劇場公開日 2025年7月4日

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「希望に向かっていくストーリーに救われる見応えのあるドラマに満足です」夏の砂の上 Jettさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 希望に向かっていくストーリーに救われる見応えのあるドラマに満足です

2025年7月12日
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鑑賞方法:映画館

蝉が鳴く火傷しそうなほどの真夏の日差し、蜃気楼の様にゆらゆらする風景、うだるような暑さの中で汗をかきながら上る長崎の坂の町・・・が何とも居心地の悪さを突きつけてくるけど、希望に向かっていくストーリーに救われる見応えのあるドラマに満足です

子供、職、妻をなくし失意のドン底でなんとかギリギリの精神状態で生きている主人公 治を演じるオダギリジョーさんの演技が素晴らしい
中盤、絶望から完全にキレる演技は圧巻、それを必至で抑えようとする姪の優子を演じる髙石あかりさんの演技も素晴らしかったです
そして2人が全てを洗い流す様に叩きつけるどしゃ降りの雨の中でふざけ合うくだりは何だか観ているこっちも心洗われる気分で、いいシーンだなと思いました

優子の役が人とのコミュニケーションが苦手だったり過集中があったりする設定なんだろうけど、治とは初めから普通に話したり、時折 同僚との飲み会で毒はいたり、出会ったばかりのバイト先の先輩で高橋文哉さん演じる立山の誘いに簡単にのってしまい結局しないけど、セックスしようとしたりとちょっと謎な人物ではあるけど、それだけ精神が不安定ってことなんでしょうか、若干 不可思議でした

優子の母親を演じる満島ひかりさんのダメ女っぷりがメチャクチャ合ってた(笑)し、松たか子さんの終始 機嫌が悪そうで疲れ切った仏頂面もなかなかの凄味があったし、光石研さんは相変わらず人の良さそうなオジサンを演じているし、と実力派俳優たちが脇を固め、とても見応えのある良い作品にまた出会えました

Jett
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