兄を持ち運べるサイズにのレビュー・感想・評価
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自分の家族仲によって感じ方が変わる作品
家族は支えであって呪縛ではない。
この一言で救われる人も多いのではないかなと思った。
家族仲が良いに越したことはないけれど、家族とはいえ人と人だ。価値観や気が合わなかったりする人もいるだろう。
私は幸運なことに家族仲が昔から良かったので、主人公の気持ちに「わかるよ」と完全に共感することは難しかった。けれど、主人公と近しい経験や感情を抱いた経験がある人は、より感情移入して観ることができる作品だと思う。
上記の前提があったのは、私はどうも作品の演出や構成が気になってしまい後半になるにつれて、作品から気持ちが離れていってしまった。
主役が作家ということもあり、ところどころで主人公のその時の感情が脳内でタイピングしているかのように、文字として出てくる演出がある。最初はそれがアクセントにはなっていたけれど、その量が増えてくるとくどく感じる。
文字の出す場所は凝っていておしゃれではあったけれど。
あとイマジナリー兄がこれもところどころ出てくるのだが、個人的にはその演出も主人公のイマジナリー内でおさめてほしかった。最後のアパートのシーンはめちゃくちゃ冷めてしまった。
監督の「湯を沸かすほどの熱い愛」が好きだったので、期待値が上がっていたのもあるが、家族の描き方としては私は「湯を沸かすほどの熱い愛」の方が好きだった。
と、辛口レビューをしてきたが、役者陣の演技は素晴らしかった。柴咲コウの母親、妻、元伯母、妹の立場で話すと、ナチュラルにその立場での話し方になる演技はすごいと思ったし、オダギリジョーだらしない兄はハマり役すぎた。満島ひかりの涙の演技もやっぱり最高。
あと「湯を沸かすほどの熱い愛」と同じで、作品を見る前と後で作品のタイトルな感じ方が変わるとこも良い。原作のタイトルではなく、このタイトルにしたのは大正解だと思う。
家族が全員亡くなってひとりになったとき、私はどんな風に思うんだろう。それを考えたら寂しすぎた。
家族の形、家族とはなにか、それを考えさせられる作品だった。
温かくユーモラスな視点で人の死、家族の記憶を大切に描く
もうすっかり歳を重ねた主人公が兄の訃報に触れ、「彼はいったい何者だったのか」という命題に直面する物語。幼い頃から身勝手でいつも周囲を振り回し続けた兄。大人になってもお金の無心ばかり。嘘つき。それに油断してると人を見透かし心の内側にずんずん入り込んでくる。でもそれはあくまで主人公の目に映った兄であって、いなくなって気づけば「知らなかった側面」が次から次にあふれていく。人間の死、もしくはその後の諸々の処理の過程を「持ち運べるサイズに」というユニークな角度からの表現で照射しているのと同じく、本作はオダギリが飄々と演じる兄像が鏡のように反射しながら遺された者達に気づきと心の広がりをもたらしていく。哀しみと可笑しみと弛まぬ日常をしっかりと描く筆致は、過去にも生死や家族というテーマを大切に扱ってきた中野監督ならでは。柴咲&満島の内側から滲み出る好演も相まって安心して身を預けられる秀作に仕上がっている。
やっかいごとを片付ける
いつもの映画館で
スタンプが6個たまってロハ 嬉し
かねてから観たいと思っていたが
TOKYOタクシーとか平場の日とか
あぁ前日のバックホームは余計だった
今週終わると知り駆込観賞
18時開始 仕事終わりでホントにダッシュ
