「君をよくわかっているのは僕の方だよ」アメリカッチ コウノトリと幸せな食卓 talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
君をよくわかっているのは僕の方だよ
「アメリカッチ」という音の響きの可愛さに惹かれて見た。そんな軽い感覚で見始めたら、どんどん引き込まれ、声出してたくさん笑い、不安になり恐怖に陥った。それでもチャーリーの明るさとユーモアと想像力と前向きが、大きな幸福感と力をもたらしてくれた、自分でも驚く程の号泣の嵐を越えて。
アルメニアの色々な音楽、女声の歌が、痛くて寒くて空腹で理不尽で辛い心とからだを暖め続けた。音楽とダンスと笑顔と絵画と美しいアララト山(一瞬、富士山に見えた)のおかげで、不条理な世界、残酷な環境から、チャーリーと一緒に生還できた。安易な機械仕掛けの神様頼みの映画でないことは、チャーリーのその後の生き方でわかる。
世界中に散らばったアルメニア人に呼びかけた帰還プロジェクトのことを初めて知った。収容所でチャーリーと共に労働させられていたアルメニア人のおじいさんは、アルメニアの文化についてたくさん知っていてチャーリーに教えていた。私も教わった。
おまけ
1)映画「ANORA」でロシア人大富豪の息子のお守り役三人組のうち二人がアルメニア人であること、内ひとりがカトリックの神父である理由というか背景を「アメリカッチ」を見て納得できた。
2)チャーリーを演じたマイケル・グールジャン(監督・脚本・編集も!)の顔、特に目、そして口と鼻が、知り合いのドイツ人にとても似ていたから余計に感情移入してしまった。キビキビした体の動き、頭が良くて理系でユーモアたっぷりで手が器用!実用的な可動式ベッドや洗濯干しロープ有りの部屋(独房だが)などもその友人なら作りそう。向こうのお家でティグラン夫妻が何を話しているのか、想像で再現するファンタジー能力も似ていた!
貴方のレビューを読んで直ぐに観ることにしました。
海外から帰国すると、飛行機から富士山を探すのと同じ、
アララト山5,137mはアルメニアの国山⛰️ですね。
観る前は南米と思っていました ^_^
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。