作品で、言葉選びに意外性があるのは良かった
理子の幼少期の本音が出るシーンとか、良一が語る後悔などがそれぞれのキャラクターの中にある別の視点の思考というのも興味深かったと思う
それぞれから見える人物像は大きく違っていて、それが人間というものなのだが、いかに自分本位で見ることしかできないのかを突きつけられる側面もある
映画は、理子の視点で兄の新発見をして行くのだが、そこに自分の思い込みで断罪したものも加わってくる
それが彼が遺し育てた良一を通じて知って行く部分があって、それが本作の魅力なのかな、と感じた
違う目線から見た家族の新たな姿。
残念に感じました
あなたは家族の呪縛を支えに昇華できるか
予告編を観てホーム・コメディかと思っていた。
おまけに「ダメ親父」「クズ男の兄」の役でオダギリジョーという設定は、今までに何度か観た記憶があるし、もう賞味期限切れではないか? 観なくても良いかな? と。まぁでも柴咲コウと満島ひかりの芸達者が久しぶりに前面に出ているし、せっかく新宿に『ゴールデンカムイ』を観に来たので、1本だけじゃもったいない。せっかくだからもう1本観ておくか、時間も合うし……程度に高を括っていた。
序盤のオダギリジョーのクズっぷりはスクリーン越しに首を絞めてやりたいくらい。西のダメ親父・クズ男はディカプリオ、東のそれはオダギリジョーで確定だ。
あーそうか、監督の中野量太は『湯を沸かすほどの熱い愛』の監督か! 道理で同じ世界線でオダギリジョーを起用したわけだ。
それが見事にやられてしまった。
今年観た邦画の中でベスト10に入るかもしれない。
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まず技術論から。
この映画、ともかくショットが美しい。美しい景色が写されているのではなく、人、もの、空間の撮り方が極めて映画的で心地よい。
最初に引き込まれたのは、40年前のレストランで、順に写される食品サンプルと主要キャストの名のコンビネーションだ。これは言葉では伝えられないので観ていない人はぜひ御覧いただきたい。
こういった感覚で撮影しているから、あらゆるシーンのアングル、俳優のアップ・引き、すべてに安心し信頼して観られる。
監督とシネマトグラファーは、めちゃくちゃオーソドックスな名作を山ほど観てきたんだろう。
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そしてテーマへ。
誰にでも生物学上の家族として、父母は必ず居る。
場合によっては兄弟姉妹が居るかもしれないし、子、あるいは孫、その他にも血縁親族が居るかもしれない。その親族と婚姻によって結ばれた人びとも社会的家族として居るかもしれない。
その独特の家族関係の中で育った自分の内面には、曰く言い難い「家族同士のわかり合えなさ」 があり、程度の差はあれ拭い難い感情や確執を持て余している。
だから誰もが、「家族」というものには一家言を持っている。
そして「家族の物語」に触れた時、無意識のうちに良くも悪くもさまざまなハレーションを自動的に引き起こす。
これがあなたが持つ束縛、もっと言えば呪縛の正体だ。
だが、その呪縛が自分の出生~成長とほぼ一体となって培われたものである以上、まったく別の人生、別の家族関係、別の記憶を生きることはできない。
だからその家族関係に呪縛を見るのか。支えを見いだすのか。
それは単なるすり替えではなく「一番向き合いたくない他者としての家族」に向き合い、----それは同時に自問と内省によって自分に向き合うことなのだが---家族の中に自分を見、自分の中に家族を見る、「その溶け合った化学反応としての自分」の存在を知るプロセスとなる。
この作品は、派手な事件やエピソードは一切ないけれど、理子(柴咲コウ)にとっても、加奈子(満島ひかり)にとっても、満里奈(青山姫乃)にとっても、良一(味元耀大)にとっても、自分の呪縛を発見し、辛い直面を経て昇華し、支えにしていこうとそれぞれが静かに決意する魂のプロセスの物語である。
終盤、図書館のレストランで良一が理子に「あること」を訊くシーンは不覚にも落涙した。
それは、人生の中で誰でも直面しうる自責であるし、少年の吐露だけによけい胸に刺さる。
女の子で芸達者な子役は多いが、男の子でここまで出来る役者は初めて見た。
ファンタジーだね
家族ってなんだろう
居れば煩わしく居ないと寂しい
家族が死ぬってのはそういう事かもしれない。
ちょっと共感できない事も多くて戸惑いはするのだけれど、消失を上手に描いてたのかもと思う。
あの兄はなんだかんだで愛されてはいたのだろうと思う。憎めない存在というのかなぁ…そんなポジション。
元妻と妹では見えてる側面が若干違うのも大いに頷ける。その異なる視点が「兄」の人物像を豊かにしてたのは確か。
ただ…何で?と思う疑問への答え合わせはない。
なぜ、長男だけを引き取ったのだろう?
