キムズビデオのレビュー・感想・評価
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ニュー・ビデオ・パラダイス
かつてニューヨークに実在したレンタルビデオ店、キムズビデオの膨大なビデオライブラリーの行方を追うドキュメンタリー作品です。まず、胸を打たれるのは、世界各国から希少なビデオをかき集める韓国移民のキムさんと、そのビデオライブラリーを惜しんでイタリアまで追いかけるレッドモン監督、この二人の限りない映画愛と情熱です。確かに配信サービスの方が便利なんだけど、ビデオカセットやDVDのように手に取れる形があるからこそ、映画作品を実体のあるものとしてとらえることができると思いました。(わたし自身、いまだに本当に好きな作品のDVDを買っています。)正直、映画の作り方としては粗さが目立つけど、それを補って余りある映画への幸福な情熱が感じられて、いい気分でした。
配信kills the Video Store
いやー面白い! 大量のビデオテープとDVD奪還作戦! ウソのようなホントのような話。
80年代NYにあった伝説のビデオショップ「キムズビデオ」。店内の映像から、そのタイトル数とジャンルの膨大さが伝わってくる。バンドが演奏してたりして、映画オタクだけじゃなくカウンターカルチャーオタクも引きつけてたのかな。いやもう収蔵数5万超に及ぶ映画たちと同じ空間にいるというだけでワクワクするよねー! 映画オタクとしては。
謎めいたキムさん、シシリーの顔役、一度もカメラを見ない警察署長、役者やのー(ちょんわちょんわ)!
ヒッチコックやらゴダールやらチャップリンやら、映画の神々が降臨する。そして強奪する。脱法ドキュメンタリー。権利関係の弁護士が大活躍したに違いない。
どこまでが真実かという面白さ!
事実は映画より奇なり
コーエン兄弟
奇妙な運命
中高大で高いので映画館よりテレビやレンタルビデオ屋を使っていたので、キムズビデオのしなぞは天国かと!まあ、英語はダメですが。
金欲しさのイタリアのド田舎のマフィアと市に騙され譲った膨大なビデオコレクションが放置されまさに宝の持ち腐れになるのをレスキューするドキュメンタリー。
ラストはこんなに大団円になるのかと思ってしまうけど、今や過去の遺物なレンタルビデオでも文化的価値は計り知れない。
ニューヨークに帰還し安住の地を見つけたビデオなキムさんの笑顔にこちらもニヤリ☺️
Rental
レンタルショップに足繁く通っては同じ映画を借りたり、8時だよ全員集合を借りまくった頃がとても懐かしいなと思うくらいには歳を重ねました。
コロナ禍を機により配信の媒体が強くなり、レンタルショップが弱くなってしまった昨今ですが、アメリカに存在したマニアックな映画を多く集めるレンタルショップ"キムズビデオ"の行方を追うドキュメンタリーで、元々会員でもあった監督が駆け回るといった感じの作品です。
キムズビデオのビデオはイタリアに移っているはずなのに情報が会員にも明かされずのままなのがウズウズしてしまう監督が現地に行って、なんなら乗り込んで中を確認したらあら大変、ガッツリ不法侵入なのはこの際目を瞑るとして、中を見たら杜撰に放置されたVHSが散乱している状態でこれには思わずパニック。
ほいでもって普通にアラートが鳴って住人もやってきてとドッタンバッタンしながら、警察も介入してきたりとでもう大変な状況が監督の慌てっぷりからも伝わってきました。
監督が一向にイタリアの現地語を喋らず英語で喋り倒していたのにはイラッとしました(接客業で日本語を喋らない観光客をたくさん見てきたので)が、現実と空想の境目が分からなくなるほどのめり込んでいると言われたらしゃーないかと思ってしまいました。
そこからは政治問題だったりがガンガン絡んでいきながらも、名作傑作の映画のオマージュも入ったり、キムズビデオの再建に向けた動きだったりと駆け抜けまくっていくのがドキュメンタリーとは思えないスピード感がありました。
ただ作中の映画の大半を知らないというのが致命的でイマイチ感動や感激に乗り切れなかった感じはありました。
ゴダールとかも有名な監督なんですけどリアルタイムで追えてない&そこまで自分はハマってないというのもあって、神格化されてもピンとこないというのが正直ありました。
実際気になった作品もあったのでそれは収穫なんですが、既存の映画頼りの映画という枠は抜け出せなかったかなとは思いました。
しかしレンタルショップというものを風化させないという強い意志を感じましたし、やはりレンタルショップだからこそ感じられるあのワクワク感はいつまで経っても忘れられないのでより長く続いてくれればなと思いました。
自分もあんな感じで棚にDVDを並べてみたいなぁと改めて思いました。
新生キムズビデオにも行ってみて〜。
鑑賞日 8/12
鑑賞時間 14:00〜15:35
伝説のビデオ店
これ本当に脚色ナシのドキュメンタリー?
