火喰鳥を、喰うのレビュー・感想・評価
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執着心が強いものが勝つのか
原作未読です。
具体的な怪異が襲ってくる訳では無いが世界の見え方が変わって行く、じわりじわりと心のひだに恐怖を塗り込むような映画です。
主役の水上恒司は持ち前の骨太の演技力を柔らかく表現されて、不条理な出来事に巻き込まれて行く様は見ものでした。妻 夕里子役の山下美月は、とある秘密を抱えた新妻を繊細に表現されていて、自分はこの二人の演技を見に行ったようなものです。
しかし、実際に映画を見て嬉しい誤算というか儲かったような気分にさせてくれたのは宮舘涼太です。
胡散臭いというか超常現象に詳しいある意味ストーカー気質のある変人を演じられてドハマりの役どころでした。表情がとても良くビジュ第一のアイドルのはずがとてつもなくイヤらしく共感の欠片もないような表情をする場面があり、あれこの人ってアイドルだよなぁと驚いてしまいました。
ラストでは全ての仕掛け人であった宮舘涼太演ずる北斗総一郎の望む世界線となり、北斗と見えない世界を感じることができる夕里子と執念の末、結婚することになったが1ミリも幸せそうに見えない二人が印象的でした。
とにかく主役の二人を見に行ったら、宮舘涼太という俳優に心を持っていかれた映画でした。しかし、今回の宮舘涼太はストレートというよりドきつい変化球を見せられたようで、これからどんな役どころ演技を見せてくれるのか、楽しみと期待しかないです。
君の名は
途中まではドキドキしながら展開を楽しんでいたが
彼女が蒸し焼きになったり、ガラスで死んだり色々あって
支離滅裂になり、最後は妄想だったの?という感じで
なんだかな~~~。
いっそのことストーカーの彼の仕業にしてサスペンスで
終わればよかったのに・・・。
結局最後は君の名はかよ?
戦場の絶望にもう少し説得力を
タイトルにもなっているわけですし、ようはアレを食する他は生きる術がなかった極限の状況の代名詞としてのヒクイドリなわけで、もう少し丁寧に映像を作って欲しかったな‥鳥の姿がよく分からなくてもいいから、重みや、息遣いや、足音などに迫るものが欲しかった。戦地の三人の恐怖が、手帳を触ることでこちらにも伝染しそうな怖さがあるとよかったなと。
夫婦のキャスティングはとても合っていました。どんな絆があるのかはあまり説明されていなかったけれど、水上さんの広い肩と、美月さんの華奢な肩(半分くらいに見える!)の対比で、夫が妻を護りたいと思う雰囲気が表現されていたし、弱いながらも凜としている立ち姿の妻も良かった。
でもその、やはり他がちょっとコントに見える笑 胡散臭い感を出したいのは分かるけど、出しすぎじゃないですか? これだと怖くないですーわたしがバラエティ見てたのがいけないのかなぁ、そのままを持ってこられても‥ご本人のせいではありません。
プラスされていたラストは、何パターンか考えた結果だったりするのでしょうか。なくてもいいと思うけれど、色んなパターンの現実があるというのが物語の核になっているので、アリなのかな。
北斗総一郎が強烈
北斗総一郎というキャラクターが妙味で惹き込まれた。
登場のシーンはきどって独自理論を言葉巧みに繰り広げ相手を正面切ってばかにする漫画のようなやな奴キャラに見えるけど、
中盤で自分が強い想いを寄せる夕里子が自分の知っている、自分と同じ孤独を分かち合えてた(と思っていた)女性から変わってしまったと感じた時の今にも震えそうな怒りっぷり、何とか自信を律して事を進めるために懇願する様、
後半の目録が明るみになって自分を語る時、あくまでこれは運命で自分は正しいのだという盲目に見えるような目、
抱える孤独をさらけ出す時の震え、
胸がぎゅっとなった。
原作を読んでいたのでかなり変更されている、という印象で、個人的には寂しい部分はあったが、映画として観るにはこういうのもありなのかもとも思った。
