RRR ビハインド&ビヨンドのレビュー・感想・評価
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最新の映画作りと昔気質の絶対君主的監督術が融合
本編『RRR』を監督したラージャマウリが、メイキングドキュメンタリーまで監督してしまうという、結構珍しいパターンだと思う。なので客観的に俯瞰で見るというよりも、スタッフ、キャストのコメントも交えつつ、大掛かりな見せ場となったシーンの舞台裏を次々と見せていく解説編で、一昔前ならDVD-BOXの特典ディスクになっていた感ある。
ある意味でクライマックスの連続みたいな本編の中の、特に目立つシーンを数珠つなぎにしたような構成になので、撮影現場の大変さに驚かされるだけでなく、本編のいい感じのダイジェストになっていて『RRR』を再見したような気持ちになれるのもお得。
しかしラージャマウリがいかに自分にも周りにも高いハードルを課して、コダワリを追求しているのがわかり、ある意味で昔ながらの絶対君主的な映画監督として、もう日本やハリウッドではありえないようなタイプなのではないか。事前にシュミレーションを繰り返して必要な絵を決めたうえで撮影に臨むスタイルは昨今のハリウッド大作に近いが、やはり人間の熱量みたいなものは映画に宿るのだなと思ったりした。
【”マハーバーラタ&ラーマーヤナ。”インド映画史上最大の金字塔はこうして作られた。】
■私は、インド出張時に、現地でマサラムービーを観ていた頃で、日本では、アメリカで映画を学んだ監督の「マダム・イン・ニューヨーク」「めぐり逢わせのお弁当」「あなたの名前を呼べたなら」などを見て来たが、マサラムービーを日本でも観るきっかけになったのが、S・S・ラージャマウリ監督の2015年公開の「バーフバリ 伝説誕生」そして2017年正月公開の「バーフバリ 王の凱旋」そして、前段の「マガディーラ 勇者転生」であった。余りの面白さにおバカな事に、テルグ語、タミル語版を2度見て、家人に呆れられた記憶がある。
一部では、大変に盛り上がったが、矢張り本格的に世界にインド映画を知らしめたのは「RRR」である事が、今作を観ると良く分かるのである。
動物のVFX製作シーンや、炎と水のシーンの撮影方法や、アメリカ、日本で熱狂的になった観客席の映像はムネアツであった。
<以下、「RRR」のレビューです。>
ー 「バーフバリ」シリーズのS.S.ラージャマウリ監督の最新作という事で、大いに期待して劇場へ。そして、大変満足して映画館を後にした作品である。-
■無慈悲な英国領インド帝国総督、スコットに妹マッリを連れ去られたビームは、妹を取り戻すために村を出て、デリーへ向かう。そこで出会ったラーマ。彼はビームには隠していたが、英国警察に所属しながら、”大義”を秘めていた・・。
◆感想
・今作は、正統的、且つ伝統的インド映画(マサラムービーね!)あるあるに満ちた作品である。
<正統的、伝統的なインド映画あるある。
(大分”バーフバリ”のイメージが入っています。)>
1.主人公の男性(今作では、ビームとラーマ)は、不屈の精神と、尋常ならざる体力を持ち、常に”正”である。序でに言えば、アクロバティックな動きも軽ーくこなす。
2.主人公の男性の声は、テノール、もしくはバスレベルの低音だが、良く通る。
序でに言えば、効果音は大体爆音に近いレベルである。
3.主人公に関わる女性(大体、恋人。)は、エキゾチックな超絶美人である。
4.戦闘シーンでは、VFXを”これでもか!”と使用する。
ノーラン監督の様にVFXを使わない姿勢は、潔いまでにない。(キッパリ!)