狂気じみた映画愛からくる突拍子もない行動やイタリア人の尋常じゃない寛容さ(というか興味のなさ?)などに驚かされる。
物語としては本当にドラマティックで、ルパン並みの大胆さでマフィアが絡むイタリアの島から大量の「お宝」を盗み出し、ブラックジャックの様に結果として後から両者が良いように丸く収まるという出来過ぎなくらい痛快なストーリー。
オーナーだったキム氏は如何にもって感じの韓国系移民だけど、失礼ながら映画好き特有のオタクっぽさを全く感じさせず、風貌や佇まいはビジネスマンの様で興味深かった。
90年代は自宅の近所にも著作権ガン無視の海賊版や販売しているはずがない映像が収まってるVHSが普通にレンタルするお店があり個人的にはホントに良い時代だったが、新生キムズビデオは現代でもその存在意義を見出す事ができるのだろうか。
あっという間に駆け抜けた87分間!
え?なに??
え?ホント??
どうして?え?え?
ってなってるうちに
最後のおゎぁぁぁぁぁあーに到達してたw
なんぢゃそりゃww
映画が好きな人なら見ておいて損はない作品。
これを観たときほど『もっといっぱいホラー観ておけば楽しめただろうに!!』と後悔することはないと思えるほど、過去作いっぱい登場☝️ほとんどが観たことない作品でした💦←そりゃ仕方ないわな。やっぱり“映画における印象的な名場面”って圧倒的にホラー作品に多いのねー(シミジミ)
あまりにモキュメンタリー仕立てのぶっ飛んだ話だったからつい映画のラストが本当なのか検証しちゃったわよ!ネタバレ回避のためにリンクは貼らないけど正真正銘のガチでした💜事実は小説よりも奇なり。
#ホラー好きに観てほしいオマージュフル作品 #ドキュメンタリー作品
面白いとはいえ・・・
ビデオの魅力を知っている自分にとって、非常に興味深い作品でした。巨大レンタル店への畏敬、発見発掘する喜び─一日中入り浸り・・・見るのが目的なのか選ぶのが目的なのか・・・延滞して見ずに返すなんてざら・・・そんな記憶が蘇りました。
大切だったものを大事に思うことは至極当然だと思うのですが、いくら思い入れがある、希少価値が─といわれてもビデオなどが遺産とするのはちょっと・・・しかも、海賊版やその複製品すら含まれているのに─。映像作品は価値あるものと思えますが、パッケージそのものを永遠になどとは思えないのですが、まぁそれは人それぞれの価値観の違いがあると思うので─。
その思い入れを奪還しようと奔走する映像は、ビデオを知る知らない関係なく、かなり面白いのでは。キムズビデオの取引に隠されたウラの話も結構興味深い。一方的な目線であるとはいえ、リスペクトの無さ、無礼な態度、単なる道具等々、めっちゃムカつきます。だからといって犯罪はダメだと思うのですけど、爽快でした。半ばその危ない行為を肯定するような作りにしなければならなかったとは思うのですけどねー。とはいえ、何気に取材や撮影は相当の勇気が必要だったのではと察せられます。所々でかなりドキドキさせられましたし─。
解決したような微妙な落ち着き方もまた・・・恥の上塗りというところもあってちょっと笑えましたが・・・その未来は決して明るくはないなぁなんて思ってしまいました。
でも、色々とその想像力と行動力には脱帽です。
キムズビデオ、その運命より魅力が観たかった
うっひょー、山のようなVHSビデオwww やっぱ物理の力よw ミニ...
