劇場公開日 2025年9月5日

「ヨハンネの複雑な心情と虚実」DREAMS ひでちゃぴんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 ヨハンネの複雑な心情と虚実

2025年10月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

冒頭から主人公ヨハンネのモノローグがハンパなく長いし多い。
もうこのペースで最後まで行っちゃうんじゃないかと思ったくらい。
私はここまで長いモノローグは観たことがない。
ということで、インパクト大。

学校の女性の先生(名前がヨハンナだからややこしい)を好きになっちゃうヨハンネだが
その心情の描き方(といってもほぼモノローグだが)がエグいというか
リアルというか、
恋する女の子の痛々しいまでの好きになる気持ちを率直に描いている。

で、1年後には付き合っていたけど(とヨハンネは思っている)
すでに別れているヨハンネが自分の記録として手記を書いていて
それを祖母、そして母に読んでもらうことで、
今度は、祖母と母による娘と娘の手記についての語りパートへ。

それから直接母親とヨハンナが話すシーンでは、
ヨハンナにはヨハンネを好きな気持ちはなかったし、付き合っているつもりもないという。
これって、虚実入り混じっている気がする。
母親の問いに少しずつ回答を変えていくところがその証左だと思う。
やっぱり好きだったんじゃないかな、ヨハンナも。

で、ラストはカウンセリングに通おうとするヨハンネには彼氏がいて、
病院でバッタリ会ったのは、かつてヨハンナが自宅に呼んでいた付き合い始めたであろう女性。
そしてその女性と今度はいい感じになっていくところで、ジ・エンド。

相変わらずノルウェーの夜の街の映像はキレイだし、
ダーグ・ヨハン・ハウゲルード監督による独特の語り口もわかってきた。

3部作では『LOVE』と『DREAMS』(本作)が好きかな。

次回作が楽しみな監督になった。

ひでちゃぴん