「気色悪いSFホラー」アッシュ 孤独の惑星 Minaさんの映画レビュー(感想・評価)
気色悪いSFホラー
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PrimeVideoがまたマニアックなホラーを買い付けたな…と思ったが、劇場でやるよりは配信でしっとりと人気になった方が良さそうな作品である。"第二の地球"を求め旅立ったクルーが、もう既に"何かがあった"基地で目を覚ます所から始まる本作、前半の気味悪さや、不気味な配色、フラッシュバックする記憶の中に溶けていく様な人の顔など、中々ホラーファンをモゾモゾさせる演出が多く、期待値がどんどん上昇していく感覚を覚えた。
結果的に寄生型のエイリアンのせいなのだが、過去の名作へのオマージュとも取れるシーンもあり、それなりに満足できる作品だった。主人公が記憶喪失を起こし、周りの人間が全滅、そして現実なのか妄想なのかが分からない環境において、ある程度事の顛末は予想出来てしまうが、それを超えてくる事が無かったのが残念なところか。
登場人物が極めて少ない為仕方ない事なのだが、寄生型エイリアンならば「遊星からの物体X」の"誰が人間で誰がエイリアンか"という疑心暗鬼に陥る人間を見たいものであるが、そういった緻密な描写は薄く、さらっと終わってしまう。それ以外はかなり上手く作られており、近年稀に見る気色悪さを誇る作品である。勿論劇場公開すればR-15位にはなるだろう作品だが、グロに振り切っている訳でもなく、それでも全体的に"グロい"と思えるのは演出力の高さだろう。「V/H/S/99」の一編を担当した監督だが、ここからまた羽ばたいていくのだろうか。第二のアダム・ヴァンガード監督発掘希望である。
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