「「ペット」の呼称は「ペスト」の対比」ヒックとドラゴン ぽんたさんの映画レビュー(感想・評価)
「ペット」の呼称は「ペスト」の対比
素晴らしい映像美に酔いしれることができたことと、わかりやすく安心して楽しめる内容で
これぞみんなで気軽に映画館に行って見て愛される作品だと思いました。
トゥースがかわいくて席でずっと悶絶してしまった!
そしてこちらで物議になっている「ペット」の件ですが以下はあくまでわたしの意見ですが。。
冒頭にある主人公の英語でのセリフに"pests"="害獣"とあるので、それにひっかけているだけだと思います。
序盤と最後で似たようなセリフを繰り返し言うことで、事の起こりの前と後を見事に対比させています。
たとえば脚本内のセリフで害獣をharmful animals, harmful beasts
そしてペットをfriends,families,buddies
などとした時の効果はどうかなーといえば
わたしはそれでは台詞としての魔法は現れないかと思います。
ご存知のようにこのお話は児童書ですので...大人も充分楽しめる素晴らしい作品ではありますが...子供が自分で読んだり大人が読み聞かせることを念頭において作者も書かれています。
日本の絵本や詩などを含む児童書も韻をリズミカルに踏んだり、似たような対義語をあえて選んで、楽しく読みやすいと感じさせたり、またそんな言葉選びから心に残るような感動を得ることがあります。
それと同じようなことなんだと思ってます。
ですのでわたしは違和感はなかったです。
そもそもまだ未熟な男の子は"ペット"という言葉を使う時に大人の概念や動物保護の観点から配慮をするでしょうか。
子供の心にすっと入っていくための工夫を作者はしているだけだと思います。
自分もこれまでたくさん動物を飼ってきましたし、とても愛おしい気持ちで現在も一緒に過ごしていますので
皆さんがこの言葉に引っかかる気持ちがとてもよく分かるのですが。。
ひとつ言えるのは、字幕の翻訳をするときに
害獣(= pests),ペット(= pets)と字幕にちょこっと付け加えるだけで、大人の皆さんは「あぁ、比喩表現なんだな」と腑に落ちやすかっただろうなと思います。
まあ序盤の台詞を終わりまで覚えていられるかどうかにもよりますが。
もしかしたら翻訳者さんもそうしたかったのかもしれないですが、
映像を見ながら目で追うには字幕にも限界があると思うので単に省いたのか、
わたしは原作もアニメも未見ですが単にオリジナルの翻訳に揃えた?だけなのか、またはあえて我々の分析に委ねる姿勢だったのかなと思いました!
^ ^