運命の赤い糸を紡ぐのは、神様の仕業ですよね
2025.10.4 イオンシネマ久御山
2025年の日本映画(108分、G)
原作は原浩の同名小説
人の執着を利用した罠と対峙する科学者を描いたファンタジーオカルト系ミステリー映画
監督は本木克英
脚本は林民夫
物語の舞台は、信州・松本
長野学院大学にて教鞭を執っている久喜雄司(水上恒生)は、妻・夕里子(山下美月)とともに幸せな時間を過ごしていた
実家には母・伸子(麻生祐未)と祖父の保(吉澤健)がいて、東京から来た夕里子も田舎暮らしに馴染んでいた
ある日のこと、一族の墓にいたずらされるという事件が起きる
それは、保の兄・貞市(小野塚勇人)の部分だけが削り取られていて、しかも彼の従軍手帖が発見された時期と重なっていた
パプアニューギニアにてその手帖を受け取ったカメラマンの玄田(カトウシンスケ)は、記者の与沢(森田望智)とともに彼らの元を訪れることになった
さらに夕里子の弟・亮(豊田裕大)も加わって、従軍手帖を確認することになったのである
映画は、手帖の出現によって、貞市が生きているのでは?という疑念が生まれることになり、そのトリガーとなったのがカメラマンの玄田の言葉だった
さらに何かに取り憑かれたように亮が「ヒクイドリヲタベタ ビミナリ」と書き込み、それが既成事実のようになっていた
そして、一連の「死亡の不確定」を演出したのが超常現象の専門家で、夕里子に執着を北斗総一郎(宮舘涼太)だった
不可思議な出来事が起これば、夕里子は自分を頼るだろうという目論見があって、その通りになって「再会」を演出する
そして、貞市の「生き残りたい」という人類最大の執着を利用することによって、「貞市の生きている世界にいてはいけない人」というものが次々と消えていく、という流れになっていた
さらに北斗は雄司に自分を殺させることによって、貞市の生きている世界線というものを確実なものにした
ラストでは、逆再生のようにこれまでの時間が巻き戻り、雄司と夕里子が出会っていない世界線へと変貌を遂げた
だが、2人を結びつける「何か」は2人を出会わせ、夕里子の何かがそれを感じ取っていく
この流れは「夕里子の執着を生み出す瞬間」でもあり、それは貞市の執着と異質のものでありながらも、最も強いものだったと言える
それは論理的に説明できるものではなく、いわゆる「人と人を結びつける運命決定論」のような「神様の計らい」というものなのだろう
それを考えると、どのような人の執着を持ってしても、運命というものは変えられず、貞市が生き残ろうが死のうが、雄司は夕里子と出会い、2人はどのような困難を超えてでも、結ばれるということなのかな、と感じた
いずれにせよ、結論はわかりやすいが、そこに至る過程と、ラストの夕里子の涙というものは解釈が分かれるもののように思える
一つの可能性は前述のものだが、もう一つの過程は「雄司が北斗に負けたこと」に対する涙のようにも見えてくる
だが、ロマンスであることを考えると、2人の出会いというものは運命的であり、何があっても結ばれるという方が合っているように思う
誰の執着が一番強いかということを考えれば、やはり「神様が一番」だと思うし、それは人の思念の及ばないところにあるのかな、と感じた
霊的な怖さより人の怖さ
原作済みで初日に鑑賞。
原作では少しグロさを感じる表現があったので、如何なるかなと思っていたがとてもマイルドになっていた。
だからこそ、人間の執着の怖さ、もしこうだったらという誰しもが一度は考えたことのあることを実現させようとする思念の強さが全面に出ていたと思う。
北斗総一郎が物語のキーパーソンとのことだったが、まさにその通りで、彼の出現以降の話の流れと引き込まれ方がすごい。なにより、本当に胡散臭そうなのに、全てに屁理屈ともとれる理屈をつけて思うような物語へと導いていく。限られたシーンの中で、受け手を物語に引き込む力は演技力の賜物だと思った。
話の展開も間延びしないリズムなので、くどさはなく、原作読了の人はより引き込まれたのでは?
