「派手なアクションシーンは皆無。ヒリヒリするような心理戦で緊張を高めてゆく。なかなか話が読めなくて見ているこちら側も緊張してゆく。ただ難しい話でないので、ラストの種明かしには、しっかりカタルシスがある。」ブラックバッグ mac-inさんの映画レビュー(感想・評価)
派手なアクションシーンは皆無。ヒリヒリするような心理戦で緊張を高めてゆく。なかなか話が読めなくて見ているこちら側も緊張してゆく。ただ難しい話でないので、ラストの種明かしには、しっかりカタルシスがある。
監督は、「セックスと嘘とビデオテープ」、「トラフィック」、「オーシャンズ11」などのスティーヴン・ソダーバーグ。
脚本が「ジュラシック・パーク」(1作目)や最近の「ジュラシック・ワールド/復活の大地」、「ミッション:インポッシブル」(1作目)のデヴィッド・コープ。それで面白くないわけがないと思った。
今回はスパイもの。一筋縄にはいかないスパイものだった。派手なアクションシーンは皆無。ヒリヒリするような心理戦で緊張を高めてゆく。なかなか話が読めなくて見ているこちら側も緊張してゆく。ただ難しい話でないので、ラストの種明かしには、しっかりカタルシスがある。
マイケル・ファスベンダー演じる諜報員のジョージは、内部の裏切り者を見つける極秘任務(ブラックバッグ)に付く。容疑者は、妻の諜報員キャスリン(ケイト・ブランシェット)と同僚の4人。彼らを自宅のディナーに招待して、探りを入れるが…。
スパイの日常というか、スパイ夫婦の私生活を描いている。夫婦でお互いがスパイだと気が抜けない。でも結婚を維持してゆくには、知恵が必要で…。
マイケル・ファスベンダーとケイト・ブランシェットの重量級の役者が貫禄の演技で、リアルなスパイを演じている。それに元007役のピアース・ブロスナンが上司に。ダニエル・クレイグ版007のマネーペニー役のナオミ・ハリスも出ている。
かなり007を意識している。ただ雰囲気は映画「裏切りのサーカス」。地味でカッコいい。
音楽(デヴィッド・ホームズ)は、ラロ・シフリン(「スパイ大作戦」「ダーティハリー」などの音楽)を意識したような、昔ながらの「スパイ音楽」。そんなところもカッコよくて楽しい。
クライマックスは、銃弾1発で決まる。
スタイリッシュで、無駄がなく、テンポよくラストに向けてキリキリと話を詰めてゆく快感。
久々に、ソダーバーグ節を楽しんだ。
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。