劇場公開日 2025年4月25日

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「性加害を受け容れ、愛だと思える者」ミステリアス・スキン なかじwithみゆさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0性加害を受け容れ、愛だと思える者

2025年5月7日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

グレッグ・アラキ監督。
なぜか過去の作品がこの頃注目をされているようで、
「ミステリアス・スキン」はブラディ・コーベット
(『ブルータリスト』監督)が俳優として主演していて、
ジョセフ・ゴードン=レヴィットもダブル主演のように堂々としている予告編を観て、俄然興味をもち映画館へ。

グレッグ・アラキ監督の(マスコミ・映画関係者・ゲイの界隈で盛り上げ作り上げた?)ブームは過去にも数回あったと記憶しているが、
絶賛されていた『途方に暮れる三人の夜』が僕には全く引っかからなかったので、
監督(演出・脚本)として興味をもってはいなかった。

「ミステリアス・スキン」だが、原作は他者だがグレッグ・アラキ監督・脚本の特徴に合っていた内容に思えた。
同性児童への性加害を(まるで天性のように)受け入れる者と、
記憶がなく思い出すとエイリアンとの遭遇と像が浮かぶ者。
きっと理解し合えることもない、永遠にすれ違う共感と誤解。
同じ性被害体験でも、被害ではなく楽しむ者も居れば、
エイリアンとのやりとりだと転嫁する者の、
その奇妙さを最後まで案内されて、僕は独り暗闇の中に取り残されたような感覚で映画館の席を立つ。

日本では有名な性加害報道にジャニー喜多川さんのスキャンダルがある。
そんなの大昔から、郷ひろみさんやフォーリーブスの時代から続いている性加害(枕営業)だから芸能界の習わしなのだと受けとめていたが、
被害を受けたと訴える者と、被害は受けていないという者と、ジャニーズ問題も分かれるが、
ジャニー喜多川からされること皆んな同じ事(性加害)である。
デビューして売れれば被害ではなく、干されれば被害を受けたと傷になる。
本作にも通ずる部分が、ずっと僕の心にモヤモヤし続け
る。

なかじwithみゆ