ブラックバッグ : 特集
【“大量殺戮”の容疑者は、妻と4人の部下】スパイに
よる究極のスパイ狩り。タイムリミットは1週間。映画
館で見抜け、聞き逃すな、全感覚を研ぎ澄ませろ――
ネタバレ超厳禁、考察力が試される超一級サスペンス

“スパイによるスパイ狩り”という前代未聞の心理戦を、極限までスリリングに描破す一級サスペンスが誕生した。タイトルは「ブラックバッグ」、9月26日に全国で公開となる。
本作、とにもかくにも映画ファンに強くオススメしたい絶品だ。
“大量殺戮”の容疑者は、妻と4人の部下。国家の中枢<NCSC>で起きた事件をめぐり、エリート諜報員は、最も信じていた者たちを疑わなければならない。

しかもタイムリミットはわずか1週間。張り巡らされたウソ。静かに発動する罠。視線ひとつ、言葉ひとつに隠された“真実”を暴けるか――。
この映画は観る者の“考察力”によってその衝撃が変わる。ネタバレは超厳禁、誰よりも早く劇場へ。全感覚を研ぎ澄まし、自分の頭で結末にたどり着いてほしい。
【この映画がすごかった!】見抜け、聞き逃すな。すべ
ての瞬間が罠…全サスペンスファン、絶対に劇場で観よ

本作の魅力を紹介していこう。
●【とにかくストーリーが“そそる”】
“大量殺戮”の容疑者は…最愛の妻と、信頼する4人の部下。スパイによる究極のスパイ狩りが始まる――

主人公は、イギリスのNCSC(国家サイバーセキュリティセンター)のエリート諜報員・ジョージ。彼に課せられた機密任務は、大量殺戮を企てる“組織内部の裏切者”を見つけ出すこと。
国家を揺るがす不正プログラム<セヴェルス>を盗み出した、その容疑者は5人。NCSCの部下で友人でもある4人に加え、5人目はジョージの愛妻であり、最も有能な諜報員キャスリンだった――。
妻が国家を裏切った容疑をかけられ、ジョージは結婚生活への忠誠と、祖国への忠誠の板挟みになるという究極の試練に直面する。

監督は「オーシャンズ」シリーズのスティーブン・ソダーバーグ、脚本には「ジュラシック・パーク」「ミッション:インポッシブル」「スパイダーマン」など数々の歴史的傑作を手がけた名手デビッド・コープ――このストーリーラインと名前に、少しでも心が動いた方は、直感を大切にしてほしい。
●【スクリーンから一瞬も“目を離せない”】
すべての瞬間に“意味”があり、全シーンで“頭脳がフル回転”する映画体験。単純明快が好まれる今こそ、むしろこの“混沌”を味わい尽くして

「ブラックバッグ」は他の作品にはない“特有の鑑賞感覚”を有している。それはなにか? スクリーンにすべての集中力を注ぎ込み、すべての瞬間を凝視し、すさまじいまでの没頭を味わう94分間だ。
というのもこの物語は、一瞬でも聞き漏らす、見逃すと重要な情報が欠落し、“結末”が手から滑り抜けていく、そんな唯一無二の演出が施されている。

見抜け、聞き逃すな、全感覚を研ぎ澄ませろ――“単純明快”が好まれる時代の真逆をいくような作品だが、だからこそ、この“心地よい脳の疲労”は、わかりやすさに慣れきった現代人に大きな価値を持つだろう。
超一級のサスペンス、上質なひとときを、ぜひ映画館で。
●【“可能な限り早く”映画館へ】
なぜならネタバレ超厳禁だから――あなたの考察力が試される。誰よりも先に映画館で目撃し、自分の頭脳で“結末”にたどり着け!

本作は「TENET テネット」などの考察が捗る名作や、「ユージュアル・サスペクツ」などスリリングな展開を好む人、果ては映画に限らず脱出ゲームや人狼などに没頭する人にも、強くオススメしたい一本である。
誰がウソをついているのか?真実とはなにか? 考察力を駆使し、目と耳と脳で、本気で物語に浸った者に、きっと衝撃的なまでの快感がやってくるはず――これこそが「ブラックバッグ」の、類まれな鑑賞体験の本質なのだ。
誰よりも先に、その結末にたどりついてほしい。
【辛口批評サイト96%高評価】監督・ソダーバーグの経
歴を改めてまとめたら、やっぱりこの人すごすぎた…!

作品への興味がぐんぐんわいてきたところで、さらに観たくなるよう、スタッフ・キャストについてもご紹介していこう。
●【スティーブン・ソダーバーグ監督】
カンヌ最年少受賞、アカデミー賞での偉業、娯楽性と知性の融合…世界トップ・オブ・トップの“イノベーター”!

天才スティーブン・ソダーバーグ。彼の経歴を改めておさらいすると、「当たり前すぎて忘れていた偉業の数々」を再発見できた。
・史上最年少でカンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞! 長編デビュー作「セックスと嘘とビデオテープ」で歴史的快挙――映画史に名を刻む鮮烈デビュー!
・第73回アカデミー賞、異例の離れ業! 「エリン・ブロコビッチ」「トラフィック」で監督賞にダブルノミネート(「トラフィック」で受賞)――同年同部門で2作ノミネートは実に62年ぶりの歴史的偉業!

