「児童文学系ファンタジー映画の王道」ヒックとドラゴン yuki*さんの映画レビュー(感想・評価)
児童文学系ファンタジー映画の王道
吹替版にて鑑賞。子どもたちが「観たい!」と言ったので、まだ字が十分に読めない子どもたちには、吹替でないと無理。アニメ版は親子とも未鑑賞。
なんだか最初にロードオブザリングとか、ハリー・ポッター1を観た時の気持ちを思い出した。広々とした、現実にあるのに現実離れした風景の中、雰囲気たっぷりのセットと衣装、役者たちの演技に裏打ちされて、空想生物であるはずのドラゴンがくっきりと存在して宙を舞う。
CGの躍動感がチャラチャラしてなくて、ドラゴンがこれでもかこれでもかと出てくるので、モンスター好き、竜好きにはワクワクする作品だと思う。
今は、ゲームなどのCGクオリティが上がり、うかうかしているとゲーム画面みたいに見えたり、ゲーム画面以下に見えたりすることもあると思う。でも結局、CGを「存在」させるのはCG自体の質というより、汗の匂いまでしてきそうな「それ以外の部分」であり、感情移入させる物語の仕掛けなのではないか。
ストーリーは王道で特にひねりはない。いわば「はじめて物語」と、冒険譚が一緒になったものだ。どんな物事にも、この世に発明・発見されるに至った「はじめて」がある。その「はじめて」を、ひらめきと、根気と、観察力と、なにより歩み寄る勇気で、主人公は切り開いていく。見ていて応援したくなる。
脇役たちも、どちらかというとおなじみのキャラクターの組み合わせ。落ちこぼれだったり、優等生だったりする仲間たちが、自分の突出した得意分野を生かして、これまでの頭のカタい大人たちの「常識・歴史・怨恨」を吹っ飛ばしていくカタルシスと愛おしさ。
そう、必要は、いつも発明の母なのだ。そして、一見まったくダメに見える素質が「逆転勝利」して時代を変えるものとなるには、やはり「腐らない・諦めない・自分信じ抜く」勇気が必要なのだ。
そして、これまでの見方、これまでのこだわりや常識が、観察の結果間違っていると気づいたら、すぐに直すのも勇気。
恨むのは簡単だが許すのは難しい。
疑うのは簡単だが信じるのは難しい。
戦うのも勇気がいるが、戦わない選択にも大きな勇気がいる。
この「勇気の物語」を、気持ちのいいサウンドと絵面とストーリーと、ドラゴンたちの思い出と一緒に、子どもたちが受け取ってくれたようで、よかった。
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