なぜ、長男はあんなに塞ぎこんでたのだろう?
なぜ、喪服を忘れたのであろう?
なぜ、分骨が直だったのだろう?
色んな疑問に自分なりの答えを当てはめられた時に、この作品の全貌が見えてくるのかもしれない。
正直、満島さんを観に来た。
相変わらず素敵だった。
瞬発力のある感情表現が、台本の所在をあやふやにさせるようで魅入る。
なんちゅうか、他人の家ってある意味独立国家であり異文化なんだなぁなんて事を思う。
だから、なんかこんなボンヤリした感想になるんだろうなぁなんて事を思う。
感情移入しながら見れるような題材でもないのかもな。
ちなみに俺は持ち運ばられる側の存在ではあるが、俺が先に死んだとて妹連中は、俺の幻影などを作り出さないとは思う。
何故か?
劇中の兄ほど迷惑をかけてるつもりがなく…ソレは妹達の人生にどんな形であっても深く関わっていないからなのかもしれない。
リコにはずっと棘のように兄ってのが刺さっていたのだろうと思う。ソレが勝手に抜けた時にそれまで当然であったものが無くなり薄れていく消失感だろうか。
それに伴い棘自体に目を向けたのがこの物語なのだろうな。
妹のバイアスと誤解 ~兄はつらいよ~
原作はノンフィクション・エッセイ「兄の終い」(著者:村井理子)
時はコロナ過以前。
3.11から復活した東北(塩釜市・多賀城市あたり)が舞台。
全体的に登場人物が少なくてわかりやすい作品です。
主演は柴咲コウさんですが、リコの兄(オダギリジョー)の元嫁カナコ役の満島ひかりさんもほぼ主演でした。
満島ひかりさん、演技を超えて本当に笑って本当に泣いていたように見えます。
終盤、満島ひかりさんが骨を手掴みするシーンがあります。『川っぺりムコリッタ』(2019年)を思い出しました。
冒頭の少年のシーンが、いったい何なのか、それが最後にわかってスッキリします。
リコの想像にも変化があり、笑えたし泣けたしで大満足です。
良一くんが幸せでありますように
役者さんが皆さん良い演技をされていて、特に兄の元妻と息子くん(良一)に泣かされました。
内容は重いですが、作品自体は少しファンタジー要素もあって明るいと思います。
主人公は柴咲コウさん演じる妹なのですが、私はどうしても、兄と暮らしていた幼い息子くんのことが気になりました。
もしあのままずっと父子家庭だったら、息子くんはヤングケアラーになって学校にも行けずに搾取されるような状況になっていたかもしれない・・・
兄の汚部屋を片付ける際、居住者だった息子くんの了承もないまま、物を次々と処分している様子には不自然さを覚えましたが、後始末にはそれほどのエネルギーが必要なのだという点では参考になりました。
どうか良一くんが、幸せでありますように。
残された人が事実を美化していく、それが生きていくということ
2025年映画館鑑賞119作品目
11月30日(日)イオンシネマ石巻
FSシネマチケット1300円
監督と脚本は『湯を沸かすほどの熱い愛』『長いお別れ』『浅田家!』の中野量太
23時過ぎ疎遠の兄が亡くなったという知らせが宮城県の塩釜警察署からあった
夫と息子2人と滋賀で4人暮らしの作家の村井理子は仕方なく宮城県に
塩釜警察署で兄の元妻とその娘と7年ぶりの再会
兄と同居していた兄の息子は児童養護施設で保護されていたがのちのち合流
兄の葬儀を済ませて火葬し骨壷に
兄が住んでいた多賀城市のアパートの片付けに四苦八苦の女3人
まあなんてことはない話の内容
柴咲コウはこの映画についてのインタビューでこう答えている
「理子本人は苦しかったと思います。もうこの世にいない兄をこれ以上恨んでも憎んでもどうしようもできない。どうあがいても解決できないのであれば、あとはもう自分で補完していくしかないと思います。何事も時間が解決する、というのは、時間が経てば経つほど残された人自身が補完して事実が美化されていくからではないでしょうか。それが生きていくということだし、それでいいと思っています。」
僕もそう思う
彼女のこのコメントがこの作品のメッセージのほぼ全てが詰まっているのかもしれない
しかし僕は美化できていない
最大は売りは柴咲コウと満島ひかりの共演でしょうか
初共演?
