劇場公開日 2025年7月4日

「一度見ただけでは理解がかなり困難な作品か。」夏の砂の上 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5一度見ただけでは理解がかなり困難な作品か。

2025年7月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

今年152本目(合計1,693本目/今月(2025年7月度)1本目)。

 今週、評価が分かれそうかな…といった印象があります。
作品のストーリーが追いにくいことが一つありますが、その理由が「方言関係」で、何を述べたいかかなりわかりづらい(実質的な長崎専用枠かなと思えるくらい)部分があり、また原作(いわゆる「舞台」「お芝居」というものの類の模様)には沿って作られているようですが、そこまで理解してみるのはそこそこ難しく、何度か見て6割理解できるかな…といったところです。

 個人的には、物語の最初、および、途中でちらっと長崎の原爆投下について触れるシーンがありますが、それ以外では原爆投下や第二次世界大戦の日本について触れられることはないものの、テーマとして「雨や、水を求めるもの」という論点があることは映画から読み取れます。実は、長崎(と広島)は原爆投下時、広島に比べて長崎は川が多くあったため、原爆投下でやけどをした被害者が多数川に集まった事情があり(もちろん、原爆投下で水も大半が一瞬で蒸発してしまった)、このことはある程度原爆のことを知っていれば(広島・長崎出身ならわかるか)、実はここに結び付いているのかなという推測は働きますが、ここを読みとることは難しいのでは…と思います(かつ、おそらくそれが正解ではと思えるだけで、何が正解なのかも微妙)。

 エンディングまで一直線で、最後まで見るといわゆるクレジット関係でいろいろと出てきますが(映画の趣旨的に、長崎県・長崎市は協力枠)、なぜか「法務担当」で行政書士の方が出てくるんですよね…。映画の趣旨的に行政法(広義の意味。行政に関する法を総称する語のこと)を扱った部分ってありましたっけ?確かに作品上、むしろ労働法(労働基準法など)が「やや」出てくる方向はありますが、それだと社労士枠のような気もしますし(ただ、それは一面の話であって、労働法規や労働に関する問題提起の映画ではない)、ちょっとここは資格持ちは「んん?」というところがあります。

 実質的に1度見た場合はストーリーの展開を追うだけでかなり厳しく(方言関係。長崎出身やお隣の都道府県ほかを除くと結構厳しい)、2度3度見てなるほどね、という部分は多々あろうと思います。今週(7月1週)はなぜか競合が極端に多く(VHSビヨンドなど)、この作品がどこまで延ばせるか…というのは他作との関係になってくるのかな?という気がします。

 評価に関しては以下まで考慮しています。

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 (減点0.3/一度見ただけでは(方言関係で)理解をすることが難しい)

 実質的に「長崎枠」という扱い(原爆関係は「直接的には」出てこないが、上記の考察のように解するなら「部分的には」出てくる)で、方言を理解できないとまず最初の鑑賞では詰むのではと思います。

 (減点0.2/無権代理と労働基準法関係)

 自分の子であっても、本人に無断で労働契約を(コンビニなどと)結んでも民法上無効であり、かつこの点は労基法に「親権者は未成年者に代わって労働契約を結んではいけない」という規定があるので、ここの部分は解釈が怪しいです。

 (減点0.1/婚姻離婚の成立要件の配慮不足)

 婚姻については双方の同意のほか、成人者2人の証言(実質は「確認」)を必要とします(民法)。離婚についても離婚のそれを準用しているので同じです。この部分の配慮がかけているように思えます(というより、この点は行政書士の方が監修しているなら突っ込まなかったのかという気がしますが。ただ、そのことは論点になっていないし、このことをテーマにする映画でもないので採点幅は限定的)。

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 (減点なし?/「福山に行く」の意味)

 作内で「福山に引っ越して仕事をすることになった」という話が出てきますが、「福山」という地名「自体」はどこにでもあるような一般的な地名である一方、身近に思いつくのは、やはり瀬戸内海に接する広島県福山市である一方(瀬戸内海に接する以上、造船業はある程度栄えている)、福山市らしきシーンは出てこず、「造船所で働く」というなら別に同じ広島県でも呉市等でも当てはまるところはありますし、「福山に行く」がどこを指しているのかも微妙です(ただ、このことは、その「福山」のシーンが出てこないことからどうであろうと理解に関係なく採点除外の扱い)。

 (減点なし?/天体望遠鏡を持ち出すシーン)

 作品自体が色々と「突飛なシーンが多い」のは先に書いた通りですが、突然天体望遠鏡を組み立てて「空を覗いてみよう」というシーンがあります(ただ、組み立てるだけで、実際に観測するシーンはない)。作品は夏なので、主に見える天体としてはベガやアルタイル等がありますが、それらを見ることに意味がなく(恒星を天体望遠鏡で見ても点にしか見えません)、しいていえばはくちょう座のアルビレオ(3等星。連星を持つことで知られる。「銀河鉄道の夜」など)が考えられますが、具体的な天体の話題にも発展しないので、ここも解釈が???になってしまいます。

yukispica
あきひこさんのコメント
2025年7月11日

じぶんはあいちけんみんですけど、ながさきことばにいわかんはありませんでした。

あきひこ