「編集テンポが小気味よい。続編の可能性も」ワーキングマン 高森郁哉さんの映画レビュー(感想・評価)
編集テンポが小気味よい。続編の可能性も
ありがちなジェイソン・ステイサム主演アクションではあるが、やはりステイサム主演の「ビーキーパー」でも監督を務めたデビッド・エアーが、「ワイルド・スピード」シリーズの3作に関わった編集者フレッド・ラスキンと組み、きびきびとしたカットでテンポよくストーリーを進めていく。とりわけ序盤から中盤くらいまでの流れが快調でいい感じ。
原作は、小説やDCコミックなどのストーリーを多数手がけてきた作家チャック・ディクソンが「レヴォン・ケイド」シリーズの第1作として2014年に発表した「Levon's Trade」。同シリーズで最新の第10作が2022年刊行という多作ぶりにも驚かされる。
この小説の映像化に乗り出したのがシルベスター・スタローン。当初ドラマシリーズにする意向だったが、映画化に路線変更し、製作と共同脚本として参加することに。ちなみにスタローン製作・脚本+ステイサム主演のコンビは2013年の「バトルフロント」に続き2作目。「バトルフロント」でも元捜査官の主人公が娘を拉致した悪い連中を撲滅する。2019年の「ランボー ラスト・ブラッド」も、牧場で家族同然に暮らしていた女性の娘がメキシコの悪い連中に拉致され、ランボーがその娘を奪還しにいく。スタローン、この手の話が本当に大好きなんだなあ。
もっともスタローンとステイサムの界隈に限らず、リュック・ベッソン製作・共同脚本でリーアム・ニーソン主演の「96時間」(2008年)も、元CIA工作員の主人公が旅先で悪い連中に拉致された娘を奪回しに行く話だった。かつて軍人や捜査官や工作員として戦闘スキルを身につけて引退した中高年主人公が、拉致された愛娘や家族同然の若い女性のため命懸けで悪者たちに立ち向かう筋が、欧米のアクション映画で使い回され、興行的にも成功が続いているのだろう。
「ワーキングマン」のラストは、続編への含みを持たせた終わり方になっている。先述のように原作のシリーズは10作もある。まだ正式発表はないようだが、先に劇場公開された欧米での興収とその後の配信もそれなりに好調なようで、続編製作の可能性が高いと報じるScreenRantの記事もあった。超楽しみというほどではないが、のんびり待つことにしよう。
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