「【追記有】全てが中途半端(ホラー?/SF?/ミステリー?)」火喰鳥を、喰う ゲルおじさんの映画レビュー(感想・評価)
【追記有】全てが中途半端(ホラー?/SF?/ミステリー?)
原作は未読です。
結論から言うと非常につまんなかったです。
【過去/現在/夢の中がぶつ切りで展開される苦痛】
日記を軸とした設定がわかり始めてから、過去/現在/夢の中を切り替えながらストーリーが展開していくわけなんですけど、ぶつ切りすぎるので、話としても映像としても「今のどういうこと?」という疑問がほぼ飲み込めないまま置いてけぼりにされる連続があったかなあ。
だいたい話の流れで理解はできるんですけど、その理解する労力に見合う面白さという見返りは感じませんでした。
【演者間で演技力に差がありすぎ】
メインキャストは文句なしです。素晴らしい演技でした。
途中から出る宮舘、こいつが演じる北斗がノイズすぎます。
他が良いだけに完全に悪目立ちしてます。1人だけ、なんか「わざとらしいミュージカル演劇のミュージック抜き」みたいな演技で笑いそうになった。
あと北斗が出てきてから「籠り─」「聖性─」みたいな字幕がうっすら出るシーンが続くので、安い心霊番組でも始まったのかと思いました。
見間違いじゃ無ければ、多分OP映像でサブリミナル的にその文字も出てませんでした?
わざわざ文字を映像内に入れてくることで、空気感台無しになってましたよ。
【ホラー/オカルト/SF/ミステリーどれを取っても中途半端】
ここが一番感じていた部分なんですけど、「日記=呪物」というホラー的な要素、「現実改変/パラレルワールドの侵食」というオカルト/SFの要素、「日記を機に起こる現象の紐解き」というミステリー要素、これらのどれを取っても中途半端で、話としてのまとまりが無さすぎるなという印象でした。
色んな要素を入れて良いとこ取りをしようとした結果、料理しきれずに話がぐちゃぐちゃになっているんですよね。
オマケに過去/現在/夢の中と、目まぐるしく場面が切り替わりまくるおかげで、まとまりの無さに拍車がかかるという、最悪の相乗効果が発揮されています。
原作はまとまっているのかは知りませんが、映画に関しては制作側が料理しきれてないなとしか感じませんでした。
まとまった話の中でとっちらかった演出という手段を取っている、というより、ただ単に話が散らかってるだけという印象が強かったです。
【ホラー的演出があまりにも雑】
「結局この作品のジャンル何なの?」という感想はさておき、ホラー的な演出がちょくちょくあったんですが、全てが雑で怒りを覚えました。
暇さえあればBGMで不協和音ぽいのが流れてて、ずっと不安を煽る作りになっていましたがそこはもう別に良いです。
帰還兵のじいさんが「ヒクイドリ!!」って急に叫ぶ所はさすがに酷すぎます。
でかい音出してビビらせるだけか??
んで現実改変が進むにつれて、関わってる人間が次々に雑に退場するんだけど、「過程も結果チラ見せ事後報告」みたいな感じ。
記者さんも安いCGの炎が急に出てきて謎に雑に退場。
徐々に不安を煽るにしても、1個1個のインパクトが弱すぎるので危機感が伝わってこないしだいぶ投げやりですよね。
あと割れた窓ガラスの雨でサクサク首に刺さって夕里子が死ぬの、もうちょい何とかならんかったんか??
ガラスもだいぶ小粒だった上に「運悪く頸動脈にでかい破片刺さって痙攣」とかのワンクッションもなく、次に画面に映った時には既に死んでるとか、ヒクイドリどころかニワトリよりも貧弱だろ…
そういうワンクッション入れることで生まれる説得力とか考えなかったのかな?とシンプルに疑問でした。
んで最後のよく分からん過去?夢の中?の戦闘とかもそうなんだけど、ヒクイドリと人間のハーフみたいな顔のサダイチおじいちゃんはもう笑わせに来てるでしょ。いい加減にしてください。
結局サダイチおじいちゃんの 籠り─(笑) にあてられ、利用される形となった北斗が美味しい思いして現実改変は成されました。おめでとうございます。
ナニコレ???と思いつつ、なんか感動的なシーンを挟んで映画は終了。
鑑賞後、原作を買う気にはなりませんでした。小説の前評判は家族から聞いていたので、正直残念です。
【追記】
キャストの宮舘涼太ですが、映画公式Xにて、元日本赤軍のメンバーで、海外でテロによる逮捕歴のある人物を好意的に取り上げていました。論外です。さすがに制作陣の倫理観が終わっています。
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