カブトムシが効いています
まずは原作を読まない状態で、先読み不能ミステリーを体験しました。
ホラーやグロテスクが苦手なので心配でしたが、ちょうどいい塩梅の表現だったと思います。
ただ、カブトムシが苦手な方は観れないかもしれません。
ラストが驚きで、観終わった後、不思議な感覚になるところが好みの映画でした。
2つの現実がせめぎ合って、どうなっているのか分からないところもありましたが、複数回観たり、原作を読んでから観ると、また感想が変化していきそうな楽しみ方ができると思います。
登場人物が全員個性的で、好印象でした。
特に宮舘さん(北斗)の存在感と、主人公の祖父のすっとぼけた演技が好きです。
違う作品を観てみたいと思いました。
ビミナリ
戦死した祖父の兄の日記がニューギニアで見つかり、そのタイミングで不穏な事態が立て続けに起こるようになった家族の話。
日記がみつかったとの知らせがあった翌日、先祖代々の墓石に彫られた祖父の兄の名前が削りとられたのが見つかり巻き起こっていく。
ニューギニアの山林で見かけたヒクイドリに執着して行く貞市の日記…からの憑依の様な出来事に始まり、不穏な出来事が積み重なって行き、世界線の侵食はわかるけれど、カブトムシラッシュあたりで飽きてきて、これって屁理屈つければなんとでもなります転がる話しじゃね?と感じてしまい冷めるというか醒めるというか。
そしてラスト…それだけ?しかもそれだと3つ目の世界じゃ?細かいこと言ったらもっとだけれど。
なんか色々とクドいし、その上中途半端な終わり方だしでハマらなかった。
怪異ではなく執着の恐怖、それでも語られぬ矛盾
最初に断言しておくが、この作品はミステリーではない。謎を解いて爽快感を得る物語でもなければ、伏線を回収して腑に落ちるような構造でもない。観客に提示されるのは、説明不能の現象と、それを「察せよ」と押し付ける作りだ。
物語の中核は、戦死したはずの先祖・久喜貞市が戦場で仲間を殺し、その肉を喰らって生き延びたという異様な“生への執着”である。その執念が日記という呪物を通して現代に侵食し、主人公・雄司の現実を書き換えていく。ここに怪鳥「火喰鳥」の実体的な役割は一切なく、タイトルは単なるメタファーにすぎない。観客は「鳥はどこに関係あるのか」と首をかしげるが、答えはない。
本来であれば、現実が徐々に侵食される過程で数々の矛盾や齟齬が生じるはずだ。ところがこの映画は、その矛盾に一切触れず、あたかも「気づいた人だけ察してくれ」と言わんばかりに突破してしまう。説明の欠落が恐怖を強める手法だと監督は考えたのかもしれないが、観客の多くにとっては単なる不親切である。論理を積み上げれば破綻するため、そもそも論理を拒否しているのだ。
そして、物語は「誰の執着が勝つか」という一点に収束する。北斗の執着が雄司よりも強く、結果として雄司と由里子の夫婦関係は“なかったこと”にされる。主人公が敗者で終わる不条理は一種の恐怖を成り立たせるが、二時間近く彼を追い続けた観客にとっては徒労感の方が強い。加えてラストは『君の名は。』風の再会演出で希望を仄めかすが、唐突な帳尻合わせにしか見えず、せっかくの「執着の恐怖」が薄まってしまった。
演出面も課題が多い。暗がりや音響を多用して“侵食感”を演出しているが、説明不足を雰囲気でごまかしているように映る。さらに怪異描写や火喰鳥のCGはトーンから浮いて没入を妨げ、ホラーとして致命的な弱さを露呈する。
役者陣には救いがある。水上恒司と山下美月の夫婦は自然で、宮舘涼太の胡散臭さも際立っていた。もっとも私は最後まで彼を尾上松也だと思い込んで観ていた。目元や所作が似すぎていて、疑いもせず。だがエンドロールに尾上松也の名前がなく、ようやく別人だと気づいた。この勘違いすら「現実が侵食される」映画のテーマと妙に重なり、苦笑いするしかなかった。
総じて、『火喰鳥を、喰う』は「論理で楽しむ映画」ではなく「説明不能を押し付けられる体験」そのものだ。矛盾を無視し、観客に察しろと突きつける作りは挑戦的だが、商業映画としては不親切で、結果として消化不良が強く残る。強烈な印象は間違いなく残るが、それが「面白さ」ではなく「説明できない苛立ち」であることが、この作品の限界を物語っている。
原作より優しい描かれ方
そもそもミステリーホラーの謳い文句には「?」評価が付けられていることも多かった原作で、多元宇宙論や世界五分前仮説なんかを真っ向から否定するリアリストには向かない作品。