・30本超のフィルモグラフィ、ジャンルは“ソダーバーグ”! 犯罪映画(「アウト・オブ・サイト」、「オーシャンズ」シリーズ)、ホラー(「プレゼンス 存在」)、スポーツ(「ハイ・フライング・バード」)、コメディ、伝記(「チェ」「恋するリベラーチェ」)など、縦横無尽に作品を生み出す創造力!
・映画の地平線を押し広げる革新者――インディペンデントと超大作、商業と芸術の境界を軽やかに越え、多作でありながら、常に新しい表現を切り開き続ける唯一無二の存在!
●【ゆえに全世界待望の最新作】
ソダーバーグだからこそ、ここまでの豪華キャストと超一級スタッフが集結。結果、辛口批評サイト96%支持=“歴史的傑作”級のすさまじい作品に!

そんな偉大なソダーバーグだからこそ、過去作しかり、素晴らしいキャストとスタッフがそろうのだ。
今回の主演には8作品でアカデミー賞ノミネート(そのうち2作品で受賞)を果たしたケイト・ブランシェット、「スティーブ・ジョブズ」「それでも夜は明ける」のマイケル・ファスベンダー、共演には「007」の5代目ボンドで知られるピアース・ブロスナンや、ナオミ・ハリスらが集い、スタッフには脚本にデビット・コープら超一流が結集。達人技ともいうべき技巧を全編に冴え渡らせ、鑑賞料金2000円が安すぎると思える映画を完成させた。

結果として、全世界待望の最新作と熱視線を受け、アメリカの辛口批評サイト「Rotten Tomatoes」では96%支持という、歴史的傑作級ともいえる高評価を得た。
つまり何が言いたいか? 答えはシンプル。「ブラックバッグ」は必見中の必見の一作なのだ。
【最後に、まだ語りきれていない魅力を】鑑賞レビュー
極限に圧縮されたリアリティ…ヒリつきがたまらない!

この項目で特集を締めくくろう。ここまでで記述できていない本作の真髄――スパイの“極限のリアリティ”と極上の映像美――を、編集部によるレビューで紹介する。
●筆者紹介

●言うなれば“ジェームズ・ボンドのいない「007」” しかし、地味で静謐なのではない。“スパイのリアル”が尋常じゃなく面白かった。

まず、声を大にして言わせてほしい。
ぶっ刺さりだった、本当に。本作はジェームズ・ボンドのいない「007」と表現できるかもしれない。だからド派手なアクションはない。だがそこがいい。
「スパイのリアリティ」に全振りし、本当のスパイはドンパチをせず、粛々と任務をこなす姿を映し出す。それはまるで、我々のような会社員のごとき仕事ぶりですらあり、理屈ではないフィジカルな共感と親近感を呼び起こす。

さらには、スパイの私生活を覗き見るようなゾクゾクがたまらない。スパイはスパイと交際し、結婚することが多い(超機密を扱うので自然とそうなるらしい)ことを初めて知った。監視され、監視し、言えないことも多い秘密だらけのスパイの夫婦生活は、一体、どんな感覚なのだろう――。
こうしたリアリティの追求により、ド派手なアクションでは決して醸し出せない“尋常じゃない快感とヒリヒリ”を生んでいることこそが、本作最大の魅力だと思う。ゆえに、他の作品とは一線を画す良作なのだと、私は断言したい。
●すべてのショットが、鼻血が出そうなほど美しい――こんなにオシャレな映像世界を、本当に久しぶりに味わい尽くした。

美しいものを観ると目が幸せになる。本作はこれだけスケール感のある大作でありながら、観るものの“美的性癖”に深々と突き刺さるショットを、これでもか、これでもか、と突きつけてくるのが本当に素晴らしかった。
文字よりも、画像や映像を観てもらえれば一発でわかるだろう。



このようなショットが1時間半、ずっと続くのだ、すごくないですか?(興奮しすぎて急にです・ます調)
視力が良くなり、魂が美しくなったような感覚を覚える。鼻血が出そうだった。ここまでオシャレな映画を観たのは久しぶりだと、私のすべての映画的細胞が歓喜するのをひしひしと感じるほどに。
これは本当に、観た人へのご褒美である。ぜひ、読者の皆様にもご堪能いただければと思う!
●「裏切りのサーカス」好きは何が何でも観に行ったほうがいい。劇場公開は9月26日、映画の魔性に魅せられた人に、本当にオススメしたい一本だった。

以上、「ブラックバッグ」の魅力は伝わっただろうか? ここまで読んでくれた方は、本作を120%楽しめる準備が整ったということ。他の作品よりも優先して鑑賞するといい。
また、様々な作品を例に出してきたが、特に「裏切りのサーカス」に衝撃を受けた人は絶対に観るべきだ。作品から得られる栄養素が、とてもよく似通っているからだ。
スパイによる究極のスパイ狩り、大量殺戮の容疑者は妻と4人の部下、考察力が試される映画体験――本作にしかない、類まれな興奮が、手ぐすね引いてあなたを待ち侘びている。
