親友かよのレビュー・感想・評価
全30件中、1~20件目を表示
人の死や気持ちの扱いが軽く、青春で片付けてよいのか?
親友ではないジョーの死から始まる物語。
いくら親友では無くても、扱いが軽すぎないだろうか。
湿っぽくなく、青春物の軽やかなタッチで描くことに異論はないが、「軽やか」と「軽く」は別物だ。
監督の才気も感じるが、ストーリーもキャラクター造形も表面的で、内から溢れ出てくるエモーショナルな部分が無いと映画の嘘は成立しない。
青春!熱い映画愛と苦悩!友情とは、親友とは 映画製作・上映の苦難を乗り越えたとき ただのクラスメイトが親友になった
転校生ペーの隣りの席の生徒ジョーが、突然事故で亡くなった。
ペーは、特に親しくなかったジョーを「親友」ということにして、仲間を集めて彼を偲ぶ短編映画を撮ることにする。
クラスメイト達も出演し、映画の撮影は順調に進む中、ジョーの意外な秘密を知ることになる。
名作「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」のバズ・プーンピリヤ監督が製作!
「ふたごのユーとミー 忘れられない夏」のアンソニー・ブイサレートとティティヤー・ジラポーンシンが再共演ということで、超期待しておりました!
特に「ふたご~」での圧倒的な演技のティティヤー・ジラポーンシンが、再び好演。
本作でも特に表情が輝いてます。
親友でないことを隠しながらも、映画撮影をみんなで楽しむ前半はキラキラ青春コメディ。
しかし、そのままストレートに話が進まないところが本作の肝ですね。
話の中盤、新たな事実が発覚してから、事態は一転。
よく知ることのなかったジョーの様々な面を知ることになる。
そして、「送る会」で全校生徒に公開する日。
友人の名誉を守るため、精魂傾けてできた傑作映画が皆に公開できない苦しさ。
自分を制して大学をあきらめて秘密を守ったことで、彼が死んだ後で、本当の親友になった。
実に切ない。
せめて、一緒に作ったスタッフには見せてほしかった。
(病気の少年と母親、ボーケーしか見てなかったですよね?)
ひねりのある青春映画
前半と後半で違う印象に
焦がれる日本が続きますように。
タイの青春映画はよいですね。
韓国のノワール映画がよいのと同様に。
日本で観れるタイ映画は年間数本しかないわけですが、秀作の映画が多い気がします。
他も作っているのかも知れませんが、日本に持ち込まれるのはある程度需要が見込まれるものだとは思います。そういう意味では、各国とも良い作品は作られているわけで、タイ映画は王様のブランチとかで紹介されて、もっと注目を浴びてもよいかと思います。バッドジーニアスは米国でリメイクされていることですし。
量産される、原作+話題のアイドル+タイアップ曲形式の日本の青春映画では太刀打ちできませんよ。
本作を理解するのは、日本に似た学校制度、アジア的な同調圧力やいじめの構造、家制度などの感覚が必要で、これらはすべて、日本的のある意味悪いところなので、まったく違和感なく観賞することが出来ます。国の体制が違っても、個人としては、韓国・中国・台湾・タイなどはまったく同じ感情を持っていることを認識できます。そういう意味において、未だに日本だけが優秀でその他のアジアの発展途上国を思っている人たちには困ったものです。彼らは、こういった国のことなんかちっとも知ろうとしないのでしょう。
本作は、Super 8, Single 8, 桐島部活…, I like moviesのような映画に関する映画でもあります。タイにおいても、ミッションインポシブルとかテネットとか僕らと全く同様の映画を楽しんでいます。その中で、スビルバーグやノーランとならんで、是枝裕和をあげて頂いたのはありがたいです。いわんや、一蘭やワンピースや日の丸さえも取り上げられていること、をや。いいじゃないですが、彼らのうち優秀な方をわれわれの税金で留学させたって。(私の某国立大学にはタイの留学生は実際に沢山いましたよ。)これからも、あこがれの日本でありたいですよ。
あ、映画の中身。恋愛、受験、友情、喪失、嘘など誰でも経験することが、特別なすごい事件とは関係なく描かれています。若干の中だるみがありますが、終わりかと思ったら、まだ終わりがあり、終わりがあり、終わりだと思って泣けてきたのに、さっきの涙を帰して欲しいです。
キャスト。主役のぺーは若い時の妻夫木さんのようです。ジョーはちょうどよく、正直バカっぽい(失礼)役どころがぴったりです。Ricky Stanickyのようです。ボーケー役のティティヤー・ジラポーンシンは、『ミーとユー』にも出てて居ました。前作では一卵性双生児を演じ分け、本作でも友情と恋愛の中間の状態をうまく表現していました。
5月の連休から有名アニメのロングラン、その後ぼちぼち有名フランチャイズやアカデミー賞受賞作のロングランとなり、小粒でいい作品が埋もれがちです。上映館は少ないですが、わざわざ出かけてみる価値は十分あるでしょう。
同学年、知り合い、クラスメート、友達、親友 そういやどこからが?っ...