妹も元妻も故人を嫌っていたのか好きだったのか微妙な感じ
愛されクズか
クズでも子供2人拵えただけでもいまどき偉い
オダギリジョーはクズがよく似合うらしい
取り立ててそうは思わないがクウガの件をいまだに引きずっているオタクおじさんが多いのかな
クウガなんて四半世紀近く経つというのに
パソコンで文字を打つあの演出は嫌いじゃないが特に好きじゃない
主人公が作家ならでは
理子は度々兄の幻想を見る
夫や子供という家族がいても両親やきょうだいを全て失くすということはとても寂しいものです
しかもあの年齢でお察しします
あと葬儀はびっくりするほどお金を取られる(100万超え)
坊さんに対するお布施も半端ない(最低で40万)
香典が多い場合は追加で香典返しをしないといけない
大赤字である
売れれば作家はエッセイで元がとれるが
葬儀屋や坊主が儲かるシステムになっている
配役
夫と2人の息子と共に滋賀に住む作家の村井理子に柴咲コウ
宮城県多賀城市に住んでいた理子の兄にオダギリジョー
愛知県豊橋市に住んでいる兄の元妻の加奈子に満島ひかり
兄と加奈子の娘で母と一緒に住んでいる満里奈に青山姫乃
兄と加奈子の息子で父と一緒に住んでいた良一に味元耀大
理子の夫に斉藤陽一郎
すでに他界している理子の父に足立智充
すでに他界している理子の母に村川絵梨
児童養護施設職員に岩瀬亮
葬儀屋に浦井のりひろ
兄が住んでいたアパートの大家に不破万作
塩釜警察署の刑事の山下に吹越満
史上最強の白帯
家族ってなんだ
言葉を生業にしている方を悩ませるわけで、スラッと即答できる人がいるんでしょうか。
家族だからって、言いたいことが言い合えるわけではない。
家族だからって、いつまでも一緒にいられるわけではない。
家族だからって、可愛がっているものを同じく扱えるわけではない。
家族だからって、涙の意味が理解できるわけではない。
家族だからって、電話口のウソを見抜けるわけではない。
家族だからって死んだあとも会いたくなるわけではないし、死んだあとも会いたくなる存在が家族であるとは限らない。
なぜ主人公が東北を選んだかはそれぞれに解釈が委ねられたままですよね。というか、全ての解釈を委ねられたようにも思います。
とても「支え」になっていたようには見えない兄の存在も、どこかのタイミングでは支えになっていたか、あるいは今後の支えになるんだと感じさせてくれました。
血のつながらない、主人公の妹と元妻が理想的な家族のように映る瞬間もありました。
やっぱり満島ひかりさんの演技が冴え渡っていましたね。
一つ言えることは、家族だからこそウソをつくということもあるように思います。
相手の全てを理解できなくても、全てを愛することはできる
思い込んでいた兄の嘘が丸裸に。残された優しさに触れて、兄で在ったと今振り返る!
いつの間にか、心地よかった夏のそよ風が秋風に変わって
今は冷たい寒波に変わってしまい。
蒼く繁った木の葉のような家族の絆も 今では 私だけ。
楽しかった家族の誰もが亡くなって行き、残された者への寂しさ。
疎遠で在った兄の死に立ち会い、 忘却の彼方に消えた思いに触れて行く・・・
今日は、「兄を持ち運べるサイズに」の鑑賞です。
実は全く存じなかった作品で、期待はして居りませんでした。
”兄を持ち運べるサイズに” ⇒ どう言う事なのかと?思っていましたが
つまり 疎遠だった兄の訃報を知らされて、心 気が進まぬままに遺体とご対面。
身寄りと言っても別れた奥さん(義理の姉)と娘と息子と 実の妹の私だけ。
何とか兄を葬儀に出すが、火葬にして遺骨を持って帰る そんなお話です。
最初、このお話は創作かと思ってましたが 実話体験談ベ-スで在りまして、
そこは或る程度リアルだったなと感じました。
前半は 妹から見えてた嫌な兄の姿。 普通に金をせびる兄。出来れば他人の素振りをしたい思い。 それは良く分かります。
しかし離婚した時に子供達姉弟も別々に引き取られてて、何とこんな劣悪な家に息子が居たとは。そして児相に保護されてる。
