「呉美保監督作品は、リアルで、それでいながらドキュメンタリー的な第三者的な映像ではなく、もう一歩登場人物に踏み込んだ当事者的な目線で描くのが魅力的。」ふつうの子ども mac-inさんの映画レビュー(感想・評価)
呉美保監督作品は、リアルで、それでいながらドキュメンタリー的な第三者的な映像ではなく、もう一歩登場人物に踏み込んだ当事者的な目線で描くのが魅力的。
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これは、令和版「小さな恋のメロディ」だね。
主演の嶋田鉄太くんは、ドラマ「それでも俺は、妻としたい」や「こんばんは、朝山家です。」でリアルな演技をしていた子役。上記の演技は、演技とは思えない素の感じである意味すごかった。
で、今回、とても素直に彼の良さが出ていた。
呉美保監督は、いつものようにとてもリアルな世界を構築する。
彼女の監督作品はどれも、リアルで、それでいながらドキュメンタリー的な第三者的な映像ではなく、もう一歩登場人物に踏み込んだ当事者的な目線で描くのが魅力的。
今回も同様に、子どもたちの世界をリアルに楽しく描く。
「禁じられた遊び」のように、大人からは非難される行動をするのだが、その動機が当事者三人とも三様でそれがまた面白い。彼女、彼らの真剣さがちょっと強烈だし、大人から非難されてしまう。
なぜそのようなことをしたか。当事者の保護者を集めて、学校で話し合われるが、首謀者の女の子は、純粋に地球温暖化のための活動なのが、主人公の鉄太くんは、好きになってしまった彼女のために行ったと。それがとてもいい。
もうそれだけで、この映画の結末は気持ちよく終われた。
保護者役で滝内公美が出てくるが、彼女が出てくるだけで、画面をさらってしまう。
毎度のことながら、強烈でうまく使わないと浮いてしまう存在。今回はギリギリ良かった。
(高学歴の保護者で、先生を批判するのは、最近のPTAではアルアルだし。)
とても楽しい映画だった。呉美保監督は、また瑞々しい傑作をものにした。
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