キャッチー且つ絶妙な邦題『親友かよ』
狙ったわけではないのですが、気づけば二日続けてタイ映画です。ちなみに本作、IMDbではレビュー数こそ未だ1000を僅かに切りますが、評価は7.4(6/18現在)と高いこともあり、そこに期待をして「今週の4本目」に選出。サービスデイの109シネマズ木場にて鑑賞です。
「卒業まで残り1か月」の高校3年、ペー(アンソニー・ブイサレート)はあることをきっかけに事件を起こしてしまい、高校を退学処分となります。父は呆れながらも「ラストチャンス」としてペーを別の高校に編入させるのですが、既に「諦めムード」のペーは教室でも無気力。ところが、そこから思いもよらぬことが「立て続け」に起こり、本人もまさかの「ペー主導」による映画制作プロジェクトが始動します。
関わり合う友人たちのキャラクターを掘り下げつつ、物語の方向性を理解させる前半は所々にコミカルな要素強め。特にペーをコントロールしようとするボーケーを演じるティティヤー・ジラポーンシンは、『ユー&ミー&ミー』に続いてのアンソニー・ブイサレートと再共演ということもあり、確かに二人の相性の良さを感じます。
そして中盤、新たな登場人物によって明らかになる事実をきっかけに、雰囲気は一変してシリアスになっていき、後半に至ってはこれでもかと言わんばかりの怒涛の展開に。そして、前半では語られなかった「(それぞれの)二人」を回想するシーンの数々は、第三者には知る由もない「バイブス」まで感じて、若者たちの間に生じる「エモい」感情が際立ちます。なお、邦題『親友かよ』についても、そのフレーズとしてキャッチーさだけに納まらず、この年頃特有の「距離感」や「温度感」が現れていて、実に絶妙だと思います。素晴らしい。
ただ、本作もまた「伏線回収」という技法を過度に頼りすぎな点は否めません。特に全容を隠しながら伏線を張り続ける前半パートはかなりテンポが悪く、熱帯夜で寝不足気味のオジサンは眠気を振り払うのに必死。或いは、後半パートでの回収劇だけみればそれなりに感動もあるし、ストーリーそのものは充分に優れていると思います。それだけに、作品全体の出来としてはスムーズさに欠けて勿体ない。或いは、「盛り込み過ぎ」な要素をもう少し絞り込んでもいいような気もしますが、出来れば次はもっとシンプルな作品を観てみたいな。まことに僭越ですが、アッター・ヘムワディー監督(脚本)、今後に期待しています!
新鮮
タイの高校生活が知れる
高校3年生のペーは彼女に振られ、カッとなり衝動的にカッターナイフで切りつけ傷害事件を起こし、高校を退学処分となった。高校生も残り少しとなって転校し、新しい高校で、人懐っこいジョーの隣の席になった。しかし、ジョーは不慮の交通事故で亡くなってしまった。ペーはジョーの遺品の中に彼が書いたエッセイを見つけ感動した。そんなある日、短編映画のコンテストに入賞すれば学科試験なしで大学に入学できると知ったペーは、自分はジョーの親友だと偽り、ジョーのエッセイを利用して彼を偲ぶ短編映画を制作することにした。ジョーの本当の親友であるボーケーや映画オタクたちも加わり、学校全体を巻き込んで映画撮影が進んでいくが、やがてペーはジョーのエッセイの秘密を知る事になり・・・さてどうなる、という話。
ペーは最初は嘘つきで感じ悪く、そんな奴が映画を撮るのかとほとんど期待せず観てたが、終盤、自己保身に走らず、ボーケーの気持ちも考え、ジョーを悪者にせず、自分が馬鹿にされる選択をしたのは良かった。
ペーを演じたアンソニー・ブイサレートはなかなか良かった。
ボーケーはジョーが好きだったと思うけど、ジョーは他の子が好きで悲しかったのだろうなぁ。そこは切なかった。
ボーケー役のティティヤー・ジラポーンシンは芯が有りカッコよかった。
Not Friendsの原題に、親友かよ、の邦題はどうなんだろう?