但し、これは推測だが、エキストラは本物である可能性が高い。(インドの方は、エキストラでも良いから、映画に出たいらしいと、インド・バンガロールで聞いたことあり。)
5.同じく戦闘シーンでは、スローモーションを効果的に使用する。今作で言えば、飛んでくる弾丸、矢のシーンである。
6.勧善懲悪を徹頭徹尾貫く姿勢に、一切迷いはない。
- スコットのサディスティック妻とスコットの最期。インドの民の喝采が聞こえて来るようである。-
7.一糸乱れぬ多数の俳優の踊りと歌のシーンは、欠かせない。
- スーパースター、ラジニカーントの「ロボット」では、イキナリストーリーとは、全然関係ない場所で主人公たちが踊り始めて、驚いたモノである。-
8.上映時間は、3時間越えは当たり前である。けれども、体感は2時間もない。(個人的な意見です。)
更に言えば、インターミッションという言葉が中盤で流れるが、(今作では、珍しく”インターバル”と出た。)日本では、中座は出来ない。だが、相当にシーンをカットしている。
故に、インターミッション後に辻褄が合わない事が、頻繁にあるが気にしてはイケナイ。身を任せるのがベストである。いつの間にか、辻褄が合っているから、大丈夫なのである。
<いやあ、今作品、面白かったなあ。
インド国民の万雷の拍手喝采が聞こえて来るような作品である。
今作のようなインド映画を観ると、”映画って娯楽だよなあ・・。”と再認識してしまうのである。>
<2022年10月22日 劇場にて鑑賞>
<2022年11月6日 余りの人気の為、上映を開始した劇場にて再鑑賞。
評点を4.5に変更しました。悪しからず。>
「RRR」を映画館で見て本当によかったと再認識させてくれる一作
「RRR」は映画館で見た回数が一番多い映画で、ある意味で完全に満足しきっていたのですが、本作を見て「RRR」の魅力を再認識して改めてスクリーンで見たくなりました。
というか、映画のメイキングを見て泣いたのは初めてです。
アカデミー賞のくだりなどは、映画本編より号泣してたかも。
ありがとうラージャマウリ監督。
ありがとう「RRR」に関わった全てのスタッフ。
そしてこんな映画を日本に届けてくれたツインの方々にも本当に感謝します。
とりあえず「RRR」を上映している映画館を探します。
『RRR』の舞台裏と世界の熱狂を追う
「RRR」が好きな人なら必見のドキュメンタリー映画。 本年度ベスト!
ドキュメンタリーなので点数は付けないけど見所満載な作品だった!
集客率100%も納得。
ドキュメンタリー映画にメイキングシーンも加わり満足度は高め!
本編は2022年の10月に劇場で鑑賞したけど昨日観た事の様に思い出す(笑)
思ったら以上にVFXなどを多用した作品だったって感じ。
本編で観た迫力あるシーンがかなりショボい(笑)
VFXがどれほど凄い技術なのかが良く解る感じだった。
橋の上からビームとラーマが飛び降りるシーンのメイキングがショボい(笑)
トラックから猛獣が飛び出すシーンもショボい(笑)
釘の付いたムチで打たれるシーンも全然痛そうじゃない(笑)
ショボいシーンが満載なんだけど、
本編とメイキング映像の全く違った感じが印象に残る。
そして映画作りの楽しさが伝わってくる感じだった。
本編で迫力あるシーンも、撮影時はコミカルな手法で撮影していたシーンも多め!
その方法が面白い!
圧巻だったのはナートゥダンスのメイキング映像。
2人の踊りがシンクロするまで何度も撮り直したらしいけど完成したシーンはやっぱり凄かった!
インドやアメリカで上映した時の観客が熱すぎる!
スクリーンの前に出てきて観客がナートゥダンスを始めるシーン。
日本では考えられない(笑)
いまだに日本で上映している事にも驚いた。
終盤のアカデミー賞、歌曲賞の授賞式のシーン。
カーペンターズのTop of the Worldの替え歌で感動の涙が出るとは思いませんでした( ´∀`)
そりゃ面白くなるわけだ!
こだわり抜いて、妥協せず、やれることはすべてやり尽くし答えを出す。ここまでやって面白くないわけがない!
インド映画といえばアホみたいに湧き出るエキストラ(失礼)。意外なことに奥の方の人間はCGを使っている場合もあるんですね。それでも参加しているエキストラは数百人!スタントマンも一つのシーンで何十人も出演していると。そのエキストラ達、スタントマン達にも当然衣装、小道具などがあり、撮影前の準備、打ち合わせ、撮った後のチェック等…考えただけでも気が遠くなるような作業の数々。あれだけの数の人間を統率する監督のエネルギーは凄まじいものがあります。
アクションシーンに対する監督の熱が伝わってきます。「何か意味のあるシーンは全てアクションに置き換えている。例えばビームとラーマが出会うシーンは、別にカフェとかで偶然出会ってもいいかもしれない。でも、観客に印象付けるためにはやはりアクションだ!」みたいなこと言っていました。なるほど!物語に引き込まれるわけだ!ラーマとビームの格闘シーンでは実際に殴ってしまうほどの力の入りよう。メイクじゃなく、実際に流れた血もあったとか…😇ヒー