舞台が多賀城との情報を
地元のラジオで聞いていた
この監督の作品はそこそこ観ている
湯を沸かすほどの宮沢りえのお玉シーン大好き
殴られていたのはオダギリだったような
この映画でもダメっぷりが見事だった
彼は自転車が似合う しかもママチャリ
柴咲コウはでっちあげの快演ぶりが
記憶に新しい こういう文系女子も似合う
内容は極めてあっさりで
なぜ多賀城だったのかというところは
ちょっとよくわからなかった
生活保護の職員が彼の人となりを
語るシーンがあって
あの人はこういう活動をしていたんですよとか
彼にはほんとに世話になったんです
みたいな人が現れたりするのかと思いきや
全然そうではなくて
震災との関係とかも特になく
現実ってそんなもの
それこそ映画になるような話など滅多にない
むしろ何でもない
どちらかというとやっかいごとを片付ける
長いお別れもそうだったような
この監督はそういう題材が好きなのだろうか
骨シーンは湯を沸かすのラストと相通ずるような
旅先のなんてことないホテルの朝食の描写
席を一緒にする相手が変わったりする
あ 最終日はパンなのか みたいなことを
丹念に描いていてこういうのが好み
やっぱりPARFECT DAYS的なもの
観ている途中で
冒頭のシーンって何だったのかとぼんやり思った
最後に解決してスッキリ
満島ひかりが新幹線の降り際で
かなり大事なことをしゃべったような気がする
早口だったのか回りくどい言い回しだったのか
すっと意味がとれなかった
お金がないから幸せでないわけではない
というのは違う みたいな どっちだ
原作を読んでみようかな
普遍的で離れられない 自分だけの気持ち
犬童一心監督のメゾン・ド・ヒミコが大好きなので、オダギリジョーと柴咲コウの作品というだけで観たくてしょうがなかった。
不機嫌そうな柴咲コウと色々ダメそうなオダギリジョーが並んでいるだけで画になって、回想を挟みながら淡々と進みながら静かに込み上げてくるような空気に私の好きな2000年代の邦画のようなものを感じて、それだけで幸せだった。これはアスミックエース出身の小川真司プロデューサーによるところも大きいのかもしれない。
ストーリーは絶縁状態にある兄の死を知るところから。主人公の動揺の少なさは大事な家庭を設け、大事な仕事をし、心の置き所が完全に変わってしまった妹のそれとしてとてもリアルで。
個人的に、柴咲コウの格好が 〇〇さんちの生活 というエッセイを書いていそうな人すぎて笑ってしまった(シャツワンピ、スニーカー、眼鏡、小さな黒い鞄という)
それでも自分の知らない兄を知る元妻や、その娘や、兄が確かに愛情を注いでいた息子と短い時間で関わり合う中で、遠くに置いていた自分の記憶が蘇ってくる。
自分の内側にいた兄の存在が、蘇ってくる。
自問自答はしても、後悔はしていない。
兄がダメな人であったことも変わらない。
子供の時の拗ねるような気持ちとも十分決別している。
兄を終う4日間を終えて、戻るべき場所に戻って、もしかしたらまたすぐ心は離れてしまうだろう。
それでも
あれだけ中心にあって、兄に「2人きりになっちゃったな」と言われ、今は自分1人になってしまった家族が 自分の知らないことも沢山ある家族が 残り続けている。
これを支えと言うのは気恥ずかしく、呪縛と言うには感傷の裏返しのようでこれはこれで恥ずかしい。
どちらでもなく、ただただ自分が在り続ける限りしつこい雑草のように根を張り続ける存在なのだと思う。
だから、草をむしり続ける生活の中で、時には存在を愛しんでみたくなる。
