「「未だかつて見たことのない初めての先に広がる絶景」」ヒックとドラゴン シャルコー_Charcotさんの映画レビュー(感想・評価)
「未だかつて見たことのない初めての先に広がる絶景」
今作を鑑賞した感想としては、もう大変素晴らしかった。ヒックとドラゴンという作品自体が、常に「冒険心」を駆り立ててくれる作品であるのと同時に、ある目標に対して主人公ヒックが色んな困難や障壁をユニークなアイデアや仲間の力を借りながら達成していく王道的な物語であり、今回の実写映画化は見事にそれが再現されていて文句の付け所がなかった。具体的にどの辺がよかったのか以下に項目ごとにまとめてみた。
・ストーリー・設定
まずは大枠部分から語っていくとストーリー自体は、アニメーションのと比べても大きな改変は無く、ちゃんとなぞられており、「ここはアニメーションと同じだ!」「ここは実写だとこんな表現になるのか」と答え合わせをするような感覚で楽しめた。もう少し具体的にストーリーに触れていくと、例えば「ニックが抱えていたバイキングとして認められたかった自分」と「ドラゴンと仲良くなってしまった自分」とのジレンマだったり、ニックとは対照的に描かれるドラゴン絶対許さないマンである父ストイックとのジェネレーションギャップのシーンとか、これらはアニメーションに比べると、実写の方がよりシリアス度が増してたのでキャストの方の演技も相まって深みが増しててよかった。あと、私の記憶違いでなければ、ちょっとした改編としてスノットというキャラクターにもニックと似た境遇が与えられていて、彼もまた父親に認められていなかったのが、最後の活躍で認められるという流れは個人的にニックに次いで評価したいキャラクターになって悪くない変更だった。
・キャストの演技
私は字幕版を見たのだが、出演されてるキャスト陣の演技力は尋常じゃなかった。まず、個々人がキャラクターの特徴をとらえた演技をしっかりとしていて、見た目もすごく似ていることも相まって、まるで生き写しのようだった。それと、やっぱりドラゴンと邂逅するシーンでの演技。特に作中で最も長い時間ドラゴンといるニック役のメイソン・テムズの演技は、本当に目の前にドラゴンがいるかの如く表情豊かにニックを演じられていたので、見ている私も彼の演技にはすごく引き込まれた。
・演出
やはり、一番の見どころはヒックとトゥースの飛行シーンであろう。アスティとの飛行も含めれば2回飛行シーンが登場するが、個人的な受け止めとしてはこの作品にとってすごく象徴的な場面として捉えていて、一言で言い表すのであれば「未だかつて見たことのない初めての先に広がる絶景」である。1回目のヒックとトゥースの飛行では、スタートは険しくも危なっかしく迫力満点の飛行で始まったが、次第にコツを掴み自由に飛行ができるようになった先には壮大で爽快な景色が広がり虜になり、アスティの時も、トゥースの機嫌が悪くなっていたこともあって同じようなスタートだったが、それを乗り越えた先に壮大で美しい景色が広がり同じように虜となる。どちらの飛行も「初めて」という視点が入っており、「初めてを乗り越えた先に広がる景色の美しさ」というテーマを彼らの飛行を通して教えてくれる貴重なシーンであると感じた。
・総括
最後に、ここまで再現度が高く、なおかつ実写映画としてさらに上位の作品として押し上げているのは中々ないと感じる。個人的には、大大大満足なので大人も子供も関係なく、みんなに見てもらいたい万人にお勧めができる作品だと思う。さらに、データを見たわけではなく感覚値で話してしまうが、これだけのクオリティであれば今作は間違いなく成功している作品だと感じるので、続編も期待ができると思うので、続編を待ちたい!