アカデミー賞受賞の瞬間は観てるこっちも嬉しくなっちゃいました。カーペンター氏とのエピソードには涙🥲エエ話や…。日本での反響を取り上げてくれたのも凄く嬉しかった!日本市場を特別に思ってくれてる証拠ですね。監督!まだ上映してますよー!🥳
繰り返される「監督には明確なイメージがある」という言葉。そのイメージを実現させる為に試行錯誤を繰り返し、リテイクに次ぐリテイク!「RRRとは撮り直しのことだ。Retake!Retake!Retake!」みたいなこと言ってましたね(笑)いや、本当、凄まじい熱量で撮影された作品であったことが伝わったし、その熱を共有出来たような気分にさせてくれたのが何より嬉しかったです。😭アリガトウ…
でも!エンディングのメイキングはもっと見たかった!私、ナートゥよりエンディングの方が好きなんよ(笑)
RRR好きなら必見‼️
Top of the worldで泣ける
メイキングなのに泣いちゃったよ
2025年劇場鑑賞116本目。
エンドロール後映像有り。
パンフレットないのでマイナス0.5。
もちろん当時鑑賞して満点つけたRRRのメイキングです。ナートゥの動画は毎日何回も見てたので50回は見てるんじゃないでしょうか。
失礼ながら思ったよりインド映画の印象と違って緻密に作られてるんだな、という感想と、数百人のエキストラを何日も拘束するスケールのでかさ、しかもそういうシーンがいくつもあるという凄さにびっくりでしたが、上映後の反響で日本が出てきたのも嬉しかったですし、アカデミーの後の出来事では自分も泣いてしまったのでそりゃ本人はさぞ泣くだろうな、と思いました。
それでいて本編の内容はほぼ分からないよう作られているのでこっちから観て本編観るのもありかもしれませんね。
ただドキュメンタリーとしてはそこまで工夫されている感じはしませんでした。
70点ぐらい。メイキング
本当は観る気なかったんだけど、高評価ぽかったんで『RRR』のリバイバル上映を観る前に観ました。
監督や他のスタッフ、主演の2人などが、作品について語っています。
興味深かったのは、監督が語ったインド国外の反応について、特にアメリカの反応に驚いたようで、
歓声をあげたり、ダンスを踊るアメリカ人たち、が収められています。
日本での人気にも言及されていて、作品が愛されていくことやロングランについて嬉しそうに語ってます。
ずーっと、やってましたよね(笑)ずーっと(笑)異常なぐらい(笑)すごいロングランだった(笑)
授賞式でスピルバーグやジェームズ・キャメロンと会えたことも喜んでいて、キャメロンと嬉しそうに話す監督の姿も収められています。
他にも、瞳に映る群衆や涙と血が混じることなど細かな演出の部分についてだったり、
ナートゥダンスをシンクロさせることが大変だったとか、橋でロープを使う例のシーンのこととか、裏話タップリです。
『RRR』未鑑賞の方はネタバレに抵触するので、ぜひ『RRR』本編を観てから観て下さい。
メイキング以上の映像がうれしい。
話の順に名場面のメイキングが紹介される。分かりやすくてとても良いが、名場面満載が故、一場面が早口で短い、もっと見たい。
ただ近年配信にシフトしているのでディスク版が売れない。ディスク版の売りの一つがメイキングなどの特典映像。本作は今回劇場公開されているが、本来特典映像の類い。(RRRは3時間あるので1枚に本編しか入らないが)
映画本編で無いし、一般にあるドキュメンタリー映画とも違うので同条件で評価はできない、だから4点を満点として評価します。
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と書いておいて「5.0」になっているのは?
映画メイキングの後に、インド本国のみならずアメリカ日本での熱狂ぶり。そしてアカデミー賞受賞(歌曲賞)での巨匠との交流、さらに’Top of the world’の替え歌とリチャードのアンサー。
インド映画は日本でもアメリカでもまだまだマイナーな存在。その中でリチャードが応えてくれたこと、それだけでも満点を飛び越える快挙なんです。私には。カーペンターズは私の洋楽の、いや音楽を聴くようになった原点なのだから。
やきもち
トップ・オブ・ザ・ワールド
RRRを再度鑑賞。
興奮さめぬまにメイキングの今作を。
RRR面白いはずだわ。
監督を信頼して任せるプロデューサー、ついていくスタッフとキャスト。
もちろん、信頼されるべきビジョンと才能が監督になければならない。ラージャマウリ監督はそれに加えて、妥協しない強い意志と皆んなに慕われる人柄があるんだろう。
ベクトルが同じ方向に向いているのが、このドキュメンタリーからよくわかる。
アカデミー賞の歌曲賞を取ったあたりは泣けてきたし、アメリカと日本での公開・観客の反応には、この映画のスタッフになったみたいに嬉しかった。
このドキュメンタリーを観たら、もう一度RRRを観たくなった。RRRを観たらもう一度このドキュメンタリーを観たくなるだろうな。
貸し切りの鑑賞もったいなかったな。こんなに面白いのに。
やっぱりRRRはサイコーだ!
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