「波長が合わない」夏の砂の上 Dickさんの映画レビュー(感想・評価)
波長が合わない
❶相性:中
★波長が合わない。フィーリングで観る映画は相性が悪い。
❷時代:スマホが普及している現代。
❸舞台:夏の長崎。
❹主な登場人物
①小浦 治(オダギリ ジョー):愛を失った男。主人公。坂の途中にある一軒家に暮らしている。働いていた造船所が潰れても新しい職を探さずふらふらしている。一粒種の息子が豪雨で死亡した喪失感から抜け出せない。
②小浦 恵子(松 たか子):愛を見限った女。治の妻。息子を亡くしてから、治との生活にやりきれない思いを抱き別居している。
③川上 優子(髙石 あかり):愛を知らない少女。17歳。治の姪。阿佐子の娘。阿佐子の都合で、治の家に一方的に預けられる。学校へ行かず、スーパーでアルバイトをはじめる。
④川上 阿佐子(満島 ひかり):治の妹。優子の母。おいしい儲け話にのせられ、兄の治へ娘の優子を預け、単身で博多へ向かう。
⑤陣野 航平(森山 直太朗):治の職場の元同僚。治と同じ造船所で働いていた。治の不甲斐なさから、治の妻・恵子に寄り添っていたが不倫関係になる。
⑥立山 孝太郎 (高橋 文哉):優子のアルバイト先の先輩。長崎の大学に通い、東京からきた優子を何かと気にかける。
⑦陣野 茂子(篠原 ゆき子):陣野の妻。治の妻である恵子と夫の関係を疑っている。
⑧持田 隆信(光石 研):治の職場の元同僚。治と同じ造船所で働いていた。現在はタクシーの運転手をしているが、事故で死亡する。
❺考察
①冒頭は大雨のシーン。見る見るうちに道路が川になっていく。やがて雨があがり、青空に変わり、溝の水が消えていく。
②主人公の治(オダギリジョー)が、溝を眺め、煙草を吸い、吸い殻を捨てる。そこには吸い殻が溜まっている。
治は、ビニール袋を下げて坂を上り、途中のタバコ屋で挨拶をして煙草を買って、家に帰る。
★ここまでは文句なし。
③家には妻の恵子(松たか子)がいる。2人の少ない会話を、耳をさらにして聞いていると、次のようなことが分かってくる。
ⓐ2人は別居している。
ⓑ2人には小学生の息子がいたが、集中豪雨で流されて亡くなってしまった。
ⓒ治は責任を感じて息子の死を受け入れられない。
ⓓ位牌は恵子が引き取ることになった。
ⓔ治の仕事の同僚の航平(森山直太朗)は2人を慰めてくれるが、その内恵子と不倫関係となる。
ⓕ治の勤めていた造船所が倒産して、大勢が失業するが、治は求職の意欲がわかない。
④そんな時、治の妹の阿佐子(満島ひかり)が17歳の娘・優子(髙石あかり)を預かってほしいとやってきて、自分だけ博多の男のもとに行ってしう。
⑤こうして、治と優子の同居生活が始まる。
⑥そこは、雨が一滴も降らない、からからに乾いた夏の長崎。
★えっ??雨が一滴も降らない? じゃあ、冒頭の豪雨はなんだったの?
⑦ここまで来て、冒頭の豪雨は、治の息子が亡くなった豪雨だったことが分かる。
★しかし、冒頭の豪雨が過去のシーンであるようには見えない。上記①と②は連続しているように見える。これは、編集がまずいように思える。このような描き方には賛成出来ない。
⑧この後、治と優子を軸に物語が進むが、何が言いたいのか分からない。
⑨終盤には久しぶりに雨が降って、治と優子がはしゃぐ展開となる。
⑩そして、ラストは、阿佐子がやってきて、新しい男がバンクーバに日本料理屋を開くので優子を一緒に連れていくという。後には、恵子と離婚した治が一人残される。お終い。
❼まとめ
何が言いたいのか分からない。
私にとっては無色透明無味無臭。
観終わって印象に残ったのは、急な坂と俯瞰で捉えた長崎港の風景のみだった。