オダギリジョーには似ても似つかない兄に無性に会いたくなってしまった。
雑記
・中野量太監督らしい少し臭い演出はありつつも、これをできるところが好きなところだ。1人ずつオダギリジョーの幻影に会いにいくところがやや冗長なそれなのだけれど、なんだか舞台のようで面白かった。
・震災を示唆するところは映画にどのくらい必要だったのだろう。どうしても浅田家を彷彿とした。このあたりは原作のエッセイを読んだら答え合わせがあるのかもしれない。
・地元が宮城なので。多賀城も塩釜も良いところだよ!多賀城市立図書館にまた行きたくなった。
記号でしかなかった満島ひかり
初めての中野量太監督作品。見ているのが苦痛だった。
オダギリジョーも出ている「夏の砂の上」で母親役として瑞々しい存在感を放っていた満島ひかりが下手に見えた。
他、ほぼ全ての登場人物が記号にしか見えなかった。
チープなテレビドラマで見るような記号的な人物が記号的なセリフを放つ。そんな場面の連続だった。
所々挟まれるギャグやコメディ要素もしんどかった。
役所や児童養護施設のスタッフの不自然さたるや。
そろそろ終わりますが一番許せなかったシーンが2つ。
ゴミ焼却場と汚れた布団。
汚物を連続で見せられるシーンには辟易した。
演出や脚本が機能していないからただの汚物にしか見えないのだと思う。
心温まる
1.はじめに:中野量太監督との相性
❶中野量太の長編監督作品中、本作を含め5本が名古屋で劇場公開されていて、全作をリアルタイムで観ている。他に他地区の一部単館と配信のみが1本(下記②)あるが、未見である。
❷マイ評価は下記の通り。ベストが③。本作は5番目。全体の相性は「上」。
❸5本に共通することは、主人公又は関係者の家族の死に関わる深刻な内容を、笑いとユーモアのオブラートで包んでいるにも関わらず深い感動をもたらすと言う、ユニークな作風にあると言える。それは中野監督の優しさのある人間味であると思う。
①『チチを撮りに (2012)』 74分、監督/脚本、公開年月2013.02、♥2013.02鑑賞98点。
②『沈まない三つの家(2013)』 69分、監督/脚本、公開年月2013.10(一部の単館と配信のみ)、未鑑賞。
③『湯を沸かすほどの熱い愛 (2016)』 125分、監督/脚本、公開年月2016.10、♥ 2016.11鑑賞100点。♥2017.08リピート100点。
④『長いお別れ(2019)』 127分、公開年月2019.05、♥2019.05鑑賞98点。
⑤『浅田家!(2019)』 127分、公開年月2020.10、♥2020.10鑑賞85点。
⑥本作『兄を持ち運べるサイズに』 127分。公開年月2025.11、♥2025.12鑑賞80点。
2.マイレビュー
❶相性:上。
❷時代と舞台(登場する文書やテロップや会話等の日付から):
①2019年:滋賀県⇒宮城県多賀城市。
②40年前(1970年代)の愛知県。
★多賀城市は、現役時代出張で何度も訪れているので、親しみを感じた。
❹主な登場人物
①村井理子(りこ)(柴咲コウ):
主人公。滋賀県在住の翻訳家・エッセイスト。夫と2人の息子がいる。何年も会っていない兄が死んだという知らせを受け、多賀城市に向かう。そこで7年ぶりに兄の元妻・加奈子と、その娘・満里奈と再会し、協力して兄の死後の処理を行う。その4日間の体験を本にして、それが原作になっている。
②兄(オダギリジョー):
