「巡星」アズワン AS ONE ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
巡星
この作品の原作がゲームということを知らずに鑑賞した自分も悪いのですが、すっげぇ置いてけぼりにされました。
2週連続でヤバめのアニメ映画(某チャオ)が出てくるの中々の異常事態では?
特典は色紙風カードでヨウデザインでした。色紙にしてほしい…。
最低でも1クールかけてやってほしい内容をよりにもよって90分に詰め込むという所業をやってのけてしまっているので超展開の連発で中々頭が追いつかなかったです。
今作は主人公のヨウがウジウジしてバンド活動が身に入らないみたいなスタートをするんですが、キャラデザが貞本さんなのも相まってシンジくんが連想されますし、あっちはウジウジしながらもやりゃあいいんでしょ!くらい吹っ切れてくれるので良かったんですが、今作のヨウは本当に何も踏み出さずなので、静かにストレスを溜めさせてくる主人公でした。
ヨウとラコが精神世界で繋がっただなんだのくだりもこれまたイマイチ理解できずじまいで、専門用語で連打殴打してきたかと思ったら、今度は突拍子もない展開で罠に嵌められた気分でした。
そこから繋がった世界での生活なんかも入るんですが、キャラクターの性格諸々が展開のためにガラッと変わったりするので飲み込みづらいですし、ラコなんかなんで精神世界からヨウを追い出したん?ってくらい唐突にキャラが変わるのも謎でした。
黒幕が分かる瞬間はミステリーっぽく仕上がっていたので監督の色は出ていたかなと思いました。
白岩くんも感情が大きくなるところでガッツリボロが出てしまっていたり、歌唱パートは上手かったんですがそれ以外のキャラとしての魅力が声から全く感じられなかったのは致命的だったなと思いました。
周りがほとんど本職なのも相まって浮いてしまっていましたし、そこまで宣伝でも白岩くんを観なかったので、起用の意味がなぁ…と今作でもなってしまいました。
その歌唱パートも物語のキーになっているのは分かるんですが、それにしたって歌唱が多すぎますし、別に曲が変わるわけでもないので流石に飽きてしまいます。
せめて3曲は用意して欲しかったなぁと。
現実世界に戻ってきてバンド活動を再開ってところも雑にまとめたなぁって感じで、どんな心情の変化があったのかってのもボンヤリとしていましたし、いなくなったはずのバンドメンバーもいつの間にか戻ってきていましたし、モヤっとするところをそのままにしてエンドロールへレッツゴーしてしまうので一体どんな表情で観ればよかったのかしら。
アニメーションは正直普通…。
特別クセは無いので全然観れるんですが、コミカルな感情表現なんかが少ないのでキャラ的魅力を感じるには至らず、肝心のロボット戦闘描写も序盤からやってくれるのは良いんですが、昨今のハイクオリティなロボットものたちと比べるとこれまた普通なので、もっとガンガンバトルが観たかったなと思いました。
原作のゲームを知っていればまだ楽しめたのかなとは思いつつも、これまた一般ウケが難しいだろう…って作品がポンポン出てくるのは中々に理解し難いなと思いました。
1クールでやっていたらどうなっていたのかというところだけは気になります。
鑑賞日 8/22
鑑賞時間 16:15〜18:00