「タフなレディの泥臭い復讐劇」バレリーナ The World of John Wick bexさんの映画レビュー(感想・評価)
タフなレディの泥臭い復讐劇
『ジョン・ウィック』は1作目しか見ていないけれど、そんな自分でも楽しめた。
凄く爽快なアクションかと思ったらそうでもなかった。
イヴの戦い方は全くスマートじゃない。
普通に殴られるし刺されるし投げ飛ばされる。
でもいくらダメージを受けても跳ね起きたり走り出したりするのがタフすぎてもはや凄いとしか言えない。
気合というか執念というか、イヴの本気が見て取れる。
それに、襲ってくる敵は皆「殺したい」や「死にたくない」と思っているのだから、その必死さを全身で受け止めながらそれでも止まらずに泥臭く進むのがイヴの格好良さだなとも思う。
最初の任務から負うダメージ量は変わらないけど、敵の急所を狙う技術はどんどん上がっていくのが面白ポイント。
コンチネンタルホテルがやっぱり美しい。
建物もシステムも荘厳であり優雅であり、殺し屋たちを受け入れる懐の深さと規律による安寧をもたらす、唯一無二の存在。
賞金首の情報を紙に印刷してから殺し屋各々のスマホに通知する、アナログとデジタルの入り混じり方もたまらなく魅力的。
一方、一般人の自分からしたら暗殺教団はなかなかに地獄だなと思う。
流れ者の殺し屋が家族を持ち、子供達は幼い頃から暗殺技術を学び、許可のない余所者の侵入を許さない場所。
そこに救われた人もいただろうしそこに産まれて良かったと思う子ももしかしたらいるかもしれないけど、そこに合わない人は出ていける自由は欲しいよなぁ。
イヴが乗り込んできた時の主宰、殺し屋の教団員たちを束ねる冷徹なボスの面もありながら、コミュニティ内のトラブルに対応して秩序を守ろうと頑張る普通の市長みたいな面も見えて、なんか複雑。真人間なんかじゃないはずなのにな。
劇中色々な武器が出てくるけど、手榴弾と火炎放射器はド派手で良かった。
そうはならんやろとか坑道でそんなもん使うなとか頭によぎる事もあるけど、そんなん通り越して面白いのでOK。
『ジョン・ウィック』の1作目、映画館で見てみたいな。
叶うことはないだろうけど。
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