火喰鳥を、喰うのレビュー・感想・評価
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化け物
原作者の原浩先生のトークショー付き試写会にて鑑賞。
原作は未読です。
序盤に撒かれたストーリーが、後半は並行世界で入り乱れまくってカオスになり、人の欲望や執着が霊にも超常現象にも勝るというパワーの感じられる作品になっていました。
戦時中での出来事、手記に綴られた火喰鳥の影響が現代にも現れ、徐々に分かってくる真実に戸惑っていく感じで臨場感満載でした。
中盤以降は登場人物が増え、そこから愛やら恋やらの人間関係がカオスさに拍車をかけていき、ちょっと分かりづらい場面もちらほらありましたが、気味の悪いシーン多めでゾクゾクさせられました。
霊媒師(?)の北斗の行動が全部かき回していくので彼から目が離せませんでした。
展開が目まぐるしく切り替わりまくるので、全部を理解できた自信が無いのは申し訳ないのですが、こればっかりは原作を見なきゃなと思いました。
ラストは完全に「君の名は。」じゃんと思ってしまいましたが、これは映画版のアレンジらしく、今作の初期案であったラブストーリーっぽい終わり方はヘビーだった本筋とは違う解釈ができて個人的には良かったなと思いました。
ジャンプスケアはかなり少なめで、ミステリーを押し出していく中でじわっと怖がらせる描写が多くあるので不意を打たれる瞬間が多々ありました。
虫が苦手ってのもあるんですが、カブトムシ1匹ならまだしも大量に扉にくっついていたところは流石にゾワっとしました。
あそこまでの大量発生は今まで見た事ないですが、あれを見たら余裕で気を失うと思います笑
CG周りは正直安っぽく、火喰鳥はもうコテコテのCGでカクカクですし、記者の車が燃える時の炎の合成しました感は残念でしたし、どんよりとした雰囲気の作品の空気を邪魔しちゃっていたなと思いました。
序盤だけ謎に登場したTVのような登場人物のテロップは映画にはあまり登場させてほしくないなーと思いました。
あれ一つでダサさが増幅してしまっていたのでもったいなかったです。
キャスト陣はバッチリハマっており、水上くんの振り回されまくりながらも奇々怪界な世界を生きる雄司はカッコ良かったですし、献身な妻かと思ったら取り込まれやすく異変のきっかけになってくれた夕里子を演じた美月さんも良かったですし、胡散臭い同級生を演じた舘様の奇天烈っぷりはハマりすぎてていつの間にか舘様の虜でした。
映画もしっかり楽しめましたが、これは原作をじっくり読み込んだら更に楽しめそうだなと思いました。
原先生の他の作品も見ていきたいです。
鑑賞 9/16
鑑賞時間 18:30〜20:08
鑑賞方法 試写会にて
抗うほどに変容していくストーリーに巻き込まれた
日本にいる者なら知っているうだるような夏の空気、登場人物それぞれの強い執着、蝕まれていく現実に抗うほど変容していくストーリーに巻き込まれるような感覚でした。
小説は複雑なストーリーを読者にじっくりと読ませることができますが、映画だからこそできる表現がチャレンジングに散りばめられ、ミステリー作品としての歪な感じをバランスよく表していたと思います。
表現方法を変えているだけで、読後感は原作に非常に近いものを味わうことができました。
公開されたらまた映画館に観に行きたいと思います。
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