劇場公開日 2025年9月5日

「How dare you って何?」ふつうの子ども アベちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 How dare you って何?

2025年10月29日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ここ十数年、世界各地での異常気象に伴う災害、生態系の変化による弊害は収まる気配はない。明らかに環境問題が元凶であるが、トランプ大統領などはそんな問題などない。と開き直っている。我々のような年寄りが生きてる間は壊滅的なことは起きないだろうが、今の子供たちが社会の中心にいる頃は今とは大きく違う生活環境になっているだろうし、考えられない程大きな災害も起きるのだろうと思う。何かとても申し訳ない、。
心愛(ここあ)の環境問題を解決する気がない大人に対する怒りはとても正しい。そんな彼女に憧れる唯士(ゆいし)の純なところもわかる。大騒ぎすることが好きな陽斗(はると)のような危なっかしい子どももいるだろう。そのほか出演した4年生の生徒(特にいきものかがりの子どもたち)を含め、皆が「ふつうの子どもたち」である。そして、先生を演じた風間俊介も唯士の母親の蒼井優も、かなりキツめの心愛の母親の瀧内公美も「ふつうの大人たち」でしかない、。
心愛のその大人に対する怒りの作文に対しふつうの大人の「ふつうの先生」の風間俊介は「先生まで怒られちゃいそう」と茶化し「SDGsの授業でね」と逃げた。先生には自分の意見などはないことを悟った3人は(色んなやり取りの後)、自分たちの行動で社会を変えようとする。イタズラ半分なところもあったが真面目に考えてやったのだと思う。げっぷがメタンガスの原因となる牛たちが行き場を失い学校や街中に出現し大騒ぎになり、3人は学校で呼び出され父兄も呼ばれてしまう、。3人の子どもの母親の、子どもの守り方や突き放し方がとてもリアルであったが、それに全く屈しない心愛は母親を無視し持論を喋り続けた。凄い子ども(もはや、ふつうの子どもではない)に脱皮したように私には見えた。心愛の「はうであゆー」に首をかしげる唯士の方が将来大物になるかもしれないけどね、。
映画はとにかく子どもたちの自然な演技が素晴らしく良質なドキュメンタリーを観ている気にさせてくれる。今、子どもを育てている監督やスタッフの皆さんが等身大の今の子どもたちに愛情を込めて作ったのだからだろう。良い映画をありがとうございます。

アベちゃん
かばこさんのコメント
2025年10月29日

共感をありがとうございます。
出てくる子供たちが、大人が頭の中で描きがちな作為的な子供像ではなく、子供目線の実際あるあるな子供像なのが良かったです。好きな女の子に好かれたかった、から始まって、自分の頭で考えて行動する唯士は、人としての土台をしっかり持っている子で、成長が楽しみです。
地球温暖化、気候変動は、実際喫緊の問題で関心のない大人の方がヤバいので、「心愛(ここあ)の環境問題を解決する気がない大人に対する怒りはとても正しい。」こういう偏見のない目を持つ大人が増えたらいいと思いました。

かばこ