「映画的な作り方」無名の人生 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
映画的な作り方
技術面は一見Flashでイラストを動かす、アニメーション技法としては稚拙で少し古いものにも思えるが、どことなく『サウスパーク』に似た少人数で描くための工夫が随所に。
内容的にも、さまざまな現在~過去に生じた事件、時事ネタを内包し、それらもまた時代が変わってもいつでも起こり得る普遍的なもので、「魂の尊厳」に影響する陰惨な事件ばかりを取り上げていて、受け入れやすかった。
認知症ドライバーが起こした致死運転、芸能事務所社長の性暴力、でっちあげの薬物疑惑での告発したスターの排除、学校のいじめ、いじめをスルーする教師や加担する保護者、
さらには予言的かつSF的な未来~日本で起きる戦争の話。
時間と時代を「切り取り」「想像する世界を提示するという」、きわめて「映画的」な作り方をしていて、映像作品としての品と風格を感じさせられた。
万人に勧めはしないし、日本のアニメーション作品が好きな人にはあまりお勧めできないけれども、映画が好きな人なら観て損はないと思いました。
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