「主演の覚悟、体当たり演技、渇愛が伝わる。 周囲の人々の攻撃と閉鎖された施設内の恐怖。 作風とのバランス、居心地が悪いが、心に突き刺さる。」渇愛 ITOYAさんの映画レビュー(感想・評価)
主演の覚悟、体当たり演技、渇愛が伝わる。 周囲の人々の攻撃と閉鎖された施設内の恐怖。 作風とのバランス、居心地が悪いが、心に突き刺さる。
本作に覚悟の上で挑んだ主演の石川野乃花の記事を読んで鑑賞することに。
真摯なドキュメント風の作品を想定していたが、中盤に映ると急にホラーテイストになる。
(先生の強烈な演技・圧によるところが大きいと思う。)
閉鎖コミニティでの監禁・支配・洗脳の構図、オーナーと教師の演技が実に不快だが、実話がベースという。
拒食症・過食症に至る経緯を痛々しく、儚く、美しいシーンもあるが、そことの落差が凄まじい。
一番印象に残ったのは、川にたくさんの折り紙が流れてくるシーン。
主人公が折り紙をたくさん拾い集めて「お姉ちゃんが喜ぶかな」と言う。
今思い出しても泣けてくる。
テーマは摂食障害に限らず、主人公の「渇愛」、親子愛、家族愛にも及ぶ。
石川野乃花の覚悟と、製作陣の思いは強く伝わる。
しかし、ホラー的な振り切り方、描き方には疑問が残る。
観る人を狭めてしまう気がする。
ジャンル映画的な部分は抑えた方が良かったのではないか。
そうすればもっと観る人も増やせるのではないか。
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