「丁寧に大切に織りなされた、実写版のリアルな躍動」ヒックとドラゴン 牛津厚信さんの映画レビュー(感想・評価)
丁寧に大切に織りなされた、実写版のリアルな躍動
2010年のアニメ版をほぼそのままのストーリー、そのままの撮り方で実写化した作品なだけに、観る人によっては「驚きに欠ける」と思われる方もいるかもしれない。だが、映画やTVシリーズを愛してやまない人にとっては、お馴染みの人物やドラゴンが元々の印象を一切損なうことなく具現化されたことがまるで魔法の所業のように思えるはず。それに何よりも際立つのは、人生の成長期の大きな支えともなるようなこの珠玉のストーリーだ。人は誰もが未知なる才能と苦手なものを併せ持つ。それらはたった一人ではどうすることもできないが、もし一人が二人になったとしたら、お互いの長所を爆発的に伸ばし、弱点をカバーしあうことだって可能だ。その人生の瞬間を祝福するように、ヒックとドラゴンが共に空高く舞い上がる場面のなんと爽快なことか。大冒険に込められた寓意とメッセージが胸を打つ。丁寧に織りなされた実写版のリアルな躍動を、存分に楽しみたい。
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