「ヒトラーのバスタブに浸かった女性戦場カメラマン」リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
ヒトラーのバスタブに浸かった女性戦場カメラマン
リー・ミラーが歴史的写真の被写体として、
もっとも有名にした一枚の写真。
それは映画のジャケットにも映り込んでいる
「ヒトラーの浴室」で入浴しているリー・ミラーの写真です。
1945年4月30日~ヒトラーが自殺したその当日の撮影です。
この写真を撮影したのはコンビを組んで戦場カメラマンとして助け合っていた
デヴィッド・シャーマンがシャッターを押しましたから、
デヴィッド・シャーマンの写真であり、シャーマンの功績なのは当然ですが、
アイデアはリーが出した。
しかしながら、リーミラーが裸になり、お湯を張り、湯船に浸かり、
傍にあったヒトラーのポートレート写真の写りを良くするために、
写真枠からガラスを外して叩き割り、昔のカメラの解像度低さを
カバーして
「胸はうつしてはダメ!!」とポーズを決めた。
シャッターを押したのはデヴィッドだけれど殆どの功績は
【リーミラーのもんじゃ‼️】
そう思いますね。
リーミラーの人生は幼い日から、男性に搾取され続けた歴史でした。
7歳で仮住まいをしていた親戚の家で、家人の留守中に性被害を受けた
幼い日の傷。
カメラマンだった父親に10代の頃からヌード写真を撮られた傷。
ヴォーグのファッションモデルに飽き足らず、フランスに渡り、
当時大流行したシュールレアリズムの画家マン・レイの
弟子兼愛人兼モデルだったのに、
制作を手伝った作品の名義は全てマン・レイが独り占めした。
リー・ミラーは性的にも名誉的にも金銭的にも搾取され続けて来たのです。
フランスがナチスから解放された時。
★ナチスの将校の妻となったり愛人になった女性たちが、
槍玉に上がり、髪を切られて丸刈りにされる写真。
(リーの心には女たちへの同情があった筈です)
当時、ナチスがユダヤ人を大量にガス室に送り大量殺戮が行われていた事を
庶民たちは知りませんでした。
【どんどん消えていく人たちがいる】
そんな認識でした。
しかしリーはフランス国内にナチスが作ったアルザス地方の
ナッツヴァイラー強制収容所が解放された時、いち早く死体の山を
撮影しています。
そんなリーも戦後は夫のローランドの元に帰り、息子のアントニーを
出産します。
1947年のことでした。
それからの30年は表舞台から退き、良き妻・良き母として生きて行く
選択をしたようです。
母親の死後にアントニーが屋根裏部屋にある大量の写真を見つけるまでは。
女性として歴史に埋もれその功績を知られずにいたリー・ミラー。
その実像が明らかになる映画でした。
「シビル・ウォー アメリカ最後の日」で、キリステン・ダンストが
演じる戦場写真家のリーは彼女がモデルですね。
共感、コメントありがとうございます。
こちらは今日はあたたかいです。
「旅と日々」は、近くの映画館で上映しているのですが、時間がなくて…。
シム・ウンギョンは、こういう雰囲気の作品を選んで出演しますね。
「爆弾」は知り合いのお子さんが、エキストラで参加したそうです。
逃げる群集のひとりだそうで、報酬はクオカードだったとか。
エキストラいいなー、やってみたいなー。
インフルエンザウイルスはブロックしまくりましょう!
お久しぶりです。
コメントありがとうございます。
琥珀糖さんのレビューを読んで、リー・ミラーのことを映画にした、ケイト・ウィンスレットの思いに気づかされた気がします。
きちんと評価されて欲しかったのかもしれませんね。
北はもうかなり寒いでしょうか。
風邪ひかないようお気をつけください。
共感をありがとうございます。
男社会で遮られることも軽くあしらわれることもなく自己主張するには、写真はうってつけだったと思います。
「ヒトラーの浴室」の分かりやすい解説、ありがとうございます。
ヒトラー自殺の当日の撮影された、ヒトラーの浴室の写真には、時代の記録でもあり、いろいろな情報が込められていて絵解きのようです。とてもセンスのある女性で、映画の中で、デヴィッドが友情をもって、というか弟分のようについて行ったのが分かる気がしました。
リー・ミラーは魅力的な女性だったんでしょうね。
よく言われる男を虜にするという類いとは違う、内面を見ようとする男が知れば知るほど惹き込まれていくような、そんなモテる女性だったのかな、と。
「愛を読む人」のウィンスレットよかったです。ロマという設定だったかと思います。映画はウィンスレットの演技で見てよかったと心から思いました。原作はむかつきましたけど、レイ・ファインズ演じる男に。
琥珀糖さんのレビューを読み、嬉しかったです。事柄は悲しいです。リーの子ども時代のことは知りませんでした。私はリーに、演じたケイト・ウィンスレットに敬意を持っています。女優の外見やスタイルの画像や映像に、本人の許可を得ず勝手に手を入れて「綺麗に」することにウィンスレットは抗議する。20代からずっと色々な事を言われ続け、でも今もすくっと立っている。
共感ありがとうございました。
“白鯨”なんてからかわれたウィンスレットの体型が映画のイメージを支配している。その印象のせいで崇高な使命感などなく、もっぱら自分のために戦場へ行ったのだと書いてしまいました。何か、すごくむか~しのような気がして……この映画今年だったのかな。