現実ともう1つの現実が入り交じり、夢との境が分からなくなってくるあたりにCGが入ってくるので、そのいかにもなCG感が逆に良かったような気がする。
一人舞台と客席のような北斗と雄司の対比が、夕里子の亡骸の前で同じステージに来たような色味を感じて、取っ組み合いのシーンはとても良かった。
ニューギニアでの日本軍の戦いの中にはカニバリズムの噂なんかもあったり…というのがヒクイドリのモチーフにもなってるのかと。貞市が食べたヒクイドリは誰だったんだろうか。そして夕里子の埋められかたは熊が行う土饅頭の行動にも見えた。
鑑賞後に色々な考察が浮かび、じわじわと癖になる面白さ。
しかし原作既読としてはラストには蛇足感あり…こだわりの点なのかもしれないが、夕里子から雄司への感情は愛情というよりも「雄司といることで普通の人間として見られている異物感の無い自分」が欲しかった執着のようにも見えるので、果たして北斗と同じ「異物感のある自分」に慣れてしまった夕里子の世界線に雄司は必要なのか?とも思ってしまう。あと単純にロマンチックな要素はいらなかったのではとも(笑)
自称「先読み不能ミステリー」だけど、まぎれもないホラー作品。分かりやすくしようとしているけど、とても難解な作品。
開始早々、次々と登場するキャストが台詞をいう時に役名と作品の中での立ち位置がテロップで表示されるのが親切だなぁなんて思いながら、スーッと物語に没入できたのは好印象でしたが、怪異っぽい不自然な現象が起こる割には全然人が死ぬ気配がない! この作品ってミステリーでしたよね? と突っ込むのが前半の展開。
あれれ~おかしいぞ~(by江戸川コナン)と思いながら、死者が出てキャーってなるのを待ち構えていてもやっぱり人が死ぬ展開にはならない。そればかりか普段の生活で使わない用語が出てくると、これまた大きくテロップが出て来て説明口調になるのが親切だなぁ、と思いながら二郎系ラーメンの行列みたいに待っても死者が出ないことに多少プンスカするのが中盤の展開。
そして後半には死んだ人が生きている展開になったり、なんか人が殺された風になっているけど「死亡が確認されました」的な証拠がなかったり、今まで家族として暮らしてきた人を「どちら様ですか?」扱いしたり、良くわからない並行世界にポイっと放り込まれて、それを理解しようと考えているうちに家族構成がシンプルに変わって、「この子は最初に出てきた少女の成長した姿なんだな」とピンときた途端に中途半端で終わるといった感じでした。
原作未読なんで何とも言えないのですが、映像が綺麗だったりキャストの演技が上手かったり良いところはいっぱいあるのに、中学生が安部公房の箱男みたいな難解な純文学を読んだときみたいな理解の難しい作品でした。
追伸 結局、火喰鳥は喰わないんか~い!
欲って色んな意味で原動力になる
貞市の執着と北斗の執着が、互いを利用し合う形でWin-Winの関係になっていて、改めて欲って怖いなと思った。ファンタジー寄りのミステリーって感じの内容で、リアリティを求める人は終始「何を言ってるんだ」ってなる映画な気がする。火食鳥は人間の執着を象徴していて、カブトムシは貞市が生きている世界線に侵食されている事を暗に意味していると私は解釈した。執着に殺されたけど愛は不滅って感じのロマンチックなラストが原作とは違っていて、個人的には救いがあるからこれはこれで好き。
ホラーに脈絡は要らない、とは思うけどさ
既視感のあるエピソードを脈絡なく繋げて、愉しみどころの乏しい映画だな…ホラーなのにちっとも怖くないし。
…と思っていたら、唯一身震いするシーンがありました。
扉に貼りつくカブトムシの集団!
一匹だと怖くないのに、集団だとなぜか怖い…
不思議てす。
そして、雄司。虫嫌いのくせになぜビビらない!?
…いや、わかりますよ?
怖かったはずの虫が気にならなくなるほど、妻への執着が高まってきたという表現なんでしょ?
執着と言えば、北斗の「執着の強いほうが勝つ」という主張。
まあ、そうだろうね。言い換えると「諦めたらそこで試合終了だよ!」ってことだよね。ホラー風の表現なんだね。
ところで、ラストは意外と気に入りました。
(中盤のパラレル化したところからは眠気を堪えるのに苦労しましたが)
こんなに脈絡がない、つまりゲームのルールが訳わからない設定だったら、勝てるはずないもん!
