ロックの礎を築いた男 レッド・ベリー ビートルズとボブ・ディランの原点のレビュー・感想・評価
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正直に書こうと思う
時間軸を整理して、もっと曲が聴きたかった
レッドベリーの名前は、聞いたことがあったが、
この映画を観るまで、レッドベリーのことは認識していなかった。てっきりCCRの曲と思って聞いていた「コットン・フィールズ」も、彼の曲だったなんて。彼は、どんな種類の歌でも作り、12弦ギターをはじめ、アコーディオンなど数多くの楽器を弾き、抜群のリズム感を持って、スピーディーに歌いこなす偉大なミュージシャンだった、白人の側から見たらフォークの、黒人の側からはブルーズの。その後の世代に対して、非常の多くの影響を与えた。フォークでは、ウッディ・ガスリーやピート・シガーを介してボブ・ディランに。黒人のブルーズの側では、海を渡って、ロニー・ドネガンらの力でスキッフルの隆盛を招き、それはやがてビートルズを生んだ。映像をみたことがあるが、ブルーズの出発は黒人の(囚人による)労働歌で、コール・アンド・レスポンスの形、基本は「嘆き」と思う。それに対し、フォークには社会性(プロテスト)がある。
それにしても、彼は、おそらく子供の時は悪童、体も強く、頭も切れ、決して他の人には負けない。社会への抗議があるので、白人に受けたのではないか。ただ手が早かった分、犯罪歴もある。1回の脱獄はともかくとして、2度もの恩赦に恵まれている。やはり、普通の人にはない何かの魅力があったのだろう。
彼がデビューしたのは赤線地帯だったろうから、当然、学校には行っていない。ギターは、盲目のブラインド・レモン・ジェファーソンに習ったようだが、民族音楽学者のローマックス親子と知り合ったのが大きかったのではないか。おそらく、彼らが録音だけでなく、採譜も導いたに違いない。しかもレッドベリーは、その恩人である父のジョン・ローマックスを訴えている。何と言うことだ。
レッドベリーを見ていると、江戸時代の火付け盗賊改め、鬼平(長谷川平蔵)を思い出す。若い頃は悪所通いをし「ワル」だった平蔵は、職に就くや、誰にもできなかった犯罪者を更生させるための「人足寄場」を創設する、類まれな人物だった。
楽譜は読めなかったに違いないレッドベリーのレパートリーは500曲を超えたようだ。彼が倒れた病名を聞いて驚いた。現代の難病である。一体、誰が、どこの病院で診断したのだろう。
やはり礎を作るのは素敵よね。 本人はそんな意識無かったと思うけど。...
アメリカ伝承音楽データベース
いろんなジャンルのアメリカ由来の音楽を聴いてきたつもりですが、ジャンルというのはレコードが普及し、音楽がパッケージ化されてビジネスとなり、売り物としてターゲティングされた結果であって、アメリカ音楽の元をたどれば、レッド・ベリーが絡んでいるということが分かりました。アフリカ系の労働歌やリズム、ヨーロッパ系の民謡等が入りまじり、まだ音楽を記録することがない時代に人々が口ずさんでいた歌を彼が多く覚えていて、それを元にローマックス親子が伝承音楽のデータベースを作り上げたということが、その後の各ジャンルのミュージシャンに影響を与えていたということ。ローマックス親子がデータベースを残す活動に際して、偶然レッド・ベリーと出会えたことが奇跡的な感じです。
ご本人登場の再現映像がわざとらしくて、笑ってしまうと共に、アフリカ系の人はそう振舞わなければならなかったという、当時のアメリカ社会の状況もよくわかりました。
ひとつ残念なのが字幕の出方。10文字以上の字幕が出たと思ったら一瞬で消えたり、歌もコメントもないところで字幕が出たり。一般的な劇映画の字幕の意訳ではなく、キチンとコメントに沿った日本語訳になっているようですが、読めなければ意味がないですね。
たしかに楽曲が印象的
ひたすら勉強になった。
なんたって、レッド・ベリー(またはレッドベリー)あるいはハディ・レッドベターという人のことを、
全然知らなかったから。
1949年に病気で亡くなっているんだが、
ウディ・ガスリーとピート・シーガーに、
そしてボブ・ディランとジョーン・バエズに、
さらにはジャニス・ジョップリンにも、
大きな影響を与えたという。
聴いてみたらたしかに、それは感じる。
しかも、
ワタクシのよく知らない有名アーティストたちもたくさん、レッド・ベリーの歌をカバーしていたんだね。
かたや英国でいうと、
映画の中でも触れられてたけど、
ビートルズにとっては「曽祖父」に当たるということで、
そこまでいくと「影響」というのは少々牽強付会かな、という気はしたけど。
何はともあれ、
Take This Hammer、
The Midnight Special、
Rock Island Line、
Good Night Ireneあたりの楽曲が、
めっちゃ印象的だった。
レッドベリーの凄さは少し伝わったが・・・・ I got a slight sense of how great Lead Belly was, but…
全体的に造りが雑に感じてしまった。
(申し訳ありません)
当然レッドベリーのことを知っている人が、
さらに補足で見る映画だと感じました。
せめて、レッドベリーの前後でどれだけ音楽が変わったか、
それまでの音楽はこんな感じだった
が数分でも挿入されれていれば印象が変わったかも。
21世紀の人間の視点で見ると、
レッドベリーの新しさは
変革ぶりは、
後世のミュージシャンに与えた影響は
この映画だけでは正直理解できなかった。
(これは自分の音楽経験の多寡も関係ある)
日本には優れた音楽番組がたくさんあり
ミュージシャンを深掘りする回が非常に優れているので
それからすると本映画は
かなり見劣りする。
何より「ちょっと・・・」
と感じたのは日本語字幕。
文字の小ささと、
切り替わるタイミングの違和感が。
お世辞にも読みやすいものではなかった。
将来的に日本の音楽番組が
(いくつかの番組が浮かんでいる)
レッドベリーを取り上げる方が
はるかに良いものが出来ると思う。
関係者の証言集の域を出ていない
と個人的には感じました。
Overall, I felt the film was rather poorly put together.
(I apologize for being blunt.)
It felt like a film meant for those who already know about Lead Belly, as a sort of supplementary piece.
At the very least, if the film had included even just a few minutes showing how music changed before and after Lead Belly—like, “this is what music sounded like before”—it might have left a different impression.
From the perspective of someone living in the 21st century, the novelty of Lead Belly, the extent of his innovation, and the influence he had on later musicians were honestly hard to grasp from this film alone.
(Of course, my own level of musical experience may also play a role.)
In Japan, we have many excellent music programs, and their deep dives into musicians are often outstanding. Compared to those, this film falls quite short.
What bothered me the most, though, was the Japanese subtitles.
The small font size and the awkward timing of the transitions made them far from easy to read.
I truly believe that if Japanese music programs—(a few specific shows come to mind)—were to feature Lead Belly in the future, they would produce something far superior.
To me, this film did not go beyond the level of a simple collection of testimonies from people involved.
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