能登デモクラシー

劇場公開日:

解説・あらすじ

「はりぼて」「裸のムラ」といった政治ドキュメンタリー作品を手がけてきた五百旗頭幸男監督が、能登半島の中央に位置する石川県穴水町を取材したドキュメンタリー。

人口が7000人を下回り、若者と高齢者の数がともに減りゆく「人口減少の最終段階」に入った石川県穴水町。元中学校教諭の滝井元之さんは2020年から手書きの新聞「紡ぐ」を発行し、利益誘導型の政策や町の未来に警鐘を鳴らし続けてきた。五百旗頭監督ら石川テレビのクルーたちは、市井からのまなざしにローカルメディアの存在意義を重ねながら、惰性と忖度がはびこる役場と町議会のいびつな関係を浮き彫りにしていく。

そして2024年の元日、能登半島地震が発生。カメラは思わぬ事態に見舞われた町と人々の営みをつぶさに見つめる。やがて五百旗頭監督は、まことしやかに囁かれる穴水町最大のタブーに切り込んでいく。

2025年製作/101分/G/日本
配給:東風
劇場公開日:2025年5月17日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

監督
プロデューサー
木下敦子
撮影
和田光弘
西田豊和
音声
石倉信義
美術
高倉園美
編集
西田豊和
音楽
岩本圭介
音楽プロデューサー
矢﨑裕行
テーマ音楽
岩本圭介
題字
高倉園美
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フォトギャラリー

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(C)石川テレビ放送

映画レビュー

4.5【批判だけに終わらない取材姿勢に共感】

2025年6月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

『はりぼて』『裸のムラ』に続く五百旗頭監督作品鑑賞。甚だしい公私混同の地方行政に、多選高齢議員で占有され空虚な承認機関に成り下がっている議会、日本に蔓延する閉塞感と諦観を突き付けられたようで途中暗澹たる気持ちになったが、図らずもオンブズマンの役割を果たす元教師の尊敬に値するバイタリティに、町長や一部議員の現状からの行動変容、そして監督の取材姿勢に加えて批判だけに止まらない編集で微かに光明を見出せるような⁉︎エンディングが◎で救い。次回の五百旗頭監督作品にも期待。

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Chang Koh

4.5タイトルなし(ネタバレ)

2025年6月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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何処吹く風

4.0能登デモクラシー

2025年6月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

元旦の震災という、望まぬ形で知れ渡った穴水町。
そこで連綿と続いてきた悪習。
前町長の土地を町が賃貸として借り上げ、現町長が理事長を務める団体が、町の予算で箱物を建てる。
それを、この時代に当たり前の様に続いてきた町政。
テレビカメラの前で、堂々と行われた買収行為。
声を挙げない町民と議員。
たった1人、問題提起する男性。
そして、あの震災。
それを契機に団結し、少しずつ変わろうとする議員や町長、そして町長。
見応えのあるドキュメンタリーでした。
石川テレビのクルーも天晴。

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映画館難民

ここから始めねばならないのかと暗澹たる思い

2025年6月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 老齢化・人口減少が続き、このままでは消滅も遠からずと思える石川県の穴水町の政治を見つめたドキュメンタリーです。

 役所から一本釣りされる様な形で町会議員選挙にトップ当選し、前回のトップ当選議員は町長になり、前町長の仕事を引き継ぐ。そして、新町長が理事を務める施設を前町長の土地を借りて町と国の資金で新設するという余りに分かり易い利益誘導。それを監視する筈の議会を、この20年間一度も質問した事がないという37年職歴の長老議員がが取り仕切る。行政・議会・役所がこれ程あからさまなズルズルの馴れ合い関係で、選挙の投票率も高く住民に承認され続けている事に驚きます。

 民主主義という事を、こんな所から始めねばならないのかと暗澹たる思いがしました。でも、これは地方だから分かり易いだけで、都市部ではもっと巧妙に同じ様な事が進んでいるのだろうな。これが、80歳を迎える日本国憲法を頂く国の姿だ。

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La Strada