「「この映画を観ていていいのかな」何故か感じた焦り」夏の砂の上 La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)
「この映画を観ていていいのかな」何故か感じた焦り
カンカン照りの真夏の長崎を舞台に、心に様々な痛みや後ろめたさ、だらしなさを抱えた男女が交差するお話です。
一言で言えば「人のグズグズを描いた映画」なのですが、非常に丁寧に撮られていたと思います。俳優さんもそれぞれの思いの表現が細やかでした。人の心のそんなどうしようも無さを描くのは映画の大切な仕事の一部だし、僕はそんな作品が好物でもあります。でも、何故なのでしょう。
本作を観ながら、「国全体が大きく転がり落ちようとしている今、こんなにも狭い世界を撮る必要があったのかな」「それを観ていていいのかな」の疑問が拭い去れず、妙な焦りを感じてしまったのです。
「いや、そんな時代だからこそ個の心を見つめる作品が必要なのだ」
と制作者は考えられたのかも知れません。また、「今、こんなチマチマした映画を作って」という声は、ひっくり返せば「こんな時局にこんな不健全な映画を撮るなんて」という戦前の映画ファシズムの時代に繋がり兼ねないので注意が必要です。
一体、この作品の何がそう思わせたのでしょう。僕の個人的な心理状態を反映しただけなのかな。疲れているのかしら。
コメントする