理子の兄。多賀城在住。マイペースで自分勝手、いつも家族を振り回し、妹に金の無心をしてくる迷惑なダメ人間。でも心根は優しく、人当たりの良い憎み切れない性格。2度結婚して2度離婚した。母が癌だとわかると、東北に転居し、母を捨てた。2019年、アパートで脳内出血で死亡。病気で生活保護を受けていた兄のアパートはゴミ屋敷同然だった。その部屋には理子の本が並んでいた。死後の処理中の理子の前に亡霊として数回登場する。
③加奈子(満島ひかり):
兄の元妻。豊橋在住。娘(同居)と息子(兄と同居)がいる。兄を愛しているのに離婚したのは主に経済的理由による。息子の親権を兄にしたのは、それが離婚の条件だったため。理子と協力して、元夫の死後の処理を行う。
④満里奈(青山姫乃):
兄と加奈子の娘で中学生。離婚後は加奈子と暮らす。
⑤良一(味元耀大):
兄と加奈子の息子で小学生。離婚後は兄と暮らしていた。兄(父)の死後は児童養護施設を経て加奈子に引き取られる。
⑥大家(不破万作):
兄のアパートの大家。
❺まとめ
①タイトルにある「運べるサイズ」とは「遺骨」のことだったが、「心の中に留めおいて、何時何処でも思い出す」意味もあると思う。
②おんぼろアパートで孤独死した兄は、人生の敗残者だったかも知れないが、迷惑をこうむってきた妹の理子や、元妻の加奈子や、そして我々観客の胸には、彼なりに「懸命に生きた優しく愛すべき人」として記憶されることになった。心温まる内容である。
純粋な人が生きづらい時代に
「遠くまで行った甲斐が」
しみじみとした良い映画でした。
身近にありそうな話で、あまり刺激的ではありませんでしたが、しみじみとした良い映画でした。家族を大切にしたいと思いました。お兄さんが見えるという演出は賛否あるようですが、僕は良いと思いました。
クスクス笑えて、ぽろっと泣けた
愛しているのに憎む複雑な心理
絶縁していた兄が亡くなったという突然の知らせ。兄妹が決別することになったエピソードから語られていく始まり方。人たらしのクズを演じさせたらオダギリジョーに勝てる俳優なんていない。なんてやつ!と思わせるシーンが続く。主人公理子が絶縁しているが故に冷たい反応を示すのだが、彼女の2人の息子や夫の反応が普通だよなと思わせる。
原作のエッセイは未読だからわからないが、たびたび登場する兄は映画オリジナルと思われる。この想像の兄、兄の妻、兄の子どもと話しながら、兄とのエピソードを思い出していく流れ、湯沸かし器、ピアノ、といった金を無心してきたメールについてもなんとなくの答えが提示される。それぞれのその後が提示されて、前向きないい終わり方だった。始まりのシーンに収束していく感じも好きだ。
少し違和感を感じたのは、兄が離婚して、息子を連れて東北に移住したことについて明確な理由は語られないこと。震災が関係しているのか。震災を受けて再生しようとする地域の姿を自分に重ねていたのかなと想像したりする。いろんなことを器用にこなすが、どれも長続きしない兄。彼にとってはいろいろと生きづらい世の中だったのかもしれない。
愛しているのに憎む。そんな複雑な感情は、裏切られたりしながらも愛する気持ちを拭うことができないときに起こるんだよな。相手に対する愛情の深さとも関連性があるか。妹も妻もやはり彼を愛することがやめられずにいたってこと。人たらしのダメ男が築いた家族の絆が残っていく話だと考えれば納得がいく。泣けるわけではないが、いい話だったなとは思える映画だった。
持ち運ぶ側になるか運ばれる側になるかどっちもありそう
