「人は寂しい心を埋めるために愛を求める…のか?」夏の砂の上 Tofuさんの映画レビュー(感想・評価)
人は寂しい心を埋めるために愛を求める…のか?
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舞台は日照り続きで水不足の夏の長崎。
幼い息子を亡くし、勤めていた造船所も潰れ、気力を全く失った治。
そんな治に愛想を尽かして、家を出て治のかつての同僚に惹かれる妻の恵子。
シングルで娘を育てているが、新しい男ができるたびに娘の優子を置いて出て行き、振られると戻ってくる治の妹の阿佐子。
母親に放置される17歳の優子。
それぞれが痛みと喪失感、寂しさを抱える登場人物たち。
人はそんな寂しさを埋めるために愛を求めるのだろうか?
寂しさを抱える者どうしが少しずつ心の傷を癒やし合うことで、渇いた夏の砂の上に降る雨の如く、カラカラに渇いた心を潤してくれる。
なんの変哲もない日常の中にわずかな希望の光を見出すような作品だ。
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