劇場公開日 2025年6月27日

「映画で観たいものが全部詰まってる!」映画「F1(R) エフワン」 リコピン大王さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 映画で観たいものが全部詰まってる!

2025年7月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

ドキドキ

もうとにかくレースのシーンにたっぷり時間を使って
じっくり見せてくれるところが最高!
音の迫力も映画館ならではで大満足。
それだけでこの映画でやるべき事はクリアしてるって感じ。

ただそれ以外の人間ドラマの部分も良かった。
コピーが「昨日までの自分を超えろ」だし、ブラピと若者が出てるから、2人のライバル関係からの温故知新みたいなテーマかと勝手に予測してた。
でも実際見てみると、話の重点はどちらかというとチーム全体の結束の話。

自分本位だったりコミュニケーションが取れずバラバラの状態だったチームが、
対立していたドライバーとマシン開発が意見を聞き合う、一緒にランニングしたりして一体感を高める事でメカニックの女性の心理的負担が和らぐ、ドライバー2人も関係性を築く、など
お互いが良い影響を与え合える良い環境を作る事で
個人の成長というより、元々持っていた能力が正しく発揮されるようになっていったように見えた。

個人の修行や鍛錬の描写もあったけど、
能力を発揮するにはチームの結束や環境が大事、という所がより強調されている印象なのが、
現代的だし普段自分が仕事をしていても感じる事でとても好感が持てた。

好きだった所といえば、主人公ソニーの走る理由が熱い所。
色々あったけど最終的に走りを楽しむ事にした、という決意のは前向きでカッコいい大人。

勝つ事に未練が無いわけではないと思うけど
F-1の依頼を受けたのも友人ルーベンのため。
勝負に本気になっていくのも、チームのため。
絵に描いたような主人公だし、これはブラピに演じてもらわなきゃという感じ。

一度は勝負の晴れ舞台からは引く事になってしまったけど
いざF1の舞台に立つと勝負に向かいつつ周りを鼓舞して、冷静に判断できるマインドは、ソニーが30年経験した事が無かったら作られなかったと思う。
だから辛い経験は無駄じゃないし、勝負するのに年齢なんか関係ないんだな、と思って元気をもらえる。

走りを楽しんでる割にはダーティすぎな気もしたし、やるなら本人がもっと悪だくみしてる楽しそう描写が少ない感じが気になったけど
そこは感情控えめな大人の落ち着きなのかな?と、ブラピの主人公感の説得力によって納得。

とにかく大迫力の映像と、困難を乗り越えての成功、
それさえあれば最高!

リコピン大王