「選択する未来」脱走 U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
選択する未来
かの国の事はよく知らない。
漏れ聞こえてくるNEWSなどで想像するくらいだ。
おおよそ我が国とは異なる文化で、理解もし難いのだけれど、どこに居ても根源的に自由を求めるのが人の性なのかと思う。
選択できる未来がない。
敷かれたレールはあって生きては行けるのだろう。
けれど、偉くなっても軍の幹部みたいなもので、部下が獲ってきた猪を取り上げて喜ぶような状況だ。
外から見ると絶望しか感じない。
その絶望から主人公は脱走する。
テーマは人生訓のようで、さして珍しいものではないが、なかなかにスリリングではあった。
北朝鮮っていう特殊な環境から派生するものは多数あり、その都度、心拍数が上がる。
ここよりはマシな未来に向かいガムシャラに直向きに走る。朝日を浴びながら疾駆する姿は神々しくもあった。
1年後の彼はホントに別人だった。
憑き物がとれたってのはああいう事を言うのだろう。
「脱北」っていうセンセーショナルな背景だけど、停滞する人生に足掻き、未来を渇望する若者には胸を打たれる。
諦める事が最善の選択なんていう国などあっていいわけない。
命賭けで掴んだ未来で、彼は「幸せかどうかはわからない」と言う。そうなんだと思う。やっと普通になれたんだなぁなんて思う。
…相当ディスられてんな。国家保安局が観たら国家侮辱罪でドンパチが始まりそうなレベルだ。
隣国にとってプロパガンダなのかもなぁ。
ピアノ兄貴が結構ボリューミーで、彼のスピンオフを観てみたいと思う。
きっと天才的なピアニストで、おっそろしく耳がいいのだろう。どうやらゲイでもあるみたいで、その性癖を押し殺して婿に入り好きでもない女を抱いて子供を作る。
きっと彼はこの一件で処罰され死刑になるのだろうと思う。死の間際に何を思うのだろうか?何に想いを馳せるのだろうか?
彼を追っかけた方が北の体質が浮き彫りになるような気がする。
北朝鮮って国を正確には把握してないけれど、本作の北朝鮮は北朝鮮っぽくはあったかなぁ。
1つ疑問なのは晩餐会だ。
西洋のソレに見える。
…憧れなわけないよなぁ。真似でもないだろうし。
あれくらいの事は我が国でも出来るって見栄なんだろうか?華やかに見えるのだろうか?日本にも鹿鳴館みたいものもあったしなぁ。
なのだけど、なんとなぁく違和感…。
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