「くたばれ、雰囲気映画」夏の砂の上 すーちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
くたばれ、雰囲気映画
オダギリジョー目当てで観ましたが、前半50分くらいであまりにつまらなくて途中退場しようかと思いました。
。。退場すればよかったです。(もったいなくて結局見届けた)
舞台が長崎で坂道に佇むオダジョーはフォトジェニックでしたが、それだけ。
脚本がダメすぎるし、時代設定も意味不明で見終わった後に怒りが湧いてきました。
登場人物たちが唐突に色んなことをするのですが「なぜその行動を取るのか」が全く提示されないので観てる方はイライラします。
「なんでそんなことする(言う)?」って台詞がしばしば聞かれるんですがこっちがそれを言いたい。
主人公とゆうこの心の触れ合いというにはあまりにも中途半端エピソードの数々。
そもそも、ゆうこのキャラクターが。。
(恐らく)親の愛情不足で闇を抱えていて、ツンデレな態度で男を振り回したり、唐突に目線を宙に泳がせてポエミーなセリフ(長崎がどうとか)をつぶやいてみたり、雨の中ずぶぬれになってはしゃいでみたり、胸焼けするような類型キャラ。
女優さんは頑張ってはいましたが、彼女をトリックスターにして周囲の大人たちが傷を癒していくというストーリーには無理がありました。
なんとか読み解くとすれば、真夏の断水という設定は登場人物たちの「渇き」を暗喩していて、ラスト近くに雨が降ったことで何らかの救済がもたらされたということで一応ハッピーエンドなのかな。
(その後の指詰めには何の意味があったのか再び疑問が…)
時代設定について。
主人公は造船所の閉鎖?で職を失ったらしくタバコをぷかぷか吸って、舞台となる家はふるーい昭和臭ただよう一軒家。
ゆうこ(姪)のバイト先の仲間は店長を交えて飲み会とかしている。
てっきり昭和〜平成の話かと思いましたが開始後1時間くらいでスマホが出てきたので現代の話だと気付いてびっくり。
(そういやスーパーのレジがセルフ会計システムだったと後で気付く)
それならせめて女性キャラクターの服装でちゃんと現代感を出さないと。
令和の若い女性はいくら暑くてもショートパンツなんか履きませんよ。(流行ってないから)
オダジョー夫妻が失意の中時が止まったような生活をしているという設定ならまだしも、現代劇としてこれではリアリティ皆無。
邦画を滅多に見ない理由は、こういう細かい部分が気になってしまって興醒めするからなのですが、やっぱり相性悪いですね。。
オダギリジョーは朝ドラ(カム・カム・エブリバディ)でもやっていましたがプー太郎役がよく似合う。
奥さん役の松たか子、オーラを消しすぎていて配役を見るまで誰だか気付きませんでした。