どうして 兄はこう成ったのか、何故離婚したのか、子供達を離ればなれにさせてしまったのか、兄の嘘と向き合った時 本当の事が見えてきます。
最後まで見て、妹が思い出す 兄との思い出。幼いとき、
両親二人がやってる食堂まで行って 親の顔を見て帰るだけだったけど、
自転車に二人で乗って警官に注意されて、とっさに嘘ついて。
その懐かしさの中に 兄はやっぱり優しい人だったんだと思い返すことが
彼女にとっての幸福なんだと思います。
だから ボロアパ-トを義理の姉と二人で後片付け整理やった時
兄の嘘だった中に、 真実の顔が浮かび上がってきます。
他の人より只上手く生きられなかっただけなんだと・・・
それに気付いたとき、最後の家族は亡くなったわけで。
もっと早く気付いてあげる事が出来たならと、後悔が残ったと思います。
この作品は、私にとって見て良かったです。
大事な事を教えてくれたと 思います。
原作:村井理子氏 (兄の終い)
脚本・監督:中野量太氏
-------MC--------
・村井理子 妹役:柴咲コウさん
・亡くなった兄 役:オダギリジョーさん
・加奈子 別れた妻役:満島ひかりさん
・満里奈 母側に引き取られた長女役:青山姫乃さん
・良一 父側に引き取られた弟役:味元耀大さん
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グッと引き寄せる感覚が所々在るのが
中野監督らしい作品でしょうか。
今作も隅々まで行き渡る視点が在ったかと感じます。
あと久し振りに見る 柴咲コウさんと、 最近大活躍なオダギリジョ-さん。
この兄役に相応しい? やっぱり上手いな~と感じました。
良い感じの兄妹に見えました。
そして、児相に保護された別れた息子と、空白の時間を取り戻すために 母として接していく姿を演じた満島さんがとても良かった。
壮絶なアパ-トの部屋で 寝泊まりする覚悟があった事が後に語られます。
そして、別れ離れに成ったけど もう一度 姉弟(満里奈、良一)に戻れた二人に祝福ですね。時間は掛ったけど こう成れたのもある意味 父のおかげ。
新幹線の座席上で 分骨するとか、最後の想い出に それぞれアパ-トに入るとか
ちょっと蛇足感は在りましたが 総じて良い感じで終えれたと思います。
駅まで迎えに来た理子の夫が足を骨折してて。
”何で 言わなかったのよ~” の言葉に
夫の優しい言葉の返しが(嘘)。
兄の話してた 愛ある嘘と、少し重なって見えました。
ご興味ある方は
是非 劇場へどうぞ!!
悪くはないが何も響かなかった
原作や作られた背景等の情報は知りません。
予告で見て気になったので見ましたが
とんだ期待外れすぎて早く終わってくれないかなと思うほど最後まで退屈でした。
内容的には兄が急に死んでしまうのですがその兄がどうしようもないクズでなんというか子供の頃の様子などから見るとADHD持ちのお調子者って感じです。どう見ても妹にとっては厄介な存在でしかないと思うのですが。
その兄のあとしまつを妹と元嫁とその娘でやっていく四日間を描いたものです。
兄の亡霊が出てくるのですがそれはあくまで妹が美化して妄想した姿であるので、実際に兄がどうだったのかわかりません。そういった手紙や証言が出てくるならまだしもそういうのもないので、なぜにあのクズ男をそこまで美化できるかわかりません。ま、クズでも家族は家族であるという視点なのでしょうか?
やけに他の方のレビューは評価が良いですがこの作品、俺には全く理解できませんでした。
それとあの息子、なぜにあんなに怯えているのか?実の母親と姉との対面にもビクビクしているし父が亡くなったことの悲しみの表現なのか、最初父親から暴力でもされてたのかと思いました。母や姉との距離感がありすぎることに何か意味やストーリーがあるのかと思いきやそこも描かれていないので彼が怯えたような態度がいまいち意味がわかりませんでした。
それと元嫁はクズ男を良かったとこもあったとか言ってますがそこも回想シーンなどもないため、いまいち何を持ってただの嘘つきではなかったとか言ってるのかその辺りもちゃんと過去の場面を取り入れるべきではないのでしょうか?
