満天の星のレビュー・感想・評価
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箝口令
戦後80年でまた貴重な戦争体験談
かつて島守の歌を見た時にも疑問だった 強大な連合国を相手に勝てる筈もないのに物資、兵も不足で敗戦色濃厚な中、何も知らされてなさそうな雰囲気そして劇中あったように疎開してもやはり船はすぐ攻撃されていた
しかし疎開の理由、軍の対処にも驚愕であった 戦時は一般人の人命なんてどうでもいいのか?そして🇺🇸側にもこの様な事実是非とも知ってほしい
お孫さんは俳優なんですね、自らデジタルリマスタにはう~~んとなってしまいましたが、実体験を語り継ぐ人がいなくなってしまうという危機感は伝わりました 難しいけれども頑張って祖父の意思を繋いでいって欲しい
戦争は一刻も早く止めることが必要
語り継ぐことは難しい、でも方法はある。
語り継ぐことは難しい、難しいけれど誰かがしなくてはならない。もうあと少しで直接経験した方がいなくなってしまうなら尚更である。
私は元小学校教員ですが、かつて学芸会で「伊勢湾台風」の劇を観たことがあります。5年生だったと思います。「きんさん ぎんさん」が戦争よりも怖かったとおっしゃっていた、1959年の台風です。「劇化」というのはいい方法だと思いました。貴重な証言をまとめられたのなら、僭越ながら「劇化」に取り組まれは如何でしょうか。
別の話です。最近某国である映画が公開されたそうです。(名古屋という共通点あり)戦争やその被害についてお金をかけて制作して煽る内容らしいです。映画を愛するひとりの人間として絶対にやってはいけないことだと思っています。
蛇足だったなぁー。。。
沖縄旅行の際には、対馬丸記念館に何度も足を運びました。本映画の上映が決まり、とても楽しみにしていましが、ウクライナと孫が祖父の役を演じてるところが蛇足極まりないと感じました。
特に孫がわざわざ髪型、化粧をしながらの演技してる場面でバカバカしくなり、退席しました。
残念。。。
やっと地元で公開されました
始めは京都のみで公開でしたから、新幹線で行こうかと思うほど観ておきたい作品でした。 鑑賞後の感想タイトルは「NHKドキュメンタリー作品のよう」ぜひ毎年8月にテレビで放送すればいいと思う。劇場用としては物足りない。しかし内容は皆さんが一度は触れてほしいと思います。
恐ろしいのは戦争の悲惨さ以上に、脅迫を伴う箝口令であって、当時の生存者、特に児童の皆さんには大変つらい経験とトラウマであったことに怒りを覚えた。
語り部となって下さった中島氏と晩年にインタビューに答えておられた方々に感謝します。
戦争中に限らず今の時代でも国による報道規制があることは当然です。大人として理解はしていますが、鑑賞中に(この映画を一番観ていただきたいのは、夏になると各地の慰霊碑の前で献花をされている皇室の方々でしょ!)
と思ってしまいました。大人気ないですが。
祖父のインタビューを孫が演じる必要性⁇
学童疎開船が米軍に撃沈された対馬丸事件。元船員の祖父が亡くなったのを機に、祖父の足跡を辿り、事件の真相に迫ろうとその孫で俳優の寿大聡さんが監督・出演するドキュメンタリー映画。
祖父が事件当日の様子や思いを語るインタビュー映像が見つかる。そのシーンを寿大さんがヘアメイク服装から全て祖父と同じくして演じるシーンがある。祖父の壮絶な体験と涙込み上げる悲痛な思いを、孫が心底から我がものと感じる為だとは思う。その強い思いは理解するが、生き証人の生の声を、親族といえど成り代わって演じるシーンを映像として見せられる意味は理解できなかった。折角の良い映画があのシーンで台無しになってしまった気がして、私はいただけなかった。
テーマの重さに対して構成の力量不足感が否めない
生存者の孫が、祖父の追体験をすると言う形式はユニークだが個人的には...
