「低温火傷したような気分」夏の砂の上 hkr21さんの映画レビュー(感想・評価)
低温火傷したような気分
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夏の砂の上、
足の裏からジリジリくる熱いのか気持ち良いのか、よくわからない感じ。
画質?空気の色??
登場人物たちの肌感
(長崎の人たちの焼けた感じと、東京の客人の色白さの対比を含む)など、
とても良く作り込まれていて、
長崎ではないけれど、地方出身者の身としては、
違和感なくこの土地にスルッと入っていけました。
そんな地方都市で、幼い息子を不慮の事故で亡くし、仕事も失い、
妻とも距離ができ、流されるままに息だけして生きている男
不摂生さも役作りなのか、オダギリジョーさん、まんま治だったなぁ⋯。
そんな男をすでに過去の夫としか見ていない妻 恵子、
松さんも、ナチュラルすぎて、出身こちらの人だったっけ?と錯覚するぐらいでした。
治を見る表情とかもリアルでねぇ⋯芯の強い感じが良く出ておりました。
そして、突然同居することになった姪の優子。
愛を知らないのか、それとも愛をあきらめたのか、
熱いのか冷たいのか解らない17歳の雰囲気を
高石さんが存在感ありありで演じられていて、とても魅力的でした。
そんな治と優子のひと夏の同居によって、
相互作用が働いて、ふたりが少しだけ成長する物語を覗き見させて貰いました。
とても丁寧に創られた作品で、こういう日本の地方都市の映画好みです。
雨のシーン、
サヨナラの麦わら帽子のシーン、
笑顔のふたり、素敵でした。
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