かよ、という友達の話かと勘違いした。
それはさておき、現代のタイの高校生活を観れて面白かった。
ONE PIECEや一蘭のラーメンとかタイでも有名で人気なんだと知れた。
「タイの名作」
『人はいつ死ぬと思う? 人に忘れられた時さ』
出来の良い韓国映画のテイスト
宣材のルックとストーリー情報だけだと多分スルーしてたが、某映画研究者が絶賛していたので急遽鑑賞。いやー、観てよかった。見事な作り上がりの作品でした。
前半のいくつかのエピソードが、後半で全く異なって見えてくる構成。中盤のどんでん返しで、どう風呂敷を畳んでいくかと思っていたら、いくつもの細かい伏線を回収しながら収束していく気持ちの良さ。ここで終わりかと思えば、追い討ちをかけるような話の展開、などなど良く出来た韓国映画のようです。
最後も伏線回収しつつきれいに終わるハッピーエンドで好みの締めかた。
主演の東出昌大似の主役、撮影監督の女の子などキャストも瑞々しくよかった。
映画で泣く趣味はないが、周囲では涙しているおじさんもいました。
公開週の土曜日夕方、1回上映の回としてはいささか寂しいお客さんの入り(@HUMAX池袋)でしたがこれは観ないともったいない。
GIRL&BOY
映画作り映画、大好物です。
観にいく理由はそれだけで十分でした。
特典は本国ポスター風ポストカードでした。
一風変わった映画作り映画に仕上がっており、転校生として学校に来たペーが隣の席のジョーについての映画を作るといった感じでわりとベタなフォーマットかと思いきや、ジョーが事故によって亡くなっているという状態からのスタートなのでどういう物語を紡いでいくのかというところに惹かれていきました。
大学進学のために映画を作る行動を取り始めたペーが、そこまで仲良くはなかったジョーの創作を知って、それをパクって映画にしよう!と意気込むんですが、それをジョーの友達のボーケーに嘘がバレてさぁ大変といった感じで進んでいくんですが、その中でジョーの事をどんどん知って行き、どんどん友達になりたくなっていくという不思議な構造も良かったです。
映画作りの様子はまさに映画好きな人達が作ったような詰め合わせ感がありました。
スパイものをやりたい!となったら「ミッション・イン・ポッシブル」と「TENET」組み合わせようぜ!という大胆な発想を映像にしていてワクワクしましたし、撮り方一つで世界観をガンガン広げていく創作の面白さがハイテンポで描かれるので楽しかったです。
映画に限らず様々なエンタメからアイデアを持ってきていたのも特徴的で、我らが日本の「ドラえもん」をモチーフにした映像も飛び出てくんですがこれまた個性爆発しており最高に笑えました。
楽曲も作品名や監督たちの名前を綴った独特な曲が流れてきてテンション上がりました。
ごちゃ混ぜのはずなのにめっちゃ綺麗にまとまっていて良かったです。
映画作りがひと段落した後はジョーとボーケーの関係性が描かれ、互いの秘密を打ち明けて親友になったのに、ついつい2人だけの秘密をバラしてしまって距離ができてしまい、そんな後悔を引きずったままここまで来たボーケーの心情が語られるシーンはかなりグッときました。
だからこそペーをたくさん責めたんだと思いますし、そんな中でもペーの映画作りを手伝ったんだなと思うともう良い子すぎてはわわ〜ってなりました。
若干終盤の展開はこってりしすぎており、ジョーの回想や病気を患った子の回想も交えつつかなり複雑に物事を進めていくので、供給過多だなぁとなってしまったのは事実です。
泣かせにかかってきているようにも思えて、前半のポップさと悪い意味でギャップになってしまっておりもったいなかったです。
病気の子のパートも展開をガラッと変えるためには必要だったと思いますがテンポがグシャっとなってしまったのはいただけなかったです。
ただ最後の送る会への持って行き方はペーの決断含め良い方向に向かっていたなと思いました。
綺麗事にしない終わり方、そこまでで得た信頼は確かなものがあり、パワポ野郎と言われても認めてくれる友達は確かにできているというのもグッと来ました。
その先の未来も暗くならず前に進んでいる感じがあり、爽やかな風が吹いているような終わり方でスッキリしました。
青春時代にしかできない事ってたくさんあるなと改めて思いました。
秘密を打ち明けることが親友、また新しい感情を知れてなんだか嬉しくなりました。
映画作り映画は最高だ。
鑑賞日 6/13
鑑賞時間 12:30〜14:45
全30件中、1~20件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。