戦争はいけないと一般論に落とし込んでしまうこと、被害者側の声だけを拾うことのむなしさを感じた。
来週公開される「雪風YUKIKAZE」と、本作では同じ言葉が使われている。それは「子どもたちの未来」である。本作では「子どもたちの未来のために対馬丸の記憶を継承しなければならない」、雪風ではおそらく(未見なので)「子どもたちの未来のために80年前に戦ってくれた軍人たちの功績を留めていかなくてはならない」
どちらも一般論に落ち込む陥穽に引っかかっているように見受けた。
本作は、監督であり出演者である寿大聡が、亡くなった祖父の衣鉢を継ぐべく、試行錯誤、苦心惨憺し続ける話である。祖父の中島髙男氏は対馬丸の数少ない乗員の生存者で長く対馬丸事件の語り部を務めた人。寿大は、後を追うように関係者から話を聞き、現場にも足を運び、遂にはお祖父さんの気持ちが分かるようにと、ビデオで見たお祖父さんに似せるメイクをして、同じ格好をして、同じ語りをするところまで自らを追い詰めて行く。その気持ちは汲むべきものであるのだが、戦争はいけない、という基本原理、一般論だけに囚われているなという印象は受ける。ウクライナにわざわざ行っているところがその感じをより強くした。
対馬丸事件はまだ明らかになっていない部分が多い。潜水艦がなぜ対馬丸を攻撃したのかアメリカ側の証言は得られていない。日本側においても初期の救難活動がなかったことについても客観的な事実関係は確認できていないし、軍から遭難者家族への連絡や事後処理、軍内部における当事件の位置づけなど、検証はまったく不十分である。対馬丸事件があまり知られていないのは、その特殊性が掘り起こされておらず、戦時の不幸な遭難事故の一つとしか認識されていないところが多い。
だから、せっかく、このような映画をつくったのだから、被害者側の話だけでなく、問題点を整理し、何を検証すべきか、どこを掘り起こすべきか、自分ではできないとしても、後世の研究者がやるべきことを提示すべきだった。
本作はドキュメンタリーであると思う。であれば子どもたちがかわいそうとエモーショナルな方向に流れるだけではフィクションと何ら変わらない。「雪風」が醸し出す(と思われる)ヒロイズムみたいなものとあまり変わらないのである。
語り部の継承の物語
沖縄から鹿児島に向かって子供や老人を乗せて出発した疎開船の対馬丸が悪石島付近で1944年8月22日に米軍の潜水艦に撃沈されるが、護衛船は海に投げ出された人々を助けることもなく、むしろその事件については箝口令が敷かれ、戦後しばらく経つまでは知られることすらなかった。
私が「対馬丸」というものを知ったのは1970年代前半くらいだったので、ある意味かなり早い時期に知ったとも言える。通っていた小学校の図書室に置いてあった対馬丸の犠牲者の漂流記を読んだ記憶があるからだ。飢えと渇きに苦しみ、水分を得るために自分の尿まで飲んだといった記述が余りにも当時の自分にはショッキングだったからかも知れない。
本作はその沈んだ対馬丸の甲板員をしていた中島髙男が20年くらい前に受けたインタビュー映像をもとに、中島の孫で俳優の寿大聡が、祖父の死をきっかけに改めて対馬丸事件を知ろうと、生存者や研究者の話を聞きながら、当時何が起きたのかの真相に迫ろうとするドキュメンタリーである。
また、戦後80年が経過し、戦争体験者が数少なくなってきている時代に、このような悲劇を二度と繰り返さないために、次世代に語り継いでいくことの大切さを訴えかけ、体験を風化させないための方法を模索していく、「語り部の継承の物語」でもある。
大人が勝手に起こした戦争のせいで子どもたちが苦しむのは過去の話ではなく、現在でも変わらない。それを証明するために戦火の傷痕が生々しいウクライナまで足を運んで地元の人々の話を聞き、子どもたちと交流する。その意図はよく理解できるのだが、若干焦点がボケてしまったことは否めない。
なお、沖縄旅行に行ったことのある人なら、那覇空港から那覇市内に向かって58号線を進むと旭橋に入る手前くらいに若狭にある対馬丸記念館への標識が見えることに気づいていたかも知れない。でも、何人が実際に記念館まで足を運んでいただろうか?自戒を込めて、もっと自分ごととして捉えて、意識していこうと思った。
語り継いでいかないと思うけれども…
心に響き行動を促される
「対馬丸事件の事を題材にした映画」という前知識だけで上映に臨む。
しかし実際に展開されるのは「対馬丸事件の元船員で生き残り・中島高男さんの孫で俳優・寿大聡さんが事件を追い、その後自分に何が出来るかを考え行動した人間ドキュメンタリー」だった。
観た後、自分も何か動かなきゃと思わされた。映画の内容が事件を追っただけならこうはならなかったと思う。
特に寿大さんが祖父を演じたシーンは多くを考えさせられた。俳優で孫ですら再現率が6~7割なのが中島さんのとてつもなく悲しい経験・思いを背負ってきた事が汲み取れる。
また中島さんは泣いてないのに寿大さんが泣いてるシーンが多く、中島さんが自身の体験をとても多く講演されてきた・講演が日常になるくらいされてきた、もしくは自身が生きて行く上で心を歪めてきたいずれかなのだろうと思った。
まずは事件がもっと多くの人に広まってほしい。
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