「嘘は嫌いだ」ブラックバッグ とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)
嘘は嫌いだ
ゲームの名は、"夫婦円満の秘訣"教えます?スパイに浮気は楽勝すぎるから
ダイニングルームで繰り広げられる『裏切りのサーカス』へようこそ…。後処理は必要?ソダーバーグ監督✕デヴィッド・コープ脚本=最強タッグ再び!
こういう題材を手がけたら右に出るものが居ない、無機質なほどクールにスタイリッシュかつスマートで効率的なソダーバーグの十八番。広角レンズによる室内全体を捉えるように高い位置からのロングショットなど、雰囲気やショットの一つ一つから彼の作品であるとすぐに判るし、全体像の見えないスリリングで色気すら漂うセリフの掛け合いや構成・組み立てのアプローチ。つまり、フィンチャーにシリアルキラーもののイメージがあるように、こういう作品もまたマスタークラスな名匠ソダーバーグのランドマークだ。彼の手にかかるとなんてことのないシーンでも魅惑的に映り秀逸なムード漂う、手際の良さが光るアイコニックなスタイルを堪能できる。
監視と殺し。仕事できて家もオシャレで傍から見たら完璧理想の美男美女夫婦。一見して情熱的なロマンスとは無縁そうな2人も、実は傍からは見えない深いところで結びついている。こういう役どころがハマりすぎるファスベンダー劇場。つまり、『エイリアン』シリーズのファスベンダーから、標的を殺し損ねて動揺した『ザ・キラー』のファスベンダーに?彼の人間離れした感じが、本作によくマッチしていた。言わずもがな元007なピアース・ブロスナンがリアルスパイな世界の上層部を演じるということ(説得感、重み付け)。CIA/FBIみたいにアルファベットの羅列した、謎の組織ありすぎ問題。私たち夫婦の邪魔をしないで!
1週間(+数日)。本編中のタイトルや、メインタイトルとエンドロールでのフォントの選択など、作品を形作る要素が隅々までスタイリッシュで、その世界観を形作るのに一役買っていた。
P.S. 昨今あらゆる作品内で多かれ少なかれ言及があるなど、見て取れるロシア問題(というか大殺戮の犯罪)の影響。…からのみんな大好き、一件落着後最後に大金をGETする『ワイスピ2』方式?※流石に今回はiPhone撮影ではありません。
勝手に関連作品『裏切りのサーカス』『デュプリシティ』
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