頭で思い描けば見えるとかいうファンタジー要素も終盤取り入れてますがそれもなんだか中途半端で。だったら最初から死んだ兄が見えて会話できるくらいのぶっとんだ設定を盛り込んでくれた方がまだ潔くて良いと思います。
とにかく見て損しました。
ただただオダギリジョーが楽しくはしゃいでる姿を見れたのが面白かっただけですね。
これが 満島ひかり か
なにからなにまで素晴らしいね。
柴咲コウに電話が掛かってきて、上の子は異常な気配を感じてテレビ切るけど、下の子は「ちょっと」っと言っちゃうとか、そういう細かなところが最初から素晴らしい。
東北で待ってる満島ひかりは、緊張に耐えられずタバコ吸おうとして娘に止められてるんだよね。タバコが後からいくつかのシーンで効くので、ここで出すのもいいね。
それで、満島ひかりが息子の良一に久しぶりに会うところの演技がすごい。会いたいけど会えないという息子に、何年かぶりかで会うお母さんは、こういう顔するだろうなと思ったもん。
満島ひかりは、ここからずっと、ちょっとヤンチャだった綺麗なお母さんという感じでいいね。
お兄ちゃんが住んでた家に行って、娘が『私がいた』と泣くところ、ベタでいい。家族写真を壁に貼られたらね、お兄ちゃんはクズだったかも知れないけど、イイ奴なんだろうなと思っちゃうよね。
葬式やって、お兄ちゃんの家のものを全部捨てて、帰りの車で柴咲コウと満島ひかりがぶつかるのいい。お兄ちゃんが嘘つきかそうじゃないかで始まって、なんで良一をお兄ちゃんに渡したんだって話になって。そこで良一の下着のサイズが合ってない話を柴咲コウがすると「なんですぐ私に言ってくれないの!?」から「駄目な母親なんで」とタバコを吸いにいっちゃう満島ひかりがいい。
良一といっしょに暮らしたいと伝える日に、震える手でタバコを吸うのもいい。満島ひかりからしたら、一度は見捨てた息子が、自分を許してくれるかどうかだからね。そして出てきて、うまいタバコを吸うのかと思えば「もう、タバコやめる」の展開も素晴らしい。
それからスーパーで、ダブルソースをかけた焼きそばが「大好きだった」と言って、柴崎コウはお兄ちゃんが大好きだったって言わせるのもいい。
この辺で、嘘ばっかりと思ったお兄ちゃんの言ってたことが、本当だったって分かってくるんだよね。それで柴咲コウの悩みは深まる。
でも、図書館のカフェで「僕のせいなのかな」と聞いてくる良一に「お兄ちゃんの運命みたいなもので、良一は何も悪くない。今までも、これからも」と柴崎コウが答えて、ここで柴崎コウ自身も少し納得してると思うの。
このシーン、身近な人が、不慮の死をとげると、周りの人は誰しも「自分が悪かったのかな」って思うんだなって思った。自分にも、少し、経験があるけど、あれ、みんなそうなんだ。
最後にお兄ちゃんとお別れしようと、「会いたい」と念じれば、お兄ちゃんは現れるぞってことにして、満島ひかりが会いに行くところ良かった。
「お前も相変わらず綺麗だな」「当たり前っしょ。再婚狙ってんだから」「俺とか」で、満島ひかりが絶句するのが良かった。満島ひかりが脳内に生み出したお兄ちゃんが、「お前は俺と再婚したいのか?」って聞いてんの。それで絶句すんの。いいよね。できるものなら再婚したいんだよ。でも、それじゃ家族を守れないっていう苦悩だね。
それでみんな帰路について、帰りの新幹線で分骨やったり、満島ひかりがちゃんとした母親になる宣言したりで、駅の改札で、柴咲コウが家族に迎えてもらうんだよね。
ここも良かった。
旦那が骨折したのを黙ってて「嘘つかないでよ」って、旦那の胸で泣くのがいい。
柴咲コウは、以前属していた家族は、全員他界しちゃったんだよね。でも今は、新しい家族がいる。その家族に支えられて、初めて泣けるの。
なにからなにまで良くて、いい作品だったな。
でも満点レビューにはしないんだけど、それはね、人が死ぬ話って、絶対に心が動くの。
その話を超絶うまく描いてるから文句は全くないんだけど、やっぱり人が死ぬ話で心を動かしにきているところで、作品としては、少しだけ厳し目に見ちゃうね。
全く共感できない
何を伝えたいのかがさっぱり分からず、共感できる部分もほとんどない作品でした。まさか幼児虐待を扱った内容だとは思わず、さらにその加害者である父親を許すような展開には不快感すら覚えました。それに加え、各キャストのコミカルな演技と物語の重たさとのバランスも悪く、ちぐはぐな印象を受けました。
原作は未読なので、原作と本作と展開が一緒なのかは不明ですが「一見ダメ人間に見える兄も、実は根はいい人だった」という展開なら分かるのですが、「やはり本物のクズでした」という展開に至るのは理解に苦しみます。少なくとも本作のコミカルなトーンとは合っていないと思います。
恐らくキャストの皆さんも演じるのが難しかったと思います。そんな中、娘役の役者さんはとても自然な演技で良かったです。
十分、憎める
全162件中、41~60件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
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