ここのところテンションが落ちていて、映画を観ても感想を上げる気持ちが沸かず。大宮OttOの横浜聡子特集で観た「ちえみちゃんとこっくんぱっちょ」の作品情報が映画.comにないことに失望したからかもしれない。卒業制作の映画に迸る熱量、すごかった。
それでも、「湯を沸かすほどに熱い愛」の中野量太監督の最新作、「兄を持ち運べるサイズに」には、書き残しておきたい気持ちを刺激するものが確かにあったので、重い指先を動かしています。
自分が5人きょうだいの4番目ということもあり、ドキっとするタイトルが公開前から気になってた。今年3作目のジョーさん出演映画。今回もらしさ満点の役どころと演技。ダメ男だけど人間味ある役が本当に合う。「夏の砂の上」では妹だった満島ひかりさんが今回は元嫁。この2人しっくり。主人公は兄の訃報にも心を動かす気配のない文筆家の妹・理子で柴咲コウさん。「でっちあげ」の役柄がオーバーラップして、必要以上に警戒したけど、理子の仕事柄俯瞰した(ネタになるかも!な)感じで捉えてしまうのはわかるんで、モンスターシスターではなかったかな。最終的に、優しかった兄を思い出すことができて良かったね。
兄弟姉妹の関係は千差万別なんだろうけど、うちの場合は、それぞれが独立して家庭を持ってからは、どんどん疎遠になって存在を意識すらしなくなってる。親が亡くなっていれば本当に連絡があるのは死亡通知くらいだろうと思う(うちの場合は母が健在)から、理子と兄の感じはとてもよくわかるケース。この映画のおかげで忘れていないけど、思い出すことがなくなっている姉兄妹のことを考えたし、別にどのきょうだいのことも嫌いじゃないんだけどなって考えることもできた。アラ還のいま、姉兄*2妹の死亡通知が来るのか、自分の死亡通知が他4人に行くことになるのかはわからないけど、前者になってしまった場合の気持ちや行動の準備はしておこうと思う(喪服はせめて持っていかないとですよ)。
離婚後に兄(父)と二人で暮らしていた良一くんがとてもいい子で、その複雑な心情を演じる味元耀大くんがとても良かったなー。久しぶりに会う弟を気遣うお姉ちゃんの距離感の表現も達者だった。実話ベースの話だそうなので、こちらの姉弟の2人は一緒にいる時間は短いかもしれないけど、映画で描かれた先の年月でいい関係を築けてたらいいなって思いました。
と、半分自分語りになってしまった本作は、少し油断していたら上映が午前中や昼早めばかりになっていて、慌てて都合つけてなんとか捕まえられて良かったです。
今度の正月は年明けの挨拶LINEくらい7~8年は会っていない姉兄兄妹に送ろうかなー
亡くなった兄貴を思いだした作品
原作未読。
7月に公開された「夏の砂の上」では、兄妹役を演じていたオダギリジョーさんと満島ひかりさんでしたが、今作では元夫婦役でしたね。どちらの役も似合ってました。
妹(理子)の柴咲コウの眼鏡姿が、キュートでした。当初の兄に対する嫌悪感が、徐々に変化していく表情が、とても良かったと思います。満島ひかりさんは、芸達者ですね。児童施設での息子の良一と
のシーンでは、涙ぐんでしまいました。離ればなれになっていた家族が、一緒に住むことになって良かったです。
柴咲コウさんと満島ひかりさんたちが、部屋の後片付けをするシーンでは、私も亡くなった兄貴の部屋を片付けた経験が有り、その時のことを思い出してしまいました。
映画では、親子の関係、兄妹の関係(血の繋がり有)や夫婦の関係(血の繋がり無)
に於いての家族の在り方を描いていると思いました。
映画館の大きなスクリーンで見る必要があるのかな?
