「アメリカ人だったから女性でも従軍できたというのも面白い事実。」リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界 kazzさんの映画レビュー(感想・評価)
アメリカ人だったから女性でも従軍できたというのも面白い事実。
報道写真家リー・ミラーの激動の生涯を演じたケイト・ウィンスレットが渾身のパフォーマンスを見せている。自ら製作も兼ねた意欲作だ。
戦場でカメラを構える動的なシーンもあるが、全体的には淡白に語りで進んでいくのが物足りない。
しかし、そこに描かれる彼女のヒステリックなまでの信念と情熱には感服する。
彼女自身の少女時代の出来事が、誰かにとっては見たくない事実であっても、誰かにとっては知られたくない事実であっても、何が起きているのかを世間に知らせなければならないという信念につながっていた。
そこも台詞で説明されるのだが、語るケイト・ウィンスレットと、聞き役のアンドレア・ライズボローの丁寧な演技が胸に訴えてくる。
年老いたリー・ミラーがジャーナリストのインタビューに応える形で語りはじめ、物語は回想録として展開していく。
このジャーナリストが誰だったのか、この語りは本当は誰によるものだったのか、映画の結末で言葉ではなく映像でそれを説明するところは見事だった。
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