北斗に倣って主張してみるなら
「ルールを支配したほうが勝つ」ってことで…
ルールを好き勝手に変えちゃう支配者に統治されてる国に住んでる人は大変だよね…
あっ! もしやこの映画はファシズム批判が奥底に秘められていたのか? …なわけないか。
あと、鳥はわりと可愛いかった。
キャスト陣の白熱した演技に引きこまれました。ストーリーは好みが分かれるかも?
原作未読です。普通とは違う孤独と生への執着が日常に侵食していく様子に引きこまれました。普通の生活が一つのきっかけでそうではなくなっていくこと。とても面白いストーリーでした。
もっと救いがないラストの方が好みですが夫婦の寄り添う姿を観ているのでラストは希望のある終わり方で納得です。そのためのシーンもあったはず。もっと貞市の孫や北斗へ寄せた雄司側には希望のない世界のラストでも好きなストーリーでした。
ラストって本当は存在してはいけないような世界なはずですよね。そこで初めて出会った二人だったので、この作品は怪異に振り回されながらも手を離さなかったふたりのラブストーリーなんだなとも感じました。
そして何より、キャストの方々の演技が素晴らしかったです。
特に水上さんと宮舘さんの演技がとても!
水上さん演じる雄司。あまりそういうのは信じたくない雄司がどんどん怪異に巻き込まれていく。説明できない何かに振り回されていく姿、圧巻でした。
そして宮舘さん演じる北斗。本当に怪演です!すごい!雄司側に立ってみればソトから来た普通じゃないことを言ってる怪しい人なんですが、説得力ある存在でもっと詳しく教えてほしいとなる謎の安心感にまんまと騙されました。ただただ嫌なヤツではなくて、背景にある孤独と繊細さにまんまと持っていかれました。「嫌いになりきれない北斗」とても刺さります。
もっとここは?ここはどうなってるの?となるのでまた観たい作品です。
ネタバレ考察
いわゆるホラーとは違う、不思議な感覚の映画。お化けが出るわけでも無く、どこと無く怖い、どんどん物語に引き込まれてあっとゆうまにラスト。とても面白かった。
火喰鳥とはつまり、戦争中に餓死する寸前に生き残った最後の3人。戦友を食べるかどうかという極限で人肉を鳥肉に脳が変換した状態だと言うことだろう。どうしても生きたい、その思いが強く、人肉を食べるコースは貞市は生き残るコース、食べなければ貞市は餓死のコース。その『タベタイ』という強い思いがこもった手帳を北斗が見つけ、その思念を利用して夕里子に近づく。
これは戦争中の貞市の『イキタイ(戦友を食べたい)』が勝つか、虫も殺さないほどの主人公が夕里子を『取り戻したい』一心で人を殺せるのかの競争、と北斗は言う。
北斗が殺されたシーンで『僕の勝ちだ』というのは、北斗の罠なのか?ユリコと夫婦になれなかったコースの北斗をわざと殺させ、もう1人の北斗と結婚させたのか?
あの白いワンピースの女の子は、貞市の娘の子?
小説も読もう。
映画は観た後に余韻がすごく、面白かった。俳優陣も良い。考察好きな映画好きにおすすめ。
主役の水上、山下の自然な演技と、強烈なオーラを放つ宮舘が良かった。
ミステリーではない
ネタバレありです
前評判が良かったのとグロテスクな表現やホラーが大の苦手でも観賞可能というフレコミだったので見てきました
主人公の祖父の兄の生存する世界と既に◯んでいる世界、どちらが覇権を握り正史となるのかいろいろな登場人物の人生が絡み合うミステリー&ホラー
と言われてますがミステリーの要素は皆無に感じられました
トリガーは夢の中で命にかかわる出来事が起こった時に並行世界の方に行けるのかな?
まずこのトリガーが分かりにくいです
あともっというと貞市が生きている世界からみて滅ぼさないといけないもう一つの並行世界の時代は主人公の今生きている世界ではないと思う
ズレた時代で覇権を争っても意味なくないですかね?
