「期待はずれ」リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界 どら5んずさんの映画レビュー(感想・評価)
期待はずれ
シビル・ウォーを観てリー・ミラーにあこがれた。
だが、何だ、コレ。戦場では逃げまくり、撮った写真は事後の写真ばかり。
今そこにある現実に向き合って撮った写真ではない。
シビル・ウォーではまさに弾丸の飛び交う真っ只中に突撃取材していたではないか。
先にこのリー・ミラーの映画が公開されるべきだった。
ユダヤ人が列車で運ばれて消えていると聞く場面がある。ジャーナリストである
リー・ミラーが初めて知ったフリをして驚愕しているが、ジャーナリストである彼女が
そんなこと、初耳であるはずがない。ここが嘘っぽい。
ユダヤ人の骸の写真も収容所が解放されたあとの写真。
「戦場」写真家でありながら、ナチスの冷酷非道な行為の今が写されていない。
解放された収容所で、子供たちがボール遊びをしたり、死臭漂うなかで、平然と
パンを食う姿に、『関心領域』の一部分を垣間見た。
ヒットラーの自宅でバスに入り、自撮りするなど悪乗りがすぎる。
蛇足だが、たばこと酒をいつも手にしている。煙たかった。
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ノーキッキングさんのコメント
2025年5月14日
そうですね、彼女を戦場カメラマンのように言うのは間違いです。崇高な使命感など微塵もなく、もっぱら自身のトラウマを補償すべく、“被害者”だけを探し続けたように感じました。