「どこまでも予想の付く展開なんだけど、レジェンド二人が若者の成長に目を細める姿を見てるだけでいいじゃないか、と思えてしまう一作」ベスト・キッド レジェンズ yuiさんの映画レビュー(感想・評価)
どこまでも予想の付く展開なんだけど、レジェンド二人が若者の成長に目を細める姿を見てるだけでいいじゃないか、と思えてしまう一作
本作の主人公、リーを演じたベン・ウォンは、肝心なところで気弱になるところがまさに『ベスト・キッド』(1984)でラルフ・マッチオが演じたダニエルの役どころと完全に重なり合うんだけど、一方でジャッキー・チェンの、じゃなかったミスター・ハンの弟子としてカンフーを使いこなす武術家でもある、という二つの側面を見事に演じていました。これはジャッキー・チェンとラルフ・マッチオでなくともその姿に声援を送りたくなるところ。
武術映画のレジェンドが一人の若者の成長に手を差し伸べる、という、ファンが観たい展開そのまんまな造りのため、リー、ハン、ダニエルそれぞれの絡みは期待通りの楽しみを提供してくれます。これは裏返すと1作目を観ていると、というか師弟ものの映画として大体こうなるよね、という予想通りの展開ということでもあるのですが、そこにリーがヴィクター(ジョシュア・ジャクソン)に稽古をつける、という場面が一本道に見えた物語に起伏を与えています。ミア(セイディ・スタンリー)との交流も青春映画的な高揚感をもたらしてくれるんだけど、ここはニューヨークの観光名所案内っぽくなっている、というおまけつき。商店を「ボデガ」と呼ぶあたり、『イン・ザ・ハイツ』(2021)を連想して勝手に盛り上がってしまいました。
リーの敵役コナー(アラミス・ナイト)が、最近の映画としては珍しいほどに、もう気持ちのいいほど分かりやすい悪役なんで、遠慮なくリーに感情移入ができます。そしてラルフ・マッチオが「ベスト・キッド」の世界線に登場する、ということは…!?というファンの期待に応えてくれるかどうか、ぜひ直接スクリーンで確認して欲しいところ!
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