「成龍ラストダンス(と思う)」ベスト・キッド レジェンズ HGPomeraさんの映画レビュー(感想・評価)
成龍ラストダンス(と思う)
本作、個人的には感慨深さと寂しさが溢れてきた作品でした。
それは、
①恐らく成龍(ジャッキー・チェン)さんがカンフーアクションを披露するのが最後かもしれないと思ったこと。
→わずかですが本作においても軽いアクションを披露してくださっていたのが嬉しかった。
同時に、もう既に古希(70歳)を迎え、そろそろ体を大事にしていただきたい年齢に差し掛かっているので、アクションからの本当の引退が近いと思えた。
シュワちゃんやスタローンさんの「アクション」とは違い、「カンフー・アクション」は柔軟性やスタミナ、敏捷性が不可欠であり、無理をして事故でもおこしたら、もう。
決定的に体力面や治癒力が限界であると思えます。
②導入のベスト・キッドのワンシーン
→導入の初代ベスト・キッドのワンシーン挿入、個人的に最高に感動しました。
何故なら、わずかにしか記憶に残っていないけど、幼少期、映画館で観たので。
ワンシーンとはいえ、また映画館で観れた事、まず最初に観せられた事がもう、初っ端から感極まってしまいました。
③成長したダニエル・ラルーソーの登場、そしてミスターミヤギの不在
→ダニエル・ラルーソー役ラルフマッチオさんの「声」が、ベスト・キッドの頃からあまり声変わりしていないと感じたので、声を聴いた瞬間に懐かしさが溢れ、その後のミスター・ハンとのやり取りも、ベスト・キッド主人公、ダニエル・ラルーソーの人物像が全く変わっておらず(負けず嫌いだったり、ある意味「あー言えばこー言う」のがダニエルだった)楽しく鑑賞できた。
また、ミスターミヤギ役だったパット・モリタさんもすでに亡くなられている事も、寂しさが溢れ、一つの時代が終わりに向かっている当たり前の現状を再認識し切なくなりました。
内容としては、構成は良く造りこんでいると感じました。
導入の主人公リー・フォンの渡米が、初代・2010年版に続き「ブレないベスト・キッドの導入の物語」として映像化していたことに「安心感」があった。
また前半、敢えて主人公を戦いの中心とせず、まずはミアのお父さんに焦点を当ててアクションを描いたことに、いい意味で完全にしてやられ物語に引き込まれました。
その後、主人公に焦点が戻り物語の「見せ場」に向かう。
ただ、時間の「尺」が足りないせいなのか、ミアのお父さんの敗北やミスター・ハンの渡米、お母さんドクター・フォンが大会出場を認めるくだり、それに最後の格闘大会の迫力などに物足りなさを感じてしまいました。
アクションよりもドラマ性を大事にしたんでしょうか。
格闘大会が短い時間だし予選も簡単な映像、宿敵との事前の絡みも少なかったため、リーとコナーとの戦いに緊迫感は足りなかった。
また、これは完全に個人的な妄想だったんですけど……
①リーの最終技「囮ドラゴンキック」は、失敗すると思っていた!(笑)
そこから土壇場で更なる技の習得、「ドラゴンキック・ネオ(笑)」を期待してしまった!
②最後にコナーがリーに襲い掛かり、それをいなしたリーが拳を振り上げ、ミスター・ハンに制されたあのシーン……ベスト・キッド2の導入、ミスターミヤギがコブラ会のリーダーに拳を振り上げた後、鼻をつまんだシーンを重ねたりして、「それを」期待してしまった!
また、最後の最後にダニエルの宿敵だったジョニーが友情出演していたことにも、感動しました。
「ベスト・キッド コブラ会」 というドラマでコブラ会の面々が再出場していたのは知っていましたが、映画のラストに、戦いを経て友達になっていた両雄のコミカルなやり取りに、後味が良い終幕を観れて満足感が私を支配しました。
物語としては薄味だった部分も在りますが、ダニエルとミスター・ハンの共演、ジョニーの出演、初代ベスト・キッドの一幕、そして私の幼少期の思い出を予想外に気持ちよく振り返れたので、個人的には素敵な映画でした!
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