劇場公開日 2025年9月5日

「純粋なこころの可愛らしさと鋭利さ」ふつうの子ども HKさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 純粋なこころの可愛らしさと鋭利さ

2025年9月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

前半はこどもたちの振る舞いがひたすら面白い。
自由奔放でありつつ、
恋心をもつ異性に対して女の子のおませな感じ、
男の子の率直な不器用な感じも微笑ましく楽しい。

後半は一転して彼らの純粋さが凶器と化し、
大人の矛盾、いい加減さを容赦なく突き刺してくる。

妥協は共同体をうまく生きる知恵だったりもするのだが、
こども達には通じず、刃は研ぎ澄まされていく。

最後は親たちが慌てふためき、
ギクシャクする様がすごく面白いが、皮肉的にも感じる。
結局はこどもたちを力で押し込めようとするも、
消えていない心の内面の炎を暗示するような、
ハッとさせる余韻のあるラストがすばらしい。

こども目線の手持ちカメラの構図や、
主張しすぎない軽快なリズム主体の音楽も良い感じ。

HK