ストーリーも面白いし、俳優の演技も素晴らしかった。
兄は自分の感情や考えをストレートに、何のフィルターもかけずに表現し行動してしまう、ある意味で問題児。普通の人ならば、考えが浮かんだとしても行動するには躊躇してしまうことを平気でやってのける。自分に嘘はないが、これは悪い面。一方で良い面として、とことん優しい。やりたいか、やりたくないか、兄の行動原理は一貫している。兄の悪い面にうんざりしている妹は、兄の死に直面し後始末をしていく中で、兄への気持ちと、家族の絆について気づいていく。ストーリーは面白かった。柴咲コウ、満島ひかり、オダギリジョーの大御所はもちろん、映画初出演の青山姫乃の初々しい演技にも好感を持った。
ストーリーも面白いし俳優の演技も素晴らしい。けれども私には映画館の席に座っていて⁇の感覚が‥。特撮が素晴らしいわけでもなく、原作がエッセイのせいかストーリーは淡々と進んでいく。これを映画館の大きなスクリーンで見る必要があるのかな?星2つ落としたのは単純に私の映画に対する嗜好の問題です。
良い映画だったけど、予告で見ていたまんまの映画だったかな。。
宮城県の多賀城市が舞台の映画。
公開翌日、仙台市の映画館でオダギリ・ジョーが来ての舞台挨拶があったんですよね。
よく行く映画館からの会員向けメールで知って、予約を試みたんですが開始5分で席は埋まってしまい、ちょっとモタついてしまった私はチケットが取れなかった。
この映画館だけではないだろうと思って、いろいろ検索してみるとその日は仙台市内の他の二つの映画館でも舞台挨拶が行われていた。
時間的に合わなかったので舞台挨拶はあきらめ、あらためて家の近所の映画館に見に行ってみた。
オダギリ・ジョーって昔からなんとなく気になる俳優さんなんですよね。
映画では『メゾン・ド・ヒミコ』『ゆれる』『たみおのしあわせ』、ドラマでは『時効警察』『リバースエッジ 大川端探偵社』あたりが好きだったし、印象に残っている。
深夜食堂の役みたいな変わった謎なキャラクターが合うイメージ。
この映画の主人公は柴咲コウ演じる妹。
妹目線で話は進む。
ホント、ダメな兄。
家族に迷惑を掛けてばかり。。
嘘だけはついていなかったみたいだけど、これはダメでしょうと思ったかな。
兄が死んだ後の骨壺を持ってかえるまでの4日間の話。
オダギリジョーだからこそ、ダメダメな兄を愛嬌たっぷりに演じれたのでしょう。
忘れていた温もり
二人きりの肉親でありながら最近は疎遠になり、数日前のお金の無心メールも無視してた兄(オダギリジョー)の訃報を突然受け、兄の離婚した元嫁・加奈子(満島ひかり)とその娘・満里奈(青山姫乃)と共に葬儀を行い、ゴミ屋敷と化した兄とその息子・良一(味元耀大)二人が住んでいたアパートを片付けるのだが、ふと壁に目をやると理子と兄の子供の頃の写真だったり、兄が築いた家族の写真だったり、クズの様に思って居た兄の別の部分を思いのほか知る事になる。
それは多分、母親に溺愛されてた兄に対しての嫉妬、僻みみたいな物が邪魔をして忘れていただけだったのかも知れない。子供の頃の兄は共働きで忙しくしている両親に代わって理子の事を大事にしてくれていた。
離婚しているとは言え、兄の事を今でも大切に思っている様な加奈子や子供達の姿も又、兄の知らなかった部分を知らされた様であった。
臭い物に蓋をする様に後始末をして来たが、最後は其々の思う兄と暖かなお別れをする事となって一件落着。
心温かく不器用だった兄に迷惑はかけられたけど寂しさもひとしおだったのでは…
兄を持ち運べるサイズに〜呪縛じゃなく支え〜
「兄を持ち運べるサイズに」を鑑賞しました。
川崎アートセンターでしたが、観客は7割程度。
映画の集客の厳しさが、サブスクリプションの時代と繁栄を感じます。
SNSの宣伝は世界中に広がるが、興味のない人には届かない。
良い映画が世間に伝わらない寂しさ。
情報過多なのに人にキャッチされない。
矛盾を感じる時代になりました。
そんな事を感じながら、上映を待ちました。
さて、この作品は、実話を基に作られています。
お金を無心して、迷惑ばかりかける兄を持つ妹。離婚した元妻とその子供達の、訃報連絡から葬儀と後処理の数日を描いています。
駄目だけど人情家の兄役に、オダギリジョー。