北斗も役者を知らないので尾上松也がずっと思い浮かんでガス!!ガス!!って言ってる様が頭から離れませんでした
要はこの役全然ハマってない
劇場版パトレイバーのリバイバル上映を諦めてこっちを見たんですが、正直パトレイバー見とけば良かった
上手く作られている
いまの時代(世界)だと思っていたら…
二転三転し最後はとんでん返しがあった
見ている私たちを欺いていくかの様
貞一の"生きる"事への執着が強く
現在の生活が少しずつ侵食されていく
・・夢落ちが散りばめられて
どこが"真実"で現実なのかわからなくなる
謎がミステリィとなって飽きることなく
次から次へと新たな謎の展開に
見応えはありました
…火喰鳥とは
架空の鳥だと思っていたら
実際に実在する鳥でビックリ
ラストは
冒頭と全く違ってしまった
二人がすれ違って振り返った先には…
とても気になりました
所々分かり難さはありましたが
キャストの皆さんに
グイグイと引き寄せられ
怖かったけどおもしろかった
難解。しかしキャスト陣の芝居は圧巻。
映画化にあたり当然原作から端折る部分が出てくるわけだが、「この部分は描いた方が(変えない方が)良いのでは?」と思うところが多々あり、難解な出来になったという印象を持った。
また、私は原作の結末が作品の最たる魅力と感じていることもあり映画のラストにはかなり不満だが、「望まない形で引き裂かれた久喜夫妻の心に籠っていた互いへの強い執着により、出会いをトリガーにして再び世界は改変に向かう(かもしれない)」と解釈すると、物語の軸には沿っているのでまあアリなのかなと考えを改めた。
「今」を存続させたい2つの世界があり、どちらが正になれるかという食い合いをしているわけだが、貞市陣営の強いこと。ちなみに貞市陣営の「主人公」にあたる人物のバックボーンを知った上で観ると「おっ」と思うシーンや台詞もあるので、気になる方はぜひ原作を読んでいただきたいと思う。
ネームドキャラを務めたキャストのお芝居は文句なく良かった。
主要どころで言うと、既にたくさんの映画やドラマで活躍している水上さん、山下さんは表情一つに乗せる感情が多く見て取れて素晴らしかった。
また、宮舘さんのお芝居は初めて見たが、最後まで良い意味で異物として際立っていた。声の表現力が高かったことにも驚いたし、キーマンとしての役割を完璧にこなしたと思う。
亮の再登場部分が良く分からなかったことや、与沢の最後のシーンはもっと丁寧に描いて欲しいなど思うところはあれど、キャスト陣の尽力もあり映画としては及第点以上をつけて良いと思う。
【”異常なる生への執着、思念、籠りが惹き起こした禍々しき事。”今作は、戦地ニューギニアで亡くなった男の日記が惹き起こす怪異、超常現象を描いた、突っ込み処満載の作品なのである。】
■長野県松本の郊外の田舎に住む雄司(水上恒司)一家の元に、第二次世界大戦中、ニューギニアの密林で亡くなった祖父の兄、貞市の日記が返還された。
 その後、一家の代々の墓石から貞市の名が削り取られ、祖父が軽トラと共に忽然と姿を消すなど、異常が起き始める。
 雄司の妻、夕里子(山下美月)は、且つての知り合いで超常現象専門家と名乗る自分に執着を持つ北斗(宮館涼太)に仕方なく、連絡を取るのであった。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・序盤から、雰囲気バッチリの不穏感満載で物語は進む。そして、登場した北斗が、怪しげで非常に気味が悪い。
 執着を持っている夕里子には、雄司の前でも”相変わらず、美しい。”と言い、下の名で呼び捨てにするのである。
・物語が進む中で、貞市が且つてニューギニアの密林で亡くなったはずだったのが、徐々に”火喰鳥を喰って、戦地から生きて戻った”と人々が言い始める辺りから、物語の構成が分かって来るのである。
■それは、貞市と北斗の異常なる夫々の執着により、雄司たち家族の過去、現在の歴史が変わっていくという事なのである。
 雄司たちの家には、”知らない人”を訪ねるノイズの入った電話が頻繁に掛かり、北斗も異常な儀式を始めて行くのである。
 そして、気が付くと、雄司は大学の教師から天文台の職員になっており、夕里子も母もいないし、彼はその記憶も失っているのである。
 つまりは、貞市と北斗の異常なる執着、思念、籠りにより住む世界が変わってしまったのである。
 駅のロータリーで雄司と夕里子が擦れ違っても、お互いに気付かないシーンはそれを象徴しているのである。
<今作は、戦地ニューギニアで亡くなった男の日記が惹き起こす怪異、超常現象を描いた作品であり、貞市と北斗の異常なる執着、思念、籠りが惹き起こした禍々しき事を描いた作品でもあるのである。>
全125件中、101~120件目を表示
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