「素晴らしい映画なのにかける映画館を間違えてるのでは」佐藤さんと佐藤さん ONIさんの映画レビュー(感想・評価)
素晴らしい映画なのにかける映画館を間違えてるのでは
これは話題になってるのかなってないのかわからないけど映画はとても良かった。天野監督は前作「ミセスノイズィ」からまた大きく飛躍したのではないか。でもあまり噂を聞かないし、明日からの上映回数を見る限り勿体なさすぎ。TOHOシネマズなんてポップコーンに映画がくっついてくるような映画ファンがいない映画でやってはいけない映画(でもいちばん行く映画館なんだけど)とあるカップルのクロニクル。
冒頭の自転車の倒れるタイミング、過去へ飛ぶテンポが早くていい。そして無敵の岸井ゆきのが魅せる。画面が持つなぁ。そして宮沢氷魚もいいが、ベンガルをそこに配置するか、という意表のつかれ方のと、三浦 獠太、佐々木希、中島歩、などちょい役でのキャスティングが非常に決まっている。短い出番で人生が滲み出ているし、わかるわ〜という感じがある。割と前半でどんな展開になるのか予想できてしまうが、時代を追っていきながらの普遍性が効いている。間の悪いレトロ喫茶店の婆さんとかボヤ騒動を起こす隣りの婆さんとか、迷惑な両親だとか(基本的に心はない)、詰めた弁当の回収とか電動自転車もまんまクロニクルだったり。特に何も起こらないじーっとした岸井ゆきのの間が画面に残っていて、それらの間の中で何かが生まれたり、崩れたりしている人生を見たような感じがする。
ひょっとしてこのカップルクロニクル映画、「ワンデイ」や「花束みたいな恋をした」や「ちょっと思い出しただけ」のようなものをイメージして作られたのだとすると筋が違う。華やかな恋愛、ウキウキする恋愛が半々でもないから。だからTOHOシネマズでやってもね、と思う。カップルに辛いものをカップルしか来ない映画館でやってもしょうがない。もったいない。こんなことを言ってもしょうがないが、なぜ新宿武蔵野とかテアトル系でやらなかったのか不思議。というのをポスターを見ながら思った。ちょうどTOHOシネマズで『平場の月』のポスターも見たが、これも中身と違って観客をバカにしたようなダメなポスターだと思った。
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