妹役に柴咲コウ。元妻役に満島ひかり。その子供役に青山姫乃。
作品は賛否が分かれていましたが、私は鑑賞して良かった作品でした。
美談すぎる、感情移入できない。
そんな意見が散見していました。
しかし兄妹の不仲や、感情のこじれは、リアルを追求するとエンタメにはならない。
家族の不仲や不穏は、近い存在であればシリアスな物語になります。
この作品はリアルでネガティブな感情を、前向きでポジティブな感情に昇華させています。
兄への想いはリアルで、再会はファンタジー。
亡き者声は聞こえない。
こちらの声もとどかない。
敢えてのファンタジーだと理解しました。
亡き者を美化しない尊さ。
美化しない事によって、浮かぶ人物像。
そこに現実味を感じます。
人間の多面性を、コメディとファンタジーに寄せて演出してあります。
亡くなった兄に、妹、元妻、息子達が想像しながら再会するシーンが終盤にあります。
本当に素晴らしいシーンでした。
みんなの心に住む、それぞれの兄。
感謝とその答え。
ファンタジーとリアリティの狭間にあったのは、涙でした。
柴咲コウはふっくらしたかな?と思ったら、この作品の為に主婦に寄せたようでした。プロ根性に脱帽です。
このキャラクターも、パブリックイメージとは逆の役柄で幅広さを感じました。
特に良かったのは、満島ひかり。
感度の高いお芝居で、喜怒哀楽が魅力的に映りました。
「ラスト・マイル」とは違うキャラクターで、新たな一面を垣間見ました。
もう直ぐ過ぎ去る一年。
過去に過ぎ去った人が、思い浮かんだ1日でした。
家族の愛
「湯を沸かすほどの熱い愛」や「浅田家」を見て、中野量太監督の作品だから面白いだろうと、恵比寿まで遠征して観に行った。
相変わらず、テーマは「家族の愛」。
近頃疎遠になっていた遠くに住む兄が急死したと警察から、突然遺体を取りに来てほしいと言われ、エッセイシストの村井理子(=柴咲コウ)が滋賀県大津市から宮城県塩釜市まで忙しい合間を縫って取りに行く。仕事の合間は4日間。とりあえず、兄を持ち運べるサイズにすることが大事と考えていく。理子の知る兄は、好き勝手に自由にやっていたというイメージが強く、あまり良い印象は持っていなかった。
ところが一緒に遺体に会いに来た、元妻の加奈子(=満島ひかり)の方は違う印象を持っており、未だにプロポーズが素晴らしかったとか言っている。別れたのは、お金に無頓着すぎて一緒に暮らしていけなくなったからで、他の印象は良いまま。加奈子とその娘と片づけをしていく中で、だんだん知らなかったり忘れかけていたことを思い出したりして、兄を懐かしむ気持ちが強まっていく。
印象的だったのは、兄の息子の小学4年生で、離婚後も兄と一緒に暮らしていた良一君(=味元耀大くん)。お父さんをすごく慕っていて、元のアパートで最後のお別れをする場面や、涙をいっぱい目に浮かべたシーンがすごく良かった。
またスーパーで、兄と「再会」し、亡くなった両親も出てきて、一緒にお別れするシーンでは、思わず眼がしらが熱くなった。
私も、死んだ両親や疎遠になっている姉がいるが、もっと考えていこうと前向きな気持ちになった。
65点ぐらい。甘め評価
ダイノジ大谷ノブ彦 映画会、にて観賞。
大谷さんの映画会に通ってまして、そこで取りあげられたから観た。
そうじゃなかったら、自分の感性だったら、観てない(笑)
邦画キライなので…
事実に基づく話で、原作があって、疎遠になった兄がいて、家族の話で…
ホノボノしてて、家族モノやホッコリ系が好きな方は好きなんでしょうね(笑)
悪くないけど、自分はタイプじゃないです(笑)
オダギリジョーさん演じるダメ兄貴ですが、動物に優しいみたいだし悪い人じゃない、憎めないな…(笑)
満島ひかりさんの演技は初めて観たけど、演技うまくて綺麗で、いい役者だと思った。
韓国映画でも案外ありそうな話だけど、これが韓国や台湾の映画だったら文化が違うので興味深く感じて、喜んで観るんだろうな…
そう思いました(笑)
全203件中、1~20件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
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