「もう性善説で生きられる世の中では無くなったのだな、とつくづく痛感しますね」でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男 Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0もう性善説で生きられる世の中では無くなったのだな、とつくづく痛感しますね

2025年6月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

2025.6.27 イオンシネマ久御山

2025年の日本映画(129分、PG12)
原作は福田ますみのルポルタージュ『でっちあげ 福岡『殺人教師』事件の真相』
身に覚えのないいじめ問題に晒される教師を描いた法廷劇
監督は三池崇史
脚本は森ハヤシ

物語の舞台は、2003年5月の日本のとある街(ロケ地は群馬県高崎市)

希望ヶ丘小学校の教諭である薮下誠一(綾野剛)は、受け持ち生徒・氷室拓翔(三浦綺羅)の保護者(迫田孝也&柴咲コウ)からいじめにおける賠償請求の裁判を起こされてしまった

内容は、出自に関する差別的な発言、行きすぎた体罰などに関することだった

当初は、保護者からの通告を受けて、校長(光石研)と教頭(大倉孝二)から突き上げをくらったものだった

「謝れば済む」と言われた薮下だったが、身に覚えのないことを認めたことによって、思いもしない事態へと発展していく

保護者からの追求は保護者面談のみに留まらず、新聞社へのリーク、週刊誌へのリークへと続いていく

さらには民事裁判を起こされるに至り、私刑を含めた様々な事象に苛まれることになった

映画は、実際に会った事件のルポルタージュを元に構成されていて、どこまでは実際の事件の真実かはわからない

事件をWikiを見る限りは、映画で描かれていることはそのままだが、原告の請求額は映画の10倍の5800万円だった

弁護士の湯上谷(小林薫)が言うように「感情的になったら負け」なのだが、冷静を装ってもその態度が悪いと批判をするだろう

結局のところ、商売のコマにされている間は何を言っても無駄で、記者(亀梨和也)がやっていることと同じことをするしかない

身を守るためには「すべて自分に起こったことを記録し、全て保管すること」であり、記者からの突撃などに対しても「動画撮って対応する」しかない

降りかかったものに対し、全て自分で考え、先々のことも考えた上で行動するしかなく、自分に起こっていることを「客観的に捉える」ことが重要なのだろう

この渦中においてこれだけ冷静な行動ができるかはわからないが、常に置かれた状況を客観視し、相手が自分を殺すつもりで来ていると割り切る以外には対抗する余地はないと感じた

いずれにせよ、映画では原告側の過去を引用して探りを入れているが、冷静に見れば「サイコパスが金儲けのために状況を利用した」にしか見えない

全ての保護者が子どものことを考えていると言うことはなく、自分の物差しで考えると痛い目に遭う

世の中には一定数はこのような人がいて、自分を守ってくれると思っていた組織は自分を後ろから刺してくる存在であると考えることも必要だろう

世の中は、自分のことを考える人で溢れていて、その利益をどのように生み出そうと考えるかは人それぞれである

そう言った社会に生きていると自覚することでしか自分や家族の身は守れないので、それを肝に銘じて生きるしかないのかな、と感じた

Dr.Hawk