能登デモクラシー

劇場公開日:2025年5月17日

解説・あらすじ

「はりぼて」「裸のムラ」といった政治ドキュメンタリー作品を手がけてきた五百旗頭幸男監督が、能登半島の中央に位置する石川県穴水町を取材したドキュメンタリー。

人口が7000人を下回り、若者と高齢者の数がともに減りゆく「人口減少の最終段階」に入った石川県穴水町。元中学校教諭の滝井元之さんは2020年から手書きの新聞「紡ぐ」を発行し、利益誘導型の政策や町の未来に警鐘を鳴らし続けてきた。五百旗頭監督ら石川テレビのクルーたちは、市井からのまなざしにローカルメディアの存在意義を重ねながら、惰性と忖度がはびこる役場と町議会のいびつな関係を浮き彫りにしていく。

そして2024年の元日、能登半島地震が発生。カメラは思わぬ事態に見舞われた町と人々の営みをつぶさに見つめる。やがて五百旗頭監督は、まことしやかに囁かれる穴水町最大のタブーに切り込んでいく。

2025年製作/101分/G/日本
配給:東風
劇場公開日:2025年5月17日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

監督
五百旗頭幸男
プロデューサー
木下敦子
撮影
和田光弘
西田豊和
音声
石倉信義
美術
高倉園美
編集
西田豊和
音楽
岩本圭介
音楽プロデューサー
矢﨑裕行
テーマ音楽
岩本圭介
題字
高倉園美
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(C)石川テレビ放送

映画レビュー

3.0最初から議員が町長側に付いた議会に違和感

2025年7月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

過疎化により人口が7000人を切り、若者と高齢者の数がともに減っている、人口減少の最終段階、に入った石川県穴水町。元中学校教諭の滝井元之さんは2009年から手書きの新聞、あした塾だより、を発行してきた。2020年から、あした塾だよりから発展した、紡ぐ、を発行し、利益誘導型の政策への批判、町の未来に警鐘を鳴らし続けてきた。
石川テレビにより、惰性と忖度がはびこる役場と町議会の関係を浮き彫りにしていった。
そして2024年の元日、能登半島地震が発生し、その復興への取り組みも紹介したドキュメンタリー作品。

まず、いくら高齢社会と言っても、滝井さん指摘の議員平均年齢72.9歳、というのはいかがなものかと思った。86歳の議員がまだ権力を持っているし。その後、2023年の町議会議員選挙の様子が紹介され、トップ当選した候補者を前町長と現町長が訪ね封筒を渡している場面も違和感。後で石川テレビから指摘されてたが、公職選挙法違反らしい。後に字幕で町からのお祝いと紹介されたが、もらってないと発言する議員もいたし。やれやれ。
町の箱物建設に前町長の土地を賃貸し、現町長の運営する会社が受注してるのも違和感。ここもやれやれ。
とにかく癒着だらけの穴水町だったが、議会で前向きな質問が出たりして少しは前進するのかも、と期待を抱かすラストとはなってた。
ま、継続して追っかけてないと元の木阿弥だろうけど。

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りあの

4.5悪人はいない

2025年7月1日
PCから投稿

「能登・穴水町に蔓延る忖度と欺瞞を暴く」…実はそんな簡単な話ではなかった。たった一人で手作り新聞を発行して民主主義を問いかける滝井さんと、事なかれ主義の中で選挙も会議もすすめていく穴水町の首長と議会。そんな図式的な対比で進むかと思いきや、現実はフィクションより悩ましい。
能登震災によって、ある部分では手を取り合ったりお互いへの歩み寄りも生まれるが、それによって不正や忖度がなくなるわけではない。
ジリジリと、我慢強く進むしかないけれど、そこからしか民意は生まれないのだ。

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yama

5.0デモクラシーを終わらせてはいけない

2025年6月29日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

石川県穴水町の中でも、特に奥へ行った集落に住む、元教師の滝井さんの生活と手作り新聞活動を通して、町議会の現状が描かれたている。
穴水町の選挙の投票率は高いが、実際の町議会は惰性と忖度、疑惑に溢れていて、見ていて悲しくなった。こういう町、全国にたくさんあるだろう。
ただそこに希望を捨てずに、地元の為にコツコツとボランティア活動や手作り新聞の活動を続ける滝井さん。撮影期間に震災も起こり、自分だってめちゃくちゃな状況なのに、すぐにボランティアへ走っていたのに頭が下がる。
新聞やボランティアの部分に、心を動かされたが、一番感動したのは夫婦の関係性。信頼と心配と感謝。家族のことを考えた。
穴水町には選挙法違反や利益誘導などおかしなところはあるが、心底悪いやつはいなく、惰性と忖度の成れの果てなのではないか。そうであれば、この映画を機に変わってほしいし、変われると思う。
今後の穴水町が気になる。
もう一つ気になったのは、滝井さんの息子さんもチラッと映っていたが、父の活動をどう思っているか聞きたかった。

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邦画好き

4.0ありがとうございます、かな。

2025年6月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

大きく取り上げられている、滝井さんがすばらしい。
信じる道を実直に歩む姿が潔いです。
「ボランティアの滝井です」と言いながら仮設住宅を回る姿に頭が下がります。
音楽(音響効果?)もいいよね、というのも今回の収穫でした。
こんな奥能登を全国に紹介していただいた監督に感謝します。

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ぜん