刺さる人には刺さる それでいいでしょう
面白かった。編集もテキパキとしていて。ニューヨークにある伝説的なレンタルビデオショップ。その店舗内の映像が出てきた時、東京にも似たようなところがあったな、といろいろ思い出す。VHSテープはそれだけでも青春だ。モンタージュされて出てくる見たことも聞いたこともない映画のリスト、映画ってほんとうに世界中に転がってる見果てることのない人たちの残した夢の産物(残骸)なんだな、と思った。
そしてこの懐かしいレンタルビデオ屋は当然なくなってるのだけど、そのビデオを残そうという動きがあって、それが一度着地する。しかもイタリアのあのゴッドファーザーの地元シチリアのサレーミに保管されるという。そんな都合のいい話があるのかと思ってそこを追跡してみると、、ということなのだけど、そこはイタリア人らしいアバウトさで放置され、見るに見かねてそれを奪還しようというシネフィルならぬビデフィルたちの冒険。キム社長もうさんくさいが金持ちはだいたいうさんくさい。この辺の適当な資本家側とマニアックな現場の人たちの差は世界中どこでも同じ。自分たちの行動をだいたい映画作品になぞらえてしまうのもシネフィル的で微笑ましい。うらやましいのはそれらの映像をドーンとはめ込めているところ。せっかくなので引用されている映画の作品名も翻訳したらいいのに。ラストの奪還作戦に出てくるイタリアの仮面文化にあわせて、伝説の映画人たちのお面も微笑ましい。なんかホドロフスキーのリアリティのダンスを思い出した。
よくよく考えたら映画好きでもなければVHSなんかもゴミでしかなく、このドキュメンタリーもシネフィルでなければなんでもない話なのだけど、そこからみたら「たまらないもの」なんだよな。映画館に置かれてた80年代の洋画のVHSテープの箱を見て、もう二度とショップでパッケージの背表紙を見ながらまだ見ぬ映画を持って帰るかどうするか想像する時間はやってこないんだな、と、かつてそれに費やした時間を思った。そのほとんどが自分の青春だった。
タイトルなし
この作品に全力を捧げた愛すべき変態たちが報われる、そんな世の中であって欲しいと感じる。
驚愕のビデオ里帰り計画
かつてニューヨークにあった伝説のレンタルビデオショップ「キムズビデオ」を巡るドキュメンタリーでした。名作・珍作・海賊版を織り交ぜて5万5千本ものビデオを所蔵し、25万人の会員を抱えていた「キムズビデオ」でしたが、時代の流れには抗えず2008年に閉店。本作は、その膨大なコレクションが何処へ行ったのかを探すお話でした。
調べていくとイタリア・シチリア島に移設されていたことが分かり現地に飛ぶと、ビデオは現存したものの保管状態は劣悪。しかも一般に公開されることを条件に移管されたはずが、地元の政治も絡んで非公開の状態になっていることが分かりました。そのため監督はこれをニューヨークに里帰りさせることを思いつき、計画を実行するのでした。
そして本作の肝は全編に渡って挿入される数々の名作。流れに沿いつつ随所に過去作品が使われていて、この編集だけでも一見の価値がありました。
ただビデオをニューヨークに里帰りさせる方法は、映画撮影を装ったとは言え泥棒まがい。チラシには「この物語はフィクションではありません」と明記されているので、これを信ずるならば、よくまあ国際問題になることもなく丸く収めたものだと驚きました。というか、あまりにリアリティが欠如していて、モキュメンタリーを疑いたくなるほど劇的な流れではありました。
そんな訳で、本作の評価は★4.0とします。
素晴らしい情熱。映画としては並。
よい内容だが思い込みが過剰なのが残念。
上映が近場なら見てもいい。高い交通費をかけてみる映画ではないかと…。
撮影者らしきデイビッド氏の心情を、過去の名作を引用して代弁するモノローグが多用される。それがどうもクドくてテンポが悪い。
よい点として後半の奪回作戦の手前までドキュメンタリーとしておもしろい。追跡捜査のようなノリ。そこまではとてもいい。そこまでは…。
個人的に気になる点が2つある。
1つは、数年前に日本でも絵画窃盗でニュースになった『スガルビー氏』をこの映画内では誤植の『"ズカ"ルビ』と表記している。関係者は誰も気にしていないのか。
2つめは、現代のイタリア・サレーミの人たちの扱いがひどい。まるで無責任で能天気な自覚のない悪役のように見える。映画内で描かれなかった部分には多大な協力と苦労があった筈。
もし日本の自治体だったなら、ビデオのようなサブカルはとっくに処分されていただろうし、最初から許可なしで撮影をしているのも問題。放置責任は過去の『ズカルビ』市長にある。事情を把握していない現代のサレーミの人たちにとって、不法進入と窃盗をする撮影者は狂信者にしか見えなかったと思う。もっと